不調を治す為に知っておきたい交感神経と副交感神経の働きとは?【眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話】
体を操縦するアクセルとブレーキ
自律神経は「交感神経」と「副交感神経」とに分けられます。私たちの体を車に例えた場合、アクセルの役割をするのが交感神経、ブレーキの役割をするのが副交感神経です。
交感神経が優位になると血管が収縮し、心拍数と血圧が上昇。心身ともに興奮状態となり、まさにアクセルを踏み込んで前進しようという態勢になります。一方で、副交感神経が優位になると血管がゆるみ、心拍数や血圧が低下します。興奮にブレーキがかかり、リラックスした状態になるのです。
このように体にとって正反対の役割を持つ2つの神経が交互に働くことによって、動くべきときには動き、休むべきときには休むという、生き物本来のメリハリある活動が可能になっているのです。
通常、人間は日中に交感神経が優位になり、夜は副交感神経が優位になります。ところが、不規則な生活習慣、仕事や人間関係のストレスなど様々な原因により、現代人の自律神経のバランスは乱れがち。交感神経ばかりが優位になると、全身の血流が悪くなり、いつまでも心身の興奮状態が続くことになります。
逆に副交感神経の優位な状態が続くと、意欲が上がらず、無気力感や疲労感を招きやすくなります。アクセルとブレーキのどちらか一方が優位になるのではなく、両者のバランスが適切に保たれることで初めて、人間という車は快調に走ることができるというわけです。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話』 著:小林弘幸