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観光地 川越の取り組み「そのゴミもらいます!」

TBSラジオ

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秋の観光シーズンということで各地賑わっていると思いますが、埼玉県川越市もその1つです。

観光客で賑わう川越 

「小江戸・川越」とも言われる川越市は、去年719万人が訪れた人気の観光地です。蔵造りの街並みで知られる「川越一番街商店街」に来ていた人に、どこから来たのかなど話を聞いてみました!

「さいたま市です。久しぶりに来ようかなと思いました。歴史を感じられる建物でもあるし、見ていて楽しいと思います。」

「埼玉県の朝霞。なんか美味しいもの食べに行こうかって。風景とかすごく守られているのは感じますね。都内に行ってばかりだったので、たまにはこういうところもいいかなと思って。」

「埼玉の深谷市です。一度も来たことのなかった川越に。退職なので、記念にいい思い出になるかなと思って。いいですね、やっぱり小江戸でね、なかなかですよ。やっぱりお店、古いお店が、こんなところないですよ。綺麗ですね、ゴミ落ちていませんよね。いいですね本当に。」

「私は(東京の)小平です。鰻を食べに来ました。美味しかったね。街並みがすごく綺麗にできていて、美味しいお菓子とかたくさん売っていてびっくりしました。また鰻が食べたくなったら来ます。」

取材に行った日が「埼玉県民の日」だったこともあり、お休みの方が多かったのか埼玉県内に住む人や、都内から来ている人がたくさんいました。「近くでもこんなに楽しめるのはいい」という声も上がっていました。

合言葉は「そのゴミもらいます!」

観光に来た人から「綺麗だね、ゴミが落ちていないね」という声もありましたが、多くの飲食店が立ち並ぶ川越一番街商店街では、このゴミ対策、実はかなり頭を悩ませてきたそうなんです。
和菓子店「龜屋」の社長 山﨑淳紀さんのお話です。

和菓子店「龜屋」社長 山﨑淳紀さん

やはりコロナ前にはかなり観光客の方が来られていたので、ゴミ問題がかなり取り沙汰されていた時期がありました。新型コロナが流行って、また以前のように観光客が戻られたときに、無策で同じようなことをしてしまったら問題だからということで、一番街の商店街では「美化委員会」を立ち上げて、ゴミを持っている方が店舗に来られたらそれを受けとる。各店が「そのゴミ捨てますよ」って言って、そこから自分の商売に繋げていく、そういった活動を去年あたりから形にして始めていて、実際にゴミ関係の苦情とか、かなり件数が減ってきています。今では表の通りを歩いている人でもゴミを持っているのを見つけたら「ねえねえ、そのゴミもらうよ!」って言って呼び込んでやっているお店もあるらしくて、それはすごくいいことだなと思います。  

「ポイ捨てを防ぐため、積極的に声をかけてゴミをもらっちゃおう」という発想なんです。お客さんも嬉しい、気持ちがいいし、店側もお店に入るきっかけにしてもらえたり、お客さんの手が空くということもあって、売り上げアップにも繋げられるメリットがあります。

これまでは食べ歩きから生まれる串などのゴミのポイ捨てがかなり多かったそうで、自動販売機の横の、ペットボトルや缶などを捨てる専用ボックスの周りが、いろいろなゴミで溢れ返ったり、駐車場などの見えないところに隠すように捨てられたりしていたが、この声かけの取り組みを通して減ってきたということです。

お店のレジの横には「そのゴミもらいます!」というポストカードも置いています。今は外国からの観光客も増えたということで、今後は英語や中国語のパターンも作りたいと話していました。

みんなで川越の街並みを守っていきたい

ただ、川越にはゴミ以外にも観光地としての悩みがあるといいます。
川越一番街商業協同組合 理事長 長島貴子さんに伺いました。

川越一番街商業協同組合 理事長 長島貴子さん

川越市が今年度、オーバーツーリズム対策に乗り出すということを打ち出したんですが、横断歩道でないところの横断、信号無視とか、さまざまなことが行われていたり、路上での飲食が横行されていたりということが、目につくところではあると思います。どうしても一番街商店街は県道ですので、大型バスなども通りますので、やはり道にはみ出てしまうのが危険だということで、飲食店で整理券を配って時間になったら呼んでいただく、それまでは並ばないで川越を楽しんでくださいねっていうことをしていますね。川越の一番街の人たちも、食べ歩きの街という形では推してはいないんですね。食ももちろん、まず川越がなんで有名になったのか、みなさんが来てくださるのかというのは、この街並みがあるからだと思いますので、この街並みをお客様も、我々商店街のみんなも、住んでいる人も、みんなで守っていけたらいいなと思っています。

商店街は昔ながらの街並みだからこそ、江戸時代から道幅も変わっていないとのこと。さらに、歩道はなく、路側帯として歩くスペースが区切られている状況です。

長島さんによると、今年の夏は暑すぎて人が少なかったけれど、やっと人出が戻ってきたそうで、特にインバウンドはコロナ前の倍以上と、多くの観光客が来ているそうです。
整理券を導入している店もありますが、整理券は逆にその順番待ちなどで結局混乱する場合もあるのが難しいところです。

各店舗、食べるスペースを用意するなど工夫しているということで、長島さんは「行政とも手を取り合って、より良い川越に変わっていけたらいい」と話していました。
観光地、行く側も協力して綺麗に安全に保ちたいですね。

(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』取材・レポート:西村志野)

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