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返納、「事故起こす前に」 返納者に聞いた“きっかけ“

タウンニュース

自宅で取材を受ける前野さん。手前の「い草のシートクッション」はかつて自家用車に設置していたものだ=8月27日撮影

9月21日から30日までは、「秋の全国交通安全運動」期間だ。昨年、八王子市内で自動車の運転免許証を自主返納した75歳以上は、920人。交通事故を起こさないために、3年前に自主返納した前野修さん(北野台在住/89)に、返納を考えたきっかけについて話を聞いた。

◇◇◇

「夕方の運転がね、怖くなったんだよ」。近所に歩道のない狭い道路があり、夕暮れどきに運転をしていると暗い色の服を着た人の動きが見えなくなることに気づいた。「急に車道に出てこられたら反応できるだろうか」。恐怖心を抱きながらハンドルを握ることができず、半年ほどして、免許証を返納した。事故を起こす危険性と、車の利便性を天秤にかけた結果だ。「事故を起こす心配自体がなくなったことにホッとしている。起こしてから後悔しても遅いですから」

ただ、手放した便利さも痛感している。一軒家に妻と住んでおり、以前は車で複数のスーパーマーケットを回り買い物を楽しんでいたが、現在は遠方の店には足を伸ばしづらいという。電車やバスで行くことができても重い米を持って帰るのはひと苦労で、家の周辺は坂も多い。有料だが店頭で買ったものを家まで届けてくれるスーパーのサービスがありがたいという。

不便さはあるが、「安心感には替えられない。独立している我が子には迷惑をかけられないからね。運動量は以前より増えたので、健康面ではいいですよ」と前野さんは微笑んだ。

兆候見逃さないで

八王子警察署の交通課によると、高齢者が自主返納を考えるべき兆候に、「運転技術や反応速度の低下に気づいたとき」などを挙げる。

具体的には、車庫入れで目測を誤り車をこすってしまったり、道路標識に気づかず交通違反をしてしまったときがサインのひとつで、「家族が車のキズを見て気づく場合もある」という。

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