Landport横浜杉田 大型物流施設が完成 地域に開かれた防災拠点に
金沢区の国道357号沿いに大型物流施設「Landport(ランドポート)横浜杉田」が完成した。地上4階建てで敷地面積は約7万1千平方メートル。金沢区と防災協定を締結し「津波避難施設」として登録。災害時には地域住民千人が避難できる。屋上菜園や広場を地域に開放し、地域連携拠点として「街につながりを生み出す場所」を目指す。
ランドポート横浜杉田は、(株)IHIと野村不動産(株)が共同で開発し、今年3月末に完成。延床面積は約16万3千平方メートルに及び、複数の企業が同じ敷地内に個別のスペースを持ちながら、物流インフラやサービスを共有する「マルチテナント型」の賃貸物流倉庫だ。人手不足に対応するため、物流業務の効率化を図る自動化設備を導入。「オープン・シェア型物流施設」をコンセプトに「単なる物流施設」ではなく、防災拠点としての活用や、屋上菜園、施設内の広場や樹木を地域と共有することで「施設や地域がつながり、地域の雇用や防災力向上などの価値を創出できる施設」を目指す。
敷地は、IHIの前身、石川島造船所が1937(昭和12)年に工場建設のために取得。2019年に工場が閉鎖されるまで80年以上使用してきたことから、地域貢献のあり方について検討を重ねてきた。そのうちの一つとして、金沢区と防災協定を昨年12月に締結。「津波避難施設」として登録され、災害時には地域住民約千人が屋上に避難できる。
広場の開放も
また、アプリを活用した屋上菜園を物流施設としては全国で初めて導入。施設東側には「LandHOOP(ランドフープ)」と名付けた広場を地域に開放。防災イベントや施設のテナントに向けた交流イベントなど、様々な交流の輪を広げていく。
さらに、磯子区杉田の歴史的樹木「杉田梅」の復興のため、杉田梅まつりに昨年から実行委員として参加するなど杉田梅をテーマにした地域貢献にも力を入れる。敷地内には杉田梅の成木3本と苗木約30本を植樹したほか、施設内のカフェテリアには梅をモチーフにした照明やソファも設置されている。
4月18日に開かれたオープニングイベントでは、金沢区の齋藤真美奈区長や横浜市金沢団地協同組合の榎本英雄理事長、杉田梅まつり実行委員会の市原由貴子副会長、(株)IHIの二瓶清常務執行役員、野村不動産(株)の黒川洋取締役専務執行役員らで杉田梅の植樹式を行った。齋藤区長は「大規模な最新鋭の物流施設が金沢区に完成したことをうれしく思う。連携協定は臨海地区で働く人たちの安全・安心や地域の産業の活性化に向けていきてくると思う」などとあいさつした。
オープニングイベントでは、防災スタンプラリーなどの防災イベントも実施。今後も防災や梅に関わるイベントを定期的に開いていく方針。