モネがテムズ川の風景を描いた作品、ロンドンで初めての展示が実現
クロード・モネは霧のロンドンが大好きだった。
この先駆的なフランス人画家は、1899年から1901年にかけてロンドンを3度訪問。テムズ川の眺めを見事なまでに幻想的に描いた作品郡は、1904年にパリで初めて展示され、センセーションを巻き起こした。翌年、モネはロンドンでの展示を試みたが、計画は頓挫。以来、これらの作品がこの街で展示されることはなく、長い時が過ぎた。
そしてついに、モネの願いがかなうことになった。2024年9月から「チャリング クロス橋」「ウォータールー橋」「ロンドン国会議事堂」を描いた21点が「Courtauld Gallery」で展示されるのだ。そう、このギャラリーからモネが多くの作品を描いた「サヴォイ ホテル」はすぐ近くにあり、わずか数百メートルしか離れていない。
モネが世紀末に急速に工業化が進んだロンドンで魅了されたのは、濃いスモッグ。街を包み込み、太陽の光が紫、オレンジ、グレーの超現実的でサイケデリックな毛布のようにろ過される様子に引かれたのである。彼は夢中になってテムズ川の景色を100枚近くも描き続けた。今回の展示では、1904年の最初の展覧会から18点、その後に描かれた3点を観ることができる。
テムズ川の絵はモネの最も重要な作品郡の一つであり、この展覧会は美術史的にも野心的な取り組みだといえる。120年過ぎても、決して遅くはない。
展覧会「Monet and London. Views of the Thames」は、9月27日(金)から2025年1月19日(日)まで開催される。