まるで野生のネコ!『ヤマネコ』みたいな猫種3選 ワイルドに見えるポイントは?
リビアヤマネコはイエネコの祖先
実は、現在に続くイエネコの起源をさかのぼると、中東の砂漠地帯などで暮らすリビアヤマネコにたどり着きます。自ら人間に近づいていった個体が、今、みなさんの愛猫の大元の祖先になるわけです。
ヤマネコの他の種類には、ヨーロッパヤマネコやステップヤマネコ、ユーラシアオオヤマネコなどがいます。動物園でも人気のマヌルネコもヤマネコの一種です。日本にはツシマヤマネコとイリオモテヤマネコの2種類が生息しています。
次項では、「ワイルド映え」するポイントを踏まえつつ、ヤマネコらしさを感じさせる猫種を3つ紹介します。
1.ヒョウ柄が自慢の「ベンガル」
野性味という面では、やはり、ヒョウ柄を挙げないわけにはいきません。たとえば、人間の場合でも、ヒョウ柄デザインの服を着るだけで何となくワイルドです。
ヒョウ柄の野生動物には本家のヒョウやチーター、ジャガーがいます。いずれも名前からしてカッコいい動物たちです。
イエネコの中でヒョウ柄と言えば、ベンガルです。誕生したのは、1970年代のアメリカ。今のように世界的な猫種となったのは、白血病研究のため、ベンガルヤマネコとイエネコを交配させたのが始まりです。
以降、エジプシャン・マウ、アビシニアン、ブリティッシュ・ショートヘアーなどとの交配が進み、1984年に猫の国際的な機関、TICAに新種登録されました。
ベンガルでひときわ目を引くのが、美しく艶やかなヒョウ柄です。被毛の密度も濃く、手触りもシルキー。色の種類にはブラウンをはじめ、シルバー、スノーがあります。ヒョウ柄の主なパターンは、スポテッド(ぶち模様)、マーブル(渦巻き模様)、ロゼット(まだら模様)の3つです。
人馴れするように交配が進められた結果、野生らしさを漂わせながらも、性格は意外に人懐っこく、愛情度も満点です。その素敵なギャップに心奪われる猫好きも多いはず。活発で動き回るのが大好きな一面もあります。
2.クレオパトラ・ラインが美しい「アビシニアン」
クレオパトラ・ラインとは、縞模様の猫の大半にある特長で、目元から目尻にかけて、ブラシでスッと引いたようなアイラインのことです。名前の由来は、猫の美しい目元をお手本に化粧した、古代エジプト女王・クレオパトラにちなんでいます。
その女王クレオパトラが特別に愛したのが、アビシニアンです。イエネコの中で最も歴史の古い猫種に数えられています。
引き締まった身体つきは、まさしく天性のアスリート体型です。もちろん、敏捷性も抜群で大の遊び好き。一方で、人間の言葉への理解力もあり、賢さも持ち合わせています。ワイルドさを際立たせるクレオパトラ・ラインもバッチリです。
ちなみに、被毛カラーの種類は、赤褐色系のルディ、赤系のシナモン、淡黄褐色系のフォーン、ベージュ系のブルーの4つがあります。
3.リンクスティップが野生を醸し出す「メインクーン」
猫の耳の上部から勢いよく飛び出した毛を、「リンクスティップ」と言います。本来の意味は、「ヤマネコの耳毛」。ヤマネコの仲間に特徴的なパーツです。単なる飾り物ではなく、獲物の気配を察知する鋭敏なレーダーのような役割を果たしています。
リンクスティップで有名なのは、メインクーンです。原産のアメリカ・メイン州と見事なしっぽがアライグマに似ていることから、現在の名前になりました。大型猫のひとつで、成熟するまでに3年かかると言われています。「世界一長い猫」としてギネス記録を持つのも、このメインクーンです。
大柄ですが、穏やかな気質で、親しみやすさが持ち味です。他のペットや小さな子供も受け入れる懐の深さもあります。被毛はモフモフでゴージャスそのもの。冬の厳しい寒さにも十分に耐えられる仕様です。
ネズミ退治のワーキングキャットとして活躍してきたこともあり、野生のヤマネコの血を引き継ぐ優秀なハンターの側面もあります。
まとめ
すべてのイエネコはリビアヤマネコに通じます。みなさんの愛猫もその子孫です。今回は、野趣あふれるヤマネコ的な猫種を3つ紹介しました。
ワイルドさを裏づけるポイントは、「ヒョウ柄」、「クレオパトラ・ライン」、「リンクスティップ」の3つです。猫飼いデビューの方は、本記事をヒントに、これからの愛猫選びに役立ててみてください。