「会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい…」ガールズバー爆発火災 火をつけたとみられる男性 事件直前の行動は
ガールズバーの代表「『一緒にいたスタッフとお客様が大丈夫でしたか?』って。そこからどうだったという話をしたら「本当に許せない」と」
Qご自身だけではなくて周りを巻き込んだっていうことに対して?
ガールズバーの代表「はい。そこの方がすごい悲しくて泣いていました」
HTBの取材に答えたのは、爆発火災があったガールズバーの代表。事件で大やけどを負い、病院に搬送された女性従業員と面会した時の様子を語りました。
11月26日午後3時すぎ、札幌すすきのの雑居ビルに入るガールズバーで起きた爆発火災。日本でも有数の繁華街一時騒然となりました。
発生直後に撮影された映像では、ビルの前にいる黒い服を着た人の背中あたりから炎が上がっているのが見えます。
3人がかりで布で叩くなどして火を消し止めていました。
消火活動に加わった男性「歩いていたんですよ。そしたらガラスがバーンと割れて体に火の粉が付いていて『助けてくれー』って」
現場近くにいた女性「走っている人を見た時に『この時間でも酔っぱらっている人いるのかな』みたいな感じだったので。爆発した瞬間、『えっ!どういうこと?』みたいな」
この爆発火災で、20代の女性従業員1人と、30代から50代の男性3人の合わせて4人が病院に搬送。
このうち意識不明の重体となっている41歳の男性は、女性従業員の元交際相手で、店内でガソリンのような液体をまいてライターで火をつけた現住建造物等放火の疑いで警察が捜査しています。
現場近くにいた女性「(建物の)中にいた人が、髪の毛とか両腕、全部燃えている状態で出てきていて『何者かが何かをばらまいて火をつけていった。火をつけていくところを俺は見ました』と。でもパニックになっていたので、それが本当かは分からない。『それっぽい人が現場にいたよね』という話を(している人もいた)」
いったい何があったのか…。取材の中で、事件の状況や背景が少しずつ明らかになってきています。
「ガールズバー代表が語る…出火当時の様子」
これは事件があったガールズバーの店内の映像。
バニーガールの格好をした女性がカウンター越しに客と会話し、飲み物などを提供しています。オープンは正午で事件があった当時も営業中でした。
ガールズバーの代表は爆発火災の当時、ビルの5階で打ち合わせの最中でしたが屋上に避難して救助されました。
ガールズバーの代表「ドーンてビルが揺れて窓を見たら煙が出ていたんですよ。その間にもう1発ドーンと音が鳴ったので、そこにちょうど打ち合わせの方とスタッフが3人いましてすぐ避難させました」
そして代表は当時店内にいた従業員から聞いた事件の瞬間の様子を明らかにしました。
ガールズバーの代表「被害にあった 女の子から聞いた内容で言えば、営業していてカウンターにお客様2人、中に女の子が3人いまして、無言で帽子をかぶった作業服の男が入ってきたと。そして入口からカウンター内に入ってきて、無言でそのままガソリンをかけた。まいたあとにカチカチっていうジェスチャーをしたんで、そこで女の子が2人危ないと思ってカウンターを越えて逃げていきました」
41歳の男性は事件が起きる直前の午後3時9分、SNSに犯行予告ともとれる投稿をしていました。
41歳男性のSNS「楽しいことするよ」
本間壮惟記者レポート「現場周辺では火をつけた男性のものとみられる車が見つかっていたことが捜査関係者への取材で新たにわかりました。男性は車でガソリンのような液体を運んだとみられています」
捜査関係者によりますと、警察は現場周辺の駐車場で男性の車を押収。中からガソリンの
携行缶がみつかりました。
また関係先から購入時のレシートが見つかり、近くの防犯カメラには男性がバケツを持って現場のビルまで向かう様子が映っていたということです。
「会いたい会いたい会いたい会いたい…52回の『会いたい』…41歳男性の執着心とは」
41歳男性のSNSの投稿動画「高級シャンパン10本いただきました♪ありがとピョンピョン」
これは現住建造物等放火の疑いで捜査が進められている41歳男性のSNS。
およそ4年前、爆発火災があったガールズバーで撮影された映像が投稿されていました。
大やけどを負った女性従業員は火をつけたとみられるこの男性数年前から交際し同居していたということですが、これまでもたびたび身の危険を感じる出来事があったと勤務先であるガールズバーの代表に打ち明けていました。
ガールズバーの代表「交際関係があった中でも、監禁されたりとかDVされたり罵声を浴びせられたりとかって聞いていました。ちらっと聞いたのは車で乗っている最中とかも、猛スピード出して『一緒に死のう』とかって言うぐらいやばいと教えてもらった」
こうした中、女性従業員は先月7日、「彼氏ともめた」とすすきの交番を1人で訪れ相談しました。
女性は「してほしいことは無い」と言いましたが、警察はDV事案として対応。翌日に女性を親族宅に避難させました。
41歳の男性に対しては女性に会わないよう口頭で注意をし、交際は解消されました。この日、男性はSNSにこう投稿しています。
41歳男性のSNS投稿:(先月8日)「警察きやがった」
11月10日ごろに男性が女性に送ったというメッセージには…
41歳男性が女性従業員に送ったLINE「会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい…」
ひとつのメッセージに打ち込まれたのは52回の「会いたい」。
さらには相手女性のために「生きたい」というメッセージも送られていました。
先月11日には…
ガールズバーの代表:「SNSを通じて首吊りをほのめかす配信をしていましたね」
Qそれは被害女性に向けて「向けてでしょうね」
女性はこの配信を知り身の危険を感じて通報。
警察によると、男性を電話で注意し、「もうしません」と話していたということです。
その後の先月13日には、男性のアカウントにSNS上で自殺をほのめかす他人の投稿に
共感するような書き込みもありました。
SNSの投稿「死にたいって言える相手がいなくて死にたい」
41歳男性のSNS投稿「僕も」
代表によると男性はほかにも女性の避難先である親族宅周辺に現れたり、SNSで何度も
連絡を繰り返していたということです。代表は女性従業員のSOSが警察に見落とされていたのではないかと指摘します。
ガールズバーの代表「別れた後に必要以上にストーカー行為をしていますよね。そこ警察の方わかっていますよね、もっと対応があったんじゃないですかって思っています」
一方で警察によりますと首吊りをほのめかすライブ配信の際に男性を注意した11日の後は、女性から連絡は無かったということです。
数々のストーカー事件で被害者支援を担当してきた弁護士は、女性を親族宅に避難させ、男性を口頭注意にした警察の対応に不十分さもあったと指摘します。
ストーカー事件に詳しい中村浩士弁護士「親族の家に避難させる。これは加害者が知っていればあるいは調べることができれば何の意味もない危ない措置でしかなくて、避難させるとしたら加害者に全く知られていない場所。そういったところを支援して入居してもらう。その間の加害者の動き、親族の家、自宅、 職場、こういったところへ接触がないかどうか、聞き込みであり防犯カメラ映像であり、そういったものでしばらく経過観察して危険な行動をとっていないかどうかと部分まで本来は確認をしないと非常に危ない。警察としては事が起きなければ、その起きた証拠なければ刑事事件として動けないと、これが基本スタンスなのかもしれませんがストーカー等の重大殺傷事件、これは現にもう重大な危険が迫っている場面なので証拠の確保ということ、それから身体(の安全確保)の方、この両面で警察がより踏み込んだアドバイスや支援をしていくことをもう一度見直す必要があるんじゃないかなという風に思います」
すすきののど真ん中で起きた爆発火災。41歳の男性の動機いったいなんだったのか?
警察はこの男性の回復を待って、詳しく話を聞く方針です。