隠し味はバター!韓国料理研究家が本気で作る「キムチチャーハン」レシピ
日々の天気や街のトレンド、おいしいゴハンに大人の悩み、社会の仕組み・・・1日イチ「へぇ~」なトピックスを。新進気鋭のコラムニスト、ジェーン・スーが、生活情報や人生の知恵をナイスなミュージックと共に綴る番組。
ゲストは、韓国料理研究家で栄養士のゼンヒャンミさんです。
ヒャンミ:わたしは在日韓国人3世で、おばが経営している韓国宮廷料理店で手伝いをしていました。
もうひとり別のおばも韓国料理店を営んでいて、韓国の文化や食生活を大切にする一家に生まれ育ちました。服部栄養専門学校を卒業してからは、日本食も学ぶために割烹で修行もしました韓国の味も、日本の味も大好き!そんな私だからできる、韓国薬膳や韓国宮廷料理をベースに、和のテイストも加えたレシピです。
スー:韓国宮廷料理と一般の韓国料理ってどう違うんですか?
ヒャンミ:実は、昔は唐辛子がなかった!宮廷料理は、辛くないものがメインでした。諸説ありますが、唐辛子が入ってきたのは19世紀と言われています。
そんなゼンヒャンミさんに、韓国薬膳や韓国宮廷料理をベースにした特別レシピ「ヒャンミレシピ」を教えていただきました。
実は漬け汁が主役!なすの水キムチ
野菜を調味液に漬けて発酵させた「水キムチ」。
たいていは、季節の野菜を漬けるのですが、ヒャンミさんは果物メインでも作るそう。水キムチは発酵して乳酸菌がいっぱいの汁が主役で、どちらかというと、具は脇役。ですのでスープのように盛り付けます。
材料
作りやすい分量です。
なす (200g)
玉ねぎ 200g
にんにく、しょうが それぞれ15g
青唐辛子 1本
お酢 大さじ3
調味液として
砂糖 大さじ1
塩 大さじ1強
あれば梅エキス 大さじ1~2
水 5カップ
作り方は
1:なすは、かくのまわりに切り目を入れて手でかくをとり除き、縦4等分にしてお酢少々を加えた水にさらす。湯を沸かして、お酢 大さじ2と塩 小さじ1を加え、なすを入れて2~3分ゆで、ざるに上げて冷ます。
2:玉ねぎは縦に薄切り、にんにくは横に薄切り。生姜はせん切り。青唐辛子は5ミリ幅の斜め切りにする。
3:ボウルに調味液を入れてよくまぜ、砂糖と塩がとけきったらすべての材料を加える。
4:ラップを液面にぴったりと密着させるようにかけ、さらにボウルを覆うようにラップをかけて室温におく。2~3日して小さな気泡が出始めたら保存容器に移して冷蔵室に入れる。4~5日目が食べ頃。1ヵ月以内で食べきる。
水キムチの発酵に適した温度のため、最初は室温に置きます。ベストは25度ぐらい。かくは食べにくく、雑菌も残りやすいので、必ずとり除いてください。
ほかにおすすめの具材
小茄子、水茄子でもできます。おすすめは果物。いちご、ブルーベリー、りんご、早生みかん。
果物はフルーティーで口の中に残る余韻が心地よく、色とりどりで作るのも楽しいのです。
果物の糖のおかげで、発酵も順調に進みます。
まったく辛くない!白いスンドゥブチゲ
あの赤い色はもちろん唐辛子なんですが、唐辛子をまったく使わないチゲもあります。
白いチゲは辛味がない分、食材のうまみがよくわかります。あさり、いかの足、豚肉、えのきだけ、うまみがよく出る食材を使い、うまみを重ね合わせるように作ります。
スー小笠原:旨みが濃厚!美味しい~!!
2人分の材料です。
絹ごし豆腐 1丁(400g)
あさり(砂出ししたもの)200g
酒 1/4カップ
豚バラ薄切り肉60g
いかの足80g
玉ねぎ 100g
えのきだけ 50g
だし 2カップ
小ねぎ 1本~2本
合わせ調味料として
にんにくのすりおろし10g
魚醤(またはうすくちしょうゆ) 小さじ1/2
砂糖小さじ1
塩小さじ1
作り方は
1:鍋にあさりと酒を入れてふたをし、中火にかける。あさりの口が開いたら火を止めてあさりをとり出し、乾燥しないようにラップをかける。あら熱がとれたら身をとり出す。蒸し汁は鍋に残しておく。
2:玉ねぎは縦に薄切りにする。えのきは根元を切り落とし、2cm長さに切る豚肉は1cm幅に切る。いかの足はあらく刻む。
3:鍋を中火にかけ、だしと刻んだ具材を順に加える。煮立ったら弱火にし、5分ほど煮てアクをとる。
4:合わせ調味料を加えて煮立ったら、豆腐をスプーンですくい入れて煮込む。豆腐があたたまったらあさりを戻し入れ、さっと煮る。味をみて魚醤で味をととのえ、斜め薄切りにした小ねぎをのせて完成。
調理のポイントは?
まずはあさりを蒸して、その蒸し汁に玉ねきなどの具材を加えて、うまみを吸わせます。一気に煮ないで順々に入れていくのがおいしさの秘訣。
隠し味はバター!キムチチャーハン
こちらは宮廷料理がベースではないのですが、韓国料理ではお鍋の締めとして作ることが多いです。
隠し味にバターを少し。味にまとまりが出て、コクがアップ。
止まらないおいしさです。
二人「特に玉ねぎが美味しい~!!」
2人分の材料です。
あたたかいごはん300g
白菜キムチ150g
豚バラ薄切り肉80g
玉ねぎ 30g
にら 2~3本
バター5g
砂糖 小さじ1
太白ごま油(またはサラダ油)大さじ1
目玉焼き 2個
合わせ調味料として
粉唐辛子(あらびき) 大さじ1/2
塩 3g
こしょう少々
作り方は
1:キムチは小さめのざく切りにする。玉ねぎはみじん切りにする。にらは小口切りにする。豚肉は1cm幅に切る。
2:フライパンに太白ごま油を中火で熱し、豚肉を炒める。肉の色が変わったらキムチと玉ねぎを加え、砂糖を振って炒める。
3:ごはんと合わせ調味料を加え、よく炒める。味が薄ければ醤油でととのえ、バターとにらを加え、まぜ合わせる。器に盛り、目玉焼きをのせる。
調理のポイント
キムチは、より発酵が進んだものを使うとなんともいえない味わいになり、おいしいんです。
ゼンヒャンミさん
高校生の頃、おばが営む「神楽坂 松の実」を手伝いながら韓国宮廷料理に触れられます。
社会人になり、一度は別の仕事につきますが、結婚後に再び料理栄養について興味をもち、服部栄養専門学校に入学。
2010年、西荻窪でクッキングスクール「ヒャンミレシピーズ!」を始めると作りやすく美味しい料理が大人気となり、登録する生徒数は現在2000人超え
インスタグラムのフォロワーは1万人超の人気料理研究家ゼンヒャンミさん。番組初登場です。
(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)