plenty、ベストアルバムにして「再検証作品」 『outside』『inside』と冠した2作のアナログレコードをリリース決定
オルタナティヴロックバンド・plentyが、デビュー15周年を記念したベストアルバムをリリースすることを発表した。
plentyは2004年に結成、2009年10月にEP『拝啓。皆さま』でデビュー。デビューイヤーから大型フェスにも出演し、熱心な音楽ファンを中心に大きな支持を集めたが、2017年の春に突如解散を発表。同年9月16日に行われた日比谷野外大音楽堂をもって惜しまれながらその活動に終止符を打った。
その後plentyとしては音沙汰がなかったが、今年9月30日に突如、「デビュー15周年を記念して」SNSの公式アカウントが始動。未公開だった映像含め数々のライブ映像が投稿され、さらに10月29日にはラストライブで演奏された全26曲のライブ音源『plenty ラストライブ「拝啓。皆さま」17.09.16 日比谷野外大音楽堂』が8年の時を経てストリーミングサービスで初解禁となった。
今回のベストアルバムは、アナログレコードにて、『outside』と『inside』と名づけられた2作にわたってリリースされる。発売日は『outside』が2026年1月21日、『inside』が2026年3月18日。どちらの作品もそれぞれ2枚組で16曲を収録、選曲・曲順はすべてメンバーである江沼郁弥が担当。国内で最新リマスタリングを施した上で、世界的名匠であるバーニー・グランドマンのカッティングによるハイクオリティな音質で届けられる。2作のジャケットデザインは、これまでplentyの全作品のアートワークを手がけてきた、デザイナー・半田淳也が担当している。
plenty作品のアナログ盤については、バンドが活動していた当時から希望する声が多かったものの、2015年にリリースした7インチ『体温』とLP『いのちのかたち』のみとなっていた。
15周年に企画され、15+1周年というタイミングでリリースされる、江沼いわく「plentyの再検証作品」である今回のベストアルバム。この作品は、未来への布石でもあるのだろうか。SNS公式アカウントからの投稿は現在も続いている。
plenty 江沼郁弥(Vo/Gt)によるコメント
~ベストアルバムのリリースについて~
僕はソロ活動でplentyの曲を封印していました。
そのほうが自分のためにも誰かのためにもいいのかなと思って。
でも2年前くらいからでしょうか。
コロナ禍で弾き語りのアコースティックライブを始めるようになってから自然とplentyの曲を少しずつやりはじめるようになりました。
初めは単純な理由で、ギターで作曲していた分ソロの曲よりもplentyの時の曲のほうが弾き語りしやすかったから。
だんだんとセットリストに組み込むplentyの曲が増えていった。
その理由も単純だった。
いい曲がたくさんあったから。
ある日、当時のレーベルスタッフから連絡があった。
今年plentyがCDデビューして15周年なんだけどベストアルバム出さないか?と。
浦島太郎状態。
あれから15年も経っていたのか!
作曲者としてplentyでやっていたことは間違いじゃなかった、、、なんて真面目にうっすら思えはじめてきたのはごく最近なんです。
少し時間をください。
ベストアルバムで感傷に浸りたいんじゃないんです。
でも、15周年という有難いお祭りに参加はしたい。
なのでこれはplentyの再検証作品です。
僕は確かめたい。
選曲、曲順すべて僕がやりました。
もちろん多くの人たちに聴いてもらえたら嬉しいです。
気に入ってもらったらなお嬉しいです。
どうか厳しい「耳」で皆さんにも判断していただきたい。
ところで新田は元気なんだろうか?
~リリース作品『outside』『inside』について~
「蒼き日々」で始まり「手紙」で終わる"outside"
「あいという」で始まり「風をめざして」で終わる"inside"
plentyは暗いバンドだと揶揄されることが多く、その度に僕はムッとした。
じゃあplentyはただの暗いバンドだったと仮定して、この聴き終えた後の清々しさは何なんだ。
説明が付かないじゃないか!
plentyは誰よりも深いところから光を見据えているバンドだった。
ベランダで見つけた小さな虫から宇宙を覗こうとしているバンドだった。
そしてどこまでも生々しく傷だらけだった。
当事者である僕が今振り返ってもそう思う。
生き様が鳴っている。