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絶対安静にクヨクヨした妊娠後期、それでもソフロロジー分娩法で穏やかな出産

たまひよONLINE

現在7歳、男の子がいるママライターのしのぶです。これは、20代から30代のころの話です。
大学卒業後、就職した会社。残業が多いながらも仕事や仲間が大好きだった私は充実した毎日を送っていました。それから約6年、会社で知り合った彼とも長い付き合いになり、結婚が決まりました。しかし、小さいころから何かと神経質な私は、このままでは仕事も家庭も中途半場になると考え、結婚を機に専業主婦になりました。

妊娠してわかる、専業主婦のありがたみ


結婚後は、夫とゆっくり過ごせる喜びと、仕事を辞めた開放感でいっぱいでしたが、それが数ヶ月続くと、社会から取り残されたという気持ちになり、孤独感を味わうようになりました。「働いた方がよいのではないか」と悩んでいるさなか、妊娠がわかったのです。

妊娠がわかると同時に、つわりがやってきました。(頭痛と吐き気で何もできない。だけど、赤ちゃんを大切に守りながら家にいられる)そう考えたときに、私は専業主婦であることをありがたいと感じ、同時に夫に感謝する気持ちが大きくなっていくのを感じました。

出産への恐怖心、ソフロロジー式分娩法との出会い


つわりが少し落ち着くと、気持ちに余裕が出てきました。夫と一緒に両親学級に参加するなど、子どもを通してつながる新しい人間関係に喜びを感じ、それまで抱えていた孤独感は少しずつなくなっていきました。

産院の母親学級にも参加しました。そこでは、リラックス法として「ソフロロジー式分娩法」を教えていました。私は、はじめて知る分娩法に驚きましたが、出産に対して恐怖心しかなかったこともあり、この分娩法に興味が湧きました。

「少しでも出産が楽になれば」そんな思いから、ソフロロジー式分娩法にチャレンジすることを決意。産院からソフロロジー式分娩法のCDを貸してもらい、自宅でそれを聴きながらイメージトレーニングするようになりました。トレーニング中は、心地良い音楽が流れ、そのまま眠ってしまうこともありました。

妊娠8ヶ月、絶対安静で情緒不安定に……


妊娠7ヶ月めに入ると、医師から「おなかの張りが強い」と言われるようになりました。「おなかが張る」という感覚がよく理解できないまま、張り止めの薬を飲む毎日で、不安はつのるばかりでした。

妊娠8ヶ月目には、医師から「赤ちゃんが出てきそうだから絶対安静!」と言われてしまいます。仕方なく、自宅近くの実家に帰ることに。寝ているだけの毎日に、私はすっかり情緒不安定になり、突然、涙がボロボロ出ることもありました。

気をまぎらわせるため、まるでおまじないのようにソフロロジー式分娩法のCDを聴いていました。臨月になると、医師からは動くように言われます。2ヶ月間も寝ていたため、体力はかなり落ち、掃除をするだけでヘトヘトでした。

陣痛に気づかない!?穏やかな出産に


予定日の10日前、夜中2時に、ふと軽い痛みを感じました。親を起こしたくないと思い、様子をみようとひとまず寝ることに。4時、痛みがとれず、夫にメールをしました。夫のアドバイスもあり、朝すぐに産院へ行けるよう準備をしていると、7時に出血。産院へ電話すると、すぐに来るようにとのこと。

痛みの波がきても「これが陣痛なのか」と客観的になれる自分がいました。家を出るギリギリまで、朝食を食べる元気があるくらいです。病院へ到着後は、歩いて分娩室へ。ソフロロジー式分娩法のCDが流れるわけでもなく、助産師さんは他の出産で大忙しでした。隣からは、叫び声が聞こえ、「自分も叫ぶのかしら」と怯えながらイメージトレーニングした日々を思い出していました。

痛みはあるものの、まだ大丈夫と思っていると助産師さんが私のところに集まってきました。そして10時頃、元気な男の子がうまれました。うまれたばかりの子どもが夫に視線をむける姿をみて「家族3人になれた!」という実感が湧きました。

今考えると、情緒不安定だった私がなぜ冷静になれたのか不思議です。もしかしたらソフロロジー式分娩法効果かもしれません。CDからは、繰り返し「出産は赤ちゃんとの共同作業」と言われるので、痛みよりも赤ちゃんが頑張っているという喜びの方が大きくなっていたのです。これは、母と子しかできない貴重な体験でした。仕事にも結婚にも妊娠中にも、壁にぶち当たりました。出産に対しても前向きになれず、つのるのは恐怖心だけでした。ところが実際には、思っていたのとはちがう穏やかな出産になりました。

[しのぶ * プロフィール] 
子どものころに「肺動脈狭窄」と医師に診断され、高校を卒業するまで検診を受けていました。その影響なのか、神経質になりがち。そんな私でも、お母さんになることができました。現在、1児の母&在宅ライター&ときどきアロマの先生。

※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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