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ねるんポクぽく[インタビュー]旅することで広がる世界、1stアルバムで描いた幸せのカタチ「渾身の一撃でもいいので、海外に行ったらその人の中で生まれるものは絶対にあると思う」

Pop’n’Roll

ねるんポクぽく[インタビュー]旅することで広がる世界、1stアルバムで描いた幸せのカタチ「渾身の一撃でもいいので、海外に行ったらその人の中で生まれるものは絶対にあると思う」

ゆるめるモ!の活動と並行して進めてきた、ねるんのセルフプロデュースによるソロプロジェクト『ねるんポクぽく』。2021年9月15日の活動スタート以来これまで配信シングルを10作もリリースするなど多作だった彼女が、12月22日(日)に初のワンマンライブを銭湯で開催し、来年1月には初のフルアルバム『ねるんモシもし』(15曲入り)をリリースする。

今回、同作の発売と銭湯ワンマンを記念して、全曲解説含むロングインタビューを実施。

作詞&作曲やグッズ製作、アートワークデザイン、映像編集などにとどまらず、現役の歯科衛生士であることをカミングアウトして“歯の曲”をリリースしたり、タイが好きだからと突然“タイ語”の曲を発表するなど、ユニークかつクリエイティブな活動で知られるねるんポクぽくに、じっくり話を訊いた。

・ねるんポクぽくの写真 6枚

ソロをやるきっかけは、ラッパーになりたいと思ったから

ーーアルバムリリースおめでとうございます。

ねるん:
はい、おめでとうございます(笑)。

ーー(笑)。15曲も入ったフルアルバムという形になってどう思われましたか?

ねるん:
すごいですね。

ーーここに至るまでは長かったですか?

ねるん:
長かったです。

ーー最初のシングルをリリースしたのが2021年9月15日なので約3年ですもんね。始めた瞬間はこんな風になるとは思ってました?

ねるん:
思ってないけど、思ってました。

ーー始めた時からすでに、たくさん曲ができていきそうなイメージがあったと。

ねるん:
はい。

ーーねるんポクぽくというプロジェクトは、そもそもどういうきっかけでやってみようと思ったんですか?

ねるん:
1番最初は、ソロでラップをやりたいという話をさせていただいてそこからですね。

ーーラップ?(笑)

ねるん:
ラッパーになりたいなと。

ーーなぜラッパーになりたいと思ったんですか?

ねるん:
語が面白いからです。歩きながら言うくらいの感覚で。

ーー意外な始まりでした(笑)。そして今回リリースするアルバムタイトルは『ねるんモシもし』ということですが、“モシもし”という響きにしたのはなぜですか?

ねるん:
電話が好きなので。

ーー電話のどういうところが好きなのですか?

ねるん:
文字を打たなくて済むところです。あと電話をすると同じ時間をラグなく生きれるから、それはいいなって思います。

ーーアルバムは、ねるんさんの個性やパーソナリティが身近に感じられる曲ばかりで、ファンとしては曲を通じてねるんさんとお話ししてる感覚になる気がします。

ねるん:
それは思いやすいと思います。なぜならば、ねるは歌をあまり歌唱みたいに歌う感じではなく、お話ししてるような歌に近しいと思うからです。

ねるんポクぽく

じゃがいもは、みんなにとっての卵ですね。初歩的にマストみたいな

ーーアルバムの全収録曲について話を伺いたいのですが、まず「チョキチョキ」を。これはねるんさんが作詞も作曲もされていますが、どういう経緯でこの曲が生まれたんですか?

ねるん:
人の髪の毛が伸びてたから、遊んで切るふりをしてただけです。何も考えてないです。

ーー何も考えてないのにアイディアが出てくるのはすごいです(笑)。チョキチョキも単語として覚えやすいし、キャッチーだと思うんですよね。ねるんさんは擬音が好きなんですか?

ねるん:
好きな方なのかもですね。

ーー人の髪を見ると切りたいと思うのですか?

ねるん:
髪の毛を切ってみたいし、美容師になってみたいです。

ーー実際に切ったりはするんですか?

ねるん:
手先が器用だから、前髪とかは頼まれることがあります。

ーー自分の髪とかも?

ねるん:
今は行きつけの美容師さんがあるからなるべく切らないように心がけてはいますが、ねるんになる前は行きつけなどなかったから、自分で切ってましたね。

ーー自分の髪を切るハサミとかもあるんですか?

ねるん:
紙とか切るハサミです。

ーー期間限定のねるん美容室とかあると面白そうですね。資格も取ってみたいですか?

ねるん:
取ってみたくないです。実習とかは行きたくないので。

ーーありがとうございます(笑)。それでは「じゃがじゃがじゃがいも」を。これはライブで盛り上がる印象の曲で、じゃがいもが好きなのがすごく伝わりますが、ねるんさんにとってじゃがいもってどういう存在ですか?

ねるん:
みんなにとって卵ですね。

ーーどういうことですか?(笑)

ねるん:
みんな冷蔵庫に卵を蓄えてるじゃないですか。世間は卵料理とか初歩的みたいなマストだと思うから、それですね。

ーーわかりやすい(笑)。じゃがいものことをそんなに愛するようになったのは何歳くらいから?

ねるん:
物心ついてからですね。

ーー歌詞にも出てきますが、SNSにポテトご飯の画像とかも上げていて、じゃがいも料理のレシピもプロデュースできそうですね。

ねるん:
はい、でも料理できないので。

ーーアイディアだけ出して、実際はプロの人にレシピにしてもらうとか?

ねるん:
美味しいじゃがいも料理は世の中に増えてはほしいと思います。

ーー「アナタノカタナ」もユニークな曲で、ねるんさんにとって刀ってどういうイメージですか?

ねるん:
切れ味抜群。あとは重たい。

ーーライブでは光る刀を振ってますが、どこで見つけてきたんですか?

ねるん:
ドン・キホーテです。

ーーMVでも刀を振り回したりしてましたが、刀で何かを切ってみたいとか思いますか?

ねるん:
調理ですかね。じゃがいも。飛んでくるやつを切りたいです。

ーー「犬になる」に登場する飼い犬さんは、ねるんさんにとってどういう存在ですか?

ねるん:
ベストフレンドです。

ーー友達のような感覚で接しているってことですね。

ねるん:
家族には姉弟と言われますね。

ーー弟さん、いいですね(笑)。時々姉弟喧嘩することはあるんですか?

ねるん:
昨日しました。お友達が遊びに来て、ねるがお家の外で待ってられないから相手に待つ時間が生まれるんですが、その時に一生犬が吠えるから、そうすると用意が進まなくて。お友達に吠えるから窓の前にバッグとか荷物を置いて、カーテンをめくらさないようにとか対応してたら、結局自分の準備が止まっちゃって。だからイライラしました。

ーー(笑)。そういう時はイライラをどう伝えるんですか?

ねるん:
本当にやだ、うるさいって言って、ずっと睨む。

ーー1回喧嘩すると距離が生まれたりするんですか?

ねるん:
でもすぐにスリスリしてきます。

ーーそれで仲直りということですね。大喧嘩することもある?

ねるん:
ねるはあんまりないけど、家族とはよくしてます。いつも人間相手に強気に噛んで、ちゃんと喧嘩してます。でも、ねるは噛まれないです。

ーーなんでねるんさんは噛まれないんですか?

ねるん:
いいとこ取りだからです。

ーーなんかわかりますね(笑)。そして「かぞえうた」。これもすごく海外の人に覚えやすいユニークな曲だなと思うんですが、どういうふうに聞いてほしいと思って作りましたか?

ねるん:
海外の人のお勉強の役に立ちたいなと。数を覚えたての赤ちゃんも。

ーー確かに。ねるんさんは数を数えるのは得意なんですか?

ねるん:
得意です。そろばんやってたから。

ーーそろばん? 意外ですね。

ねるん:
段持ってます。初段です。

ーーぜひそろばんを打つ機会も見られるといいですね。

ねるん:
はい。例えば、ねるがお店屋さんやったらそろばんでお会計します。

ーー機械じゃなくてそろばんで?

ねるん:
そう。でも、レジスターも好きだから、バーサス(VS)でやりたいです。

ーーそれはぜひやってほしいですね。続いて「ねててえ」ですが、MVではいろんな場所で寝てました。ねるんさんは本当にどこでもすぐに寝れるんですか?

ねるん:
寝れます。でもショートスリーパーもできます。

ーー機会に合わせてショートとロングを使い分けられるってことですか?

ねるん:
寝ていいよって言われたらずっと眠れます。

ーー時間がない時はショートでも済むということですね。うらやましいです(笑)。初歩的な質問ですが、道路とか汚いところとかでも気にせず眠れるんですか?

ねるん:
汚いところはちょっとできないですが、道路が汚いっていう考えがあんまりなかったです。

ーー今寝なさいって言ったらすぐ寝れますか?

ねるん:
うん、眠れると思う。

ーーすごい才能ですよ、それ。逆に、眠れない人に対してどう思いますか?

ねるん:
なんで眠れないのか本当にわからない。あまり寝ることで困ったことがないので。

ーーじゃあアドバイスも与えようがない。

ねるん:
ちょっと難しいです。

ーー寝つけない人は、どうすれば眠れるようになるだろうって思いますか?

ねるん:
どういうことで寝つけないかわかんないけど、頭の中で寝たことを想定して、脳を錯覚させるとかですかね。

ーー参考になります(笑)。睡眠相談とかぜひやってほしいですね。

ねるん:
いや、できないです。だって、ねるが苦労してないから。

ーー続いて「ピンクの部屋」ではMVも自分で凝った編集をされていますが、編集は大変でした?

ねるん:
大変でした。編集してみたいと思ってやってみたけど、やったことで今後一切編集したくないってなりました。好きなはずだけど、好きな頭があっても手の技がまったくなく術がないから毎秒苦労しましたね。

ーー編集してて楽しかったですか?

ねるん:
期日があったから、楽しいというよりも切迫な気持ちでやってました。

ーーそれにしてもすごい部屋ですが、けっこう考えてレイアウトしているのですか?

ねるん:
しないです。気づいたらああなっていたっていう感じで。壁は布なんですけど、計算して測って、それも苦労しましたね。壁の高さと横幅の広さの1枚の面を作る時に下で全部広げることができないから、計算した布を合計センチを合わせてそれを1発で貼って。合うかどうかのチェックができないから、最後に垂らして意外とちゃんとぴったりできてたからよかった。

ーーあの部屋は適当には作れないですよね。空間プロデュースとか人のお部屋をレイアウトしたいとか、そういう思いはありますか?

ねるん:
すごくあります。やってみたいです。

ーーぜひやっていただきたいですね。個展とかも見てみたいです。

ねるんポクぽく

歯の知識は日々更新しないといけないから、遠征の時も本を持って行ったり

ーー続いて「でんたる歯いじにすと」ですが、歯科衛生士と発表された時はびっくりしました。なぜ発表しようと思ったんですか?

ねるん:
いい歯の日だったからです。

ーータイミングなのですね。ねるんさんはどういった想いで歯科衛生士をされているのですか?

ねるん:
可愛いからです。

ーー可愛い?(笑)

ねるん:
器具とか独特で可愛いし、みんなの歯が可愛いです。

ーーそもそも歯科衛生士に興味を持ったきっかけは?

ねるん:
やりたいことがなかったからです。

ーー国家試験とか難しいと思うんですけど、途中で諦めようとかはならなかったのですか?

ねるん:
諦めようってなるくらいに向き合えてはいなかったのかもです。

ーー実際に働いてみて、やりがいが生まれたみたいな感じですかね。

ねるん:
ええ。

ーー今までやってきて苦労したことは?

ねるん:
たかが1本の小さい歯でも、症状とか状況が多すぎていろいろなパターンを覚えなくちゃいけない。膨大な知識を勉強しないといけないので。あとはカタカナが難しい、専門用語とか。薬剤とかも難しいです。

ーー定期的に勉強の時間を設けないといけないですね。

ねるん:
日々知識は更新しないといけないから、移動中とか遠征の時も本を持って行ったりして。

ーー本当にすごいです。発表して反響が多かったんじゃないですか。

ねるん:
びっくりしてすごいってなってくれるのかなって思って発表したけど、そんなに反応はよくなくて、本当に9割方信じてない人たちで。逆に想像つかないから嘘だろうなっていう受け手なので、あんまりコメントとかはなかったです。

ーーそれは不本意ですね。まさか信じてもらえないだなんて。

ねるん:
こちらからすると本当だから、びっくりされるっていう想定だったけど、突然言われたらそれは本当に想像つかないんだなって思いました。

ーー現役ですもんね。お仕事を早上がりしてライブやって、翌日朝から働いたり?

ねるん:
そうです。忙しい。

ーーめちゃくちゃ大変じゃないですか(笑)。寝れないですよね。

ねるん:
だから寝てないです。

ーーねるんさんに憧れて歯科衛生士を目指したい人もいると思うのですが、ご自身で経験してきた上で感じた心得とか必要なものって何ですか?

ねるん:
心得とか必要なものは特にないですが、歯科衛生士っていう職業は本当におすすめです。自分は学生の時は特にやりたいことがないから進んで国試も取ってみたけど、実際にその臨床で触れることによってすごくいいお仕事だなって。やるまでは思わなかったけど、今は楽しいなって思えます。だから、用意するものとかはなく資格だけ。

ーーすごく頑強になります。そしてリリースしたばかりの「おぷろやだよ」ですが、ねるんさんが本当にお風呂が嫌いなんだなと伝わりました(笑)。ちなみに世の中で“風呂キャンセル界隈”なんて言葉が出た時にどう思われました?

ねるん:
わかります。わかるけど、わざわざ口にするものでもないくらい当たり前だから。お風呂は本当に嫌だけど、ねるの場合はちゃんと朝には入ってます。めんどくさいのはめんどくさいけど、歌詞にもあるように入ったらいっぱい入れる。入れば本当に好きって思える。だから面倒くさいをやめればいいんだと思う。だからやっぱりもうちょっとお風呂には頑張ってほしい。

ーー歌詞にもある通り、進歩してほしいってことですね。具体的には?

ねるん:
進歩をしてほしいけど、誰がそこに対して毎日頭を使って考えてくれているのかがあまりわかってないから、もしいないんだったら変われないから、そういう役職を作った方がいいのかなって思います。

ーーお風呂を進歩させる役職(笑)。ねるんさんがその立場なら、まずどういうことをやりたい?

ねるん:
まず、お風呂はメイク落としをしてクレンジング、洗顔してとかは100歩譲って仕方ないって思えたとしても、全共通のビシャビシャになったあとは、お風呂を隔ててるドアの枠に暴風をつけるとか。ドアをまたいで出たらもう乾いてるだったら、めんどくささは少し軽減するなと。

ーーなるほど(笑)。

ねるん:
あとは天井全部がシャワーとかを作る。寒いなど嫌だし。あとはシャンプーとコンディショナーを分けないで、オールインワンのリンスインシャンプーにしてもバサパサにならないやつを考案する。いろんな部門の人に頑張ってもらえたらいいなって思いますね。

ーーぜひ実現させてほしいですね。この曲はMVもタイムリープもので面白かったですけど、撮影はどうでしたか?

ねるん:
すっごく暑かった。

ーーこれ撮ったの夏ですよね。蒲田温泉さんの温泉はどうでしたか?

ねるん:
お湯が熱かった。銭湯は素敵な場所だから、撮影できて嬉しかったです。

ーー続いて今度MVが公開される「おい謝謝うれ謝謝」ですが、どうしてこういう言葉が生まれたんですか?

ねるん:
台湾に初めて遠征で行った時に、謝謝という言葉を使ってて、帰りの飛行機に乗る前に台湾のジュースを飲んで美味しかったからですね。

ーー美味しいと謝謝が混ざって、おい謝謝になったんですね(笑)。誰も目をつけてない発想だと思いますし、ねるんさんは言葉と言葉を結びつけるのが得意ですよね。

ねるん:
そう、物草なんだと思います。言葉が長いとスマホで打つ時も勝手に短く作っちゃうから、それで通じてほしいなっていう自己勝手。

ーーその感覚があれば、無限に歌とか言葉を作れますね。そして続いて「サワディーカーコップンカー」ですが、これがまさかのタイ語の曲という。キャッチーでタイ愛に溢れてますが、なんでこんなにタイが好きなんですか?

ねるん:
キラキラしてるからですね。街の彩色とかもすごく。もともと色が好きで、カラフルなのは心がときめくから、そういうのが何の変哲もない場所とかにも気を配られてて嬉しいです。ありがたい。あとは、タイの地で生きている人がすごく楽しそうだなって行ってみる時に思います。本当に楽しいですね。

ーーその感じがすごく伝わってきて、タイに行ってみたくなりました。先日はタイでライブで歌ってきたそうですが、実際に歌ってみてどうでした? 届いてる感じはしましたか?

ねるん:
タイの方でライブを観に来てくれる方は、日本語が上手にわかってもらえることが多いんですが、ねるが初めて曲でタイ語を歌ってもちゃんとわかってくれてよかったです。

ーータイでは、おもにどう過ごしていたのですか?

ねるん:
ちゃんとライブもしましたが、タイはライブの仕事が終わったあとの夜が長いから、お買い物も充実しましたね。

ーーねるんさんは、海外ではすごく独自のセンスで買い物をしてくるイメージですが、どういう感覚で買い物をしているんですか?

ねるん:
それはわからないです。

ーー直感で?

ねるん:
はい。

ーー今度出るオフショットMVにそのあたりが収められていそうで楽しみです。

ねるんポクぽく

自分が理解できないことを、多数だからとその母数が動いたり決めたりしてることが怖い

ーー今回のアルバムは初収録の曲も多いですが、まずは「クレイジーねるんちゃんアゴーゴー」を。クレイジーって言葉がねるんさんにぴったりだなと思っていて、小さい頃から世の中への違和感を覚えているのでしょうか?

ねるん:
世の中ってあんまりよくわかんない。理解できないです。なんでこんなことしてるのかとか。そういうのが1個1個あって。自分が理解できないことも、多数だからって言ってその母数が動いたり決めたりしてることが怖い。

ーー怖い?

ねるん:
はい。世の中にはあんまり期待しないようにしてます。でも、なんか世の中って言うと、みんなのことも悪く敵対してるみたいに聞こえたら嫌だけど。世の中がなんだかわからない。

ーー特定の誰かとかではないと。

ねるん:
あんまりよくわかんないし、諦めてる。

ーーねるんさんはそれを表現して発信する立場にいるわけで、例えば同じように世の中に違和感や恐怖を感じてる人がいたら、どういう言葉をかけてあげたいですか?

ねるん:
怖いもなんかすがってるみたいだからちょっと違うんですが、別に怖いがヒロインではなくて。そこに沿わずにいれるのであれば、そう生きていたいって感じであって。人様に迷惑をかけちゃダメってよく言われるから、かけてるかけてないを判断しつつ、自分を好きに生きていたいです。

ーー苦しむ人にはそう伝えてあげたいと。

ねるん:
ん〜これは難しいとは思います。だって、それが世の中って思えちゃうくらいにそこら中に大きく散りばめられてるから、どうしてもそこを避けていくところに人口が偏ったら途中で止まっちゃうと思う。だからあんまり軽く言ってるわけではないけど、そういう感じで言えるものでもない。

ーー言葉に重みがありますね。続いてキッズソング調の「どこでもねるんちゃん」ですが、これも同じような世界観で、退屈や苦しさを感じてる人に“ねるんちゃん”の存在が面白みを感じさせることができるという曲ですよね。そういう自覚があるのですか?

ねるん:
あるんだけど、あまりそれが伝えられてない。なんか別に自分が特別なところから見えてるとか、みんなが見えてないものが見えてるとか思っているわけではないけれども。なんかねるがたまたま見つけられたものとかも、せっかく見えたからシェアしたいっていうのがあるんだけど、できてない。

ーー今後はそれをもっと伝えていきたいと。

ねるん:
できないのかもしれない。人に伝えることが上手じゃないから。それは何でかっていうと、何を考えているかわからなかったり、怖かったり、冷淡な人に思われがちであるから、多分伝えることは決して上手ではないので。

ーーでも、それはこうしてメディアの中でじっくりと語ったり、今回のアルバムが世に出たら広げていけると感じました。そして、「UFOUFOUFO」ですが、これはねるんさんがUFOを見た体験を描いてるんですか?

ねるん:
UFOかどうかはわからないけど、見たことがあって。でもそれを本当に見たんですか? UFOを見たんですか?みたいに何度も尋ねられたら、罪を犯してないけど犯しましたみたいな気持ちになって、本当に見たかわからなくなってきちゃいました。

ーー問い詰められるみたいなのは置いといて、そういうものを見たんですよね。当時のその瞬間は怖かったですか?

ねるん:
怖くないです。いやその時は怖かったのかな? でも泣いたりしなかったし、普通に夜眠れたから怖くなかったんだと思います。

ーーもう1回見たいですか?

ねるん:
うん。確かに今見たら、近づいてみたいです。

ーー近づくのは怖くない?

ねるん:
昼だったら怖くない。夜だったら怖いかもです。

ーー前に見てるからUFOの存在自体は信じてますもんね。

ねるん:
信じてない人もいるんでしたっけ?

ーーいると思いますよ。そしてUFOがいるってことは宇宙人もいるってことですよね。

ねるん:
宇宙人いるのすごい。

ーーすごいですよね。そういうSFを描いたコンテンツは興味あったりするんですか?

ねるん:
パパが好き。

ーー映画とか?

ねるん:
はい。

ーーこれ観なよとか言ってきたりもします?

ねるん:
しないです。映画観れないんで。

ーーなんで観れないんですか?

ねるん:
ちょっとでも違うものを見たりしちゃうと、目がそれちゃったり、耳がそれちゃったりして。またイチから振り出しに戻しちゃって終わんない。

ーーねるんさんらしいですね(笑)。それでは最後「コロッケちょうだい」ですが、コロッケがそんなにお好きなんですね。

ねるん:
1番好きです。

ーー伝わってきました(笑)。歌詞は精肉店のコロッケが好きという内容ですが、どんなコロッケを食べたいですか?

ねるん:
食べたいわけではないんですが、1番美味しいを見つけたいから、食べなきゃいけない。

ーー精肉店を見かけると、まず1番美味しいを見つけるために買ってしまうって感じですかね。特に好みのコロッケのタイプってありますか?

ねるん:
じゃがいもを潰してる途中のゴロついてる段階ですね。で、衣の主張が少なくて、胡椒が効いてるやつ。あとはじゃがいもと衣の間に少し空洞があるとなおグッドです。敷き詰まって練られてる感じがあるようなものよりかは、ちょっと余裕がある方が好き。

ーーいつか自分の好きなコロッケをプロデュースしたいとか思いますか?

ねるん:
プロデュースはせずとも思います。コロッケ屋さんで働いてみたい。いい香りもするし、コロッケを袋に入れる時の音がすごくいいのと。あとはなんかコロッケ屋さんって平和だなって。

ーー1日でも働いてみられるといいですね。

ねるん:
コロッケ屋さんのお店したいです。

ーーそれはやりたいことの1つに置けるといいですね。ねるんさんのお話を聞いてると、やりたいことが多すぎて本当に一生に収まらないんじゃないかみたいな気がしちゃいます。

ねるん:
これまでは特にやりたいこととかなかったんですけど。でも興味はたくさんつくから、やってみたいことが今は増えましたね。

ーーこの15曲を見ても思いますね。曲ごとにやりたいことが散りばめられていて、きっとまだまだ何百倍もあるんだろうなという感じがしました。

ねるん:
はい。

ーーこの調子で曲もボンボンできて、気が早いですが、2ndアルバムも楽しみです。

ねるん:
できるかな?

ねるんポクぽく

自分が動かないと生まれないけど、自分が思ったらそれができる

ーーねるんさんは海外向けの曲が多いですが、海外に対してはどういう想いを抱いていますか?

ねるん:
例えば、自分が行ってより興味を持って、どんどんやりたいことが広がっていっているのもあると思います。やっぱり海外行くのって時間とお金がかかるから、じゃあ行こうとか言える人って少ないと思うんですけど、その渾身の一撃でもいいから行ってもらえたらそれはと思います。自分の中の視野じゃなくて、頭の世界が広がるのは本当だなって思えるし、例え行って海外あんまりって思ったとしても、日本にずっといるよりかはほかを見たことで日本のよさとかに改心できるかもですし、だからこそ渾身で行ってみてもらえたらなと。その人の生きてるものの中で生まれるものはない絶対があると思う。

ーーまさにそうですよね。

ねるん:
でも本当に行くまでって性格や人間性もあるけど。じゃあ行ってみようとかでスケジュール問わず行ける人間だったらいいけど、ねるの場合マジで調べるのとかできないし、調べるのも嫌だ。お金もどれくらいかかるかも知れない。日本語以外のわかれない言語多くて嫌だ、もうわかんないことだらけで嫌だ、めんどくさそうみたいになっちゃう人もいなくはないと思うから、ねるがお金を貸すことはできないけど、ねるがライブなどで行くタイミングで一緒に行けたら、ちょっとはいいんじゃないのって。それは誰かのきっかけになれたらいいな、嬉しいなと思います。

ーーあとはやっぱりそうやって感じた日本のよさを海外の人に知ってほしいっていうのもありますよね。

ねるん:
はい、本当に全然違う環境なのに、1個の地球にあるのすごい。でも、その違う地球に行けちゃうのもすごい。

ーーそれだけで歌になりそうですね(笑)。ちなみに海外の人に伝えたい日本のよさって、どういうところがありますか?

ねるん:
何かが安心。ご飯が美味しい。

ーーこのアルバムでもコロッケとかじゃがいもの美味しさを発信できてますもんね。そして、いよいよ12月22日に初のワンマンライブが開催されるわけですけど、会場が銭湯とのことで、なぜ銭湯でやりたいと思ったんですか?

ねるん:
可愛いから。あとは、せっかく銭湯でできるからお風呂グッズを考えたいです。

ーー楽しみにしています。ねるんポクぽくさんのライブに来たことがない人には何を伝えたいですか?

ねるん:
無責任じゃなく、大丈夫。

ーーいい言葉ですね(笑)。

ねるん:
大丈夫って言葉はあまり得意じゃないんですけど。

ーーなんで得意じゃないんですか?

ねるん:
胡散臭いというか空っぽというか。大丈夫だよって言ってもらえてありがたい場とかなくはないけど、大丈夫かどうかとかわかんない。ねるは特に自分次第が多かったから。大丈夫って何なのかよくわかんない。見えないからあれだけど、絶対と似てる。

ーーなるほど。

ねるん:
もちろんライブが大事だけど、ねるんポクぽくはどれでもいいと思ってて。例えば、耳を重視して来るのももちろんありがたいけど、目を重視に来てもらってもいい。お店に来るみたいな気持ちでも嬉しいです。初めてライブ現場に行く人とかは、ねるポクはライブ動画も出てないから想像つかなくて、ちょっと隔てが多いと思うけど、なんか大丈夫。

ーーねるんポクぽくってセルフプロデュースで、これだけの量のものを作ってやってきていて、外から見たらわからないほど大変なことがあると思うんですけど、セルフプロデュースの大変なところは何ですか?

ねるん:
自分が動かないと生まれない。

ーー逆にいいところは何ですか?

ねるん:
自分が思ったらそれができる。

ーー本当に楽しみです。今後ねるんポクぽくでやってみたいことはありますか?

ねるん:
1日保育ですね。子どもに代わりに歌ってほしいです。合唱みたいな。あとはライブで子どもにダンサーをしてもらったり。

ーー子どもとは相性がすごくいい曲ですもんね。あと最後に、さっきライブに来たことない人には大丈夫って言葉をいただきましたけど、このインタビューを読んで、ねるんポクぽくを初めて知った人に対しては、どういう言葉を投げたいですか?

ねるん:
ラッキー。

ーーなかなかラッキーっていう言葉を使う人もいないですけど、よくわかります(笑)。

ねるん:
ねるはたぶん面白い。

ーーそうですね、インタビューもアルバムも面白い内容になってるので、ぜひ手に取ってワンマンに来てほしいですね。本日はありがとうございました!

ねるんポクぽく

<ねるんポクぽく第1回ワンマンライブ 《ねるんポカぽか》 〜ひとっぷろあぴちゃおう〜>

日時: 2024年12月22日(日)開場10:30/開演11:00
会場:滝野川稲荷湯

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