世界で2例のみ「飼育下での繁殖」に挑む!『神戸どうぶつ王国』に新たなハシビロコウがやってきた 神戸市
『神戸どうぶつ王国』(神戸市中央区)におよそ10年ぶりにやってきた!新たなハシビロコウ2羽の一般公開が6月30日に決まりました。
挑むのは世界でも2例しかない「飼育下での繁殖」。”ただ展示する”のではなく、動物にとっても良い未来をつくる―。その熱意を取材しました。
中央アフリカのコンゴ民主共和国からやってきたのは、オスの「サカラ」とメスの「クラル」(どちらも推定2~3歳)。これで園にいるハシビロコウは元々いた個体と合わせて4羽となり、東京都恩賜上野公園と並んで全国最多の飼育数となります。
元々いた「ボンゴ」と「マリンバ」が民族楽器にちなんだ名前であることから、それぞれ「サカラ(ナイジェリアの片面太鼓)」「クラル(東アフリカのハープ型弦楽器)」と名付けられたそう。初めて聞いた楽器ですが、響きもよくて素敵です♪
2羽は2021年に誕生した展示エリア「ハシビロコウ生態園 Bigbill」内の「MABAMBA CAMP(マバンバキャンプ)」にて展示。この2羽の相性を確かめている最中のため、一般公開後もしばらくは2羽同時の展示ではなく、午前と午後に交互で展示されます。
ガラス越しの展示となりますが、ガラスには「パピルス」と呼ばれる草がデザインされており、室内には現地の湿地帯の風景が貼られているのだとか。
2羽はまだ若いため、もともといた個体と比べてみると黒目周りの虹彩の色が黄色く、くちばしがグレーなのだそう。特にクラルはひと足早く園に到着しこの環境に慣れているそうで、とことこと歩きまわる姿を確認できました♡
国内全体で見ても新たな個体がやってくるのは珍しく、同園にやってくるのもおよそ10年ぶり。これまでも同園では繁殖成功を目指し、雨季を表現したり巣を設置したりと様々な工夫を凝らしてきました。
ですがハシビロコウは本来単独で暮らす鳥であることからペアリングが難しく、これまでの2羽も相性が合わず繁殖には至っていません。
「ハシビロコウ自体の知名度は上がってきているものの、その繁殖の難しさなどまだ知られていないことも多い。展示だけでなくその動物の未来を考えることも園としての役割」と話す飼育スタッフ。
目指すはアジア初となる「飼育下での繁殖」成功ー。「実際に見に来ていただいて、新たな発見をしてもらえたら」と来園を呼びかけていました。
【おまけ】
この日はこんなものもいただきました!ハシビロコウを見た後にいただくのもよさそう…。
一般公開
2025年6月30日(月)~
場所
神戸どうぶつ王国
(神戸市中央区港島南町7-1-9)
時間
10:00~17:00
休園日
木曜日
(ただし夏休み中は無休)
入園料
大人(中学生以上)2,200円
小学生 1,200円
幼児(4・5歳)500円
シルバー(65歳以上)1,600円