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杉山清貴&オメガトライブ【ライブレポート】ステージから目が離せない!テレビ初独占放送

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2024年05月31日 杉山清貴&オメガトライブの40周年ツアー「〜FIRST FINALE TOUR 2024〜 “LIVE EMOTION”」最終公演日(NHKホール)

杉山清貴&オメガトライブ ファイナルツアー
〜FIRST FINALE TOUR 2024〜 “LIVE EMOTION” テレビ初独占放送!

歌謡ポップスチャンネル
放送日時:7月28日(日)よる8時~

世代も国境も超えて愛される杉山清貴&オメガトライブ


昭和生まれのオメガサウンドが平成を経て熟成し、令和の今、世代も国境も超えて愛される音楽に昇華した――。

そう確信したライブだった。2024年5月31日、渋谷のNHKホールで開催された杉山清貴&オメガトライブの40周年ツアー『〜FIRST FINALE TOUR 2024〜 “LIVE EMOTION”』を体感してのことである。3月9日、東京・府中からスタートした同ツアーは追加に追加を重ね、この日が29本目。6月8日の沖縄を含めて全国27会場30公演という、2004年の “復活” 以来、最大規模のツアーとなった。

興奮の一夜のレポートに入る前に、まずは彼らのキャリアを振り返っておこう。1978年に結成された “きゅうてぃぱんちょす” を前身とするオメガは1983年4月「SUMMER SUSPICION」(作詞:康珍化、作曲・編曲:林哲司)でデビュー。当時のメンバーは杉山清貴(ボーカル)、高島信二(ギター)、吉田健二(ギター)、西原俊次(キーボード)、廣石恵一(ドラムス)、大島孝夫(ベース)の6名で、全員22~23歳の若さだった。

彼らをスカウトした音楽プロデューサー 藤田浩一の方針で “プロの作家がつくり、腕利きのスタジオミュージシャンが演奏した音楽” の表現者であることを求められた6人はその役割に徹し、「君のハートはマリンブルー」(1984年)、「ふたりの夏物語 NEVER ENDING SUMMER」(1985年)などのヒットを連発。しかし “一番いい時にやめよう” と考え、シングル7作、オリジナルアルバム5作を残して1985年12月に解散する。

活動期間はわずか2年8ヶ月。それゆえオメガの音楽に親しみ “いずれコンサートにも行きたい” と思いながら、叶わなかったリスナーも多かった。当時、学生だった筆者もそのひとり。だからこそ復活は嬉しかった。2004年以降、期間限定の活動でライブを重ねてきた彼らはその都度ファンを歓喜させ、ツアーの規模を拡大。前回(2019年)は13公演だったが、今回はその倍以上でなんと5万人を動員した。それは “また観たい” と思わせるステージでリピーターをがっちり掴む一方、折からのシティポップブームで新規のファンも獲得していることの現われだろう。

胸を熱くする “OMEGA TRIBE is BACK!!” の文字


この日の会場も、見渡すとリアルタイム世代はもちろんのこと、10代・20代と思しき若者や外国人の姿も少なくない。一見して親子やファミリーと分かる観客も多く、オメガの音楽が現在進行形で聴かれていることを肌で感じる景色だった。

“今日はどんなライブになるのだろう” ――

そんな期待が高まるなか、客席の照明が消えると「♪WE ARE OMEGA TRIBE」のコーラスで始まるオーバーチュアとともに開演。紗幕には過去のライブ映像を交えつつ、今回のツアーメンバーが映し出される。前述のオリジナルメンバー6人のうち、廣石恵一は体調不良のため不参加。代わって小川幸夫がドラムを叩き、サポートミュージシャンとして大阪哲也(キーボード)とJuny-a(パーカッション、サックス)が加わっていることが示された。

“OMEGA TRIBE is BACK!!” の文字とコーラスに胸を熱くする間もなく、紗幕にはツアーロゴが投影され、オーバーチュアは「ROUTE 134」のイントロへと繋がった。幕が上がり、全員サングラス姿のメンバーが登場すると会場は総立ち。色とりどりのペンライトが振られ、1曲目からボルテージが上がる。その熱気がステージにも伝わったのか、“ケンタ” こと吉田がギターのディストーションを効かせまくり、杉山のボーカルもフェイクを挟むなど、ノリノリのパフォーマンスだ。

杉山清貴、衰え知らずの歌声


続く「PADDLING TO YOU」と「渚のSea-dog」は杉山がきゅうてぃぱんちょす時代に作曲した軽快なサマーチューン。「ふたりの夏物語」は言わずと知れた代表曲で、サビの 「♪オンリー・ユー」では観客全員が指差しアクションで応える。ここまで4曲を一気に歌い上げた杉山は花柄をあしらったオシャレなスーツに白いスニーカーとサングラス。そのスタイルは “あの頃のオメガ” を彷彿とさせ、衰え知らずの歌声とともにオーディエンスを80年代へといざなう。

のっけからパワー全開で暑くなったのだろう。ジャケットを脱いだ杉山は最初のMCで、“再結成をしていないバンドなのに今回は30公演。最近は自分のツアーでもここまでの本数はやってないですが、楽しんでいます” と挨拶をしたあと、本ツアーの趣旨を説明した。いわく、1985年4月にバンドを脱退し、解散公演に参加していなかった吉田を入れた “完全体” で2回目のラストツアーをやろうというのがメンバーの総意だったらしい。そう、今回のツアーは1985年の『FIRST FINALE ツアー』のセットリストをかなりの部分、踏襲しているのだ。当時行けた人には懐かしく、筆者のように行けなかった者には嬉しい “再演” と言っていい。

続く2曲はチャート1位を獲得した4枚目のアルバム『ANOTHER SUMMER』(1985年)からのセレクト。アーバンテイストな「SCRAMBLE CROSS」は西原の作曲、メロコア風の「真夜中のスクリーンボード」は杉山の作曲で、赤と青を基調にした照明がアダルトなムードを盛り上げる。

Juny-aのサックスが哀愁を誘う「ALONE AGAIN」


その後のMCでは解散を決めた経緯や、多くの楽曲を提供された作曲家 林哲司との出会いがミュージシャンとしてのスキルアップに繋がったことに言及。続いて本ツアーで印象に残ったことをムードメーカーの吉田から披露した。トークの間にメンバーがツッコミを入れ合うワチャワチャ感はオメガならでは。10代の頃からの付き合いで気の置けない仲間たちであることが言葉の端々から伝わってくる。

総立ちだった観客が席に座り和やかな雰囲気になったところでバラードコーナーに突入。「サイレンスがいっぱい」はドラマ主題歌として『ザ・ベストテン』(TBS系)4位まで上昇したヒット曲。「ALONE AGAIN」は杉山のファルセットやJuny-aのサックスが哀愁を誘う、オメガファンの間で人気の高い定番曲だ。

“今日はテレビの収録が入っているのに歌詞を間違えてしまいました” と杉山が告白すると、高島がすかさず “そうこなくっちゃ!” とフォロー。そのやり取りからも和気藹々とした関係性が窺える。活動期間中のオメガはスタジオミュージシャンがレコーディングに参加し、バンドのメンバーはその分ライブに力を入れていたため、ステージごとに絆を深めていったに違いない。シャツの腕をまくった杉山からは当時のコンサートで共演したホーンセクションの先輩たちから毎回厳しいダメ出しをされていたことが明かされた。

80年代の洋楽に通じる爽快なロックチューン「海風通信」


「TRADE WIND」はその頃の記憶が甦る曲。というのもギターのカッティングが “今度やったら怒られる” に聴こえるからだと笑わせる。“皆さんはそれに惑わされないでください” と言われても、一度刷り込まれるとそうとしか聴こえなくなる。そのあたりの絶妙なトークも40年のキャリアあってこそ。ステージ上では間奏のサックスソロでJuny-aが前に出て、その後は杉山とのセッションが展開された。

続く「海風通信」はエイジアやヴァン・ヘイレンなど、80年代の洋楽に通じる爽快なロックチューン。華やかなサウンドと、それに対峙する杉山の突き抜けるようなボーカルが心地いいライブの人気曲で、この日も最高の盛り上がりを見せた。杉山によると、オメガのツアー前はちゃんと歌えるようにリハビリが必要とのことだが、そんな事情を微塵も感じさせない力強い歌声だった。

サービス精神に溢れた彼らはライブ中盤でオリジナル曲以外も披露。まずは5月放送のNHK『The Covers』でカバーした「北ウイング」(オリジナル:中森明菜)を、続いて80年代のライブでやっていた “もしもコーナー” を復活させ、「SUMMER SUSPICION」の歌詞をもとに「星空のサスピション」(アルフィー風)と「気分しだいでサスピション」(サザンオールスターズ風)を演奏した。場内はもちろん大ウケ。遊び心を発揮したあとはウエストコーストロックの「BECAUSE」で “カッコいいオメガ” に戻り、変幻自在なパフォーマンスで魅了した。

その後は本ツアーに関するメンバーのエピソードトークを交えつつ進行。「ガラスのPALM TREE」は解散前のラストシングルゆえ、当時を知るリアルタイム組は様々な想いが去来したのではないか。続けて演奏された「MISTY NIGHT CRUSING」は冬の夜を舞台にした映像的な作品。作曲した杉山自身もお気に入りで2013年のアルバム『I AM ME』でリメイクしている疾走感溢れるナンバーだ。

「Eastern Railroad」はやはり杉山が手がけた16ビートの楽曲で、メンバー全員が軽やか? なステップを披露。洋楽のエッセンスが盛り込まれたジャパニーズAORの「MIDNIGHT DOWN TOWN」では歌い出しでくしゃみをして全員がこけるという、クレージーキャッツばりのコントで爆笑を誘った。

林哲司がオメガの世界観を掴んだ「君のハートはマリンブルー」


おふざけのあとは、解散から長い年月を経て30公演のツアーができていることを “奇跡” と表現し、支えてくれるファンやスタッフへの謝意を表明。さらに2年8ヶ月の活動を振り返り、林哲司を筆頭とするプロフェッショナルな大人たちに囲まれていたおかげでミュージシャンとして鍛えられたと述懐した。

「君のハートはマリンブルー」はテレビドラマの主題歌としてロングセラーを記録したが、曲づくりの師匠である林がシングル3作目にしてオメガの世界観を掴んだ作品としても知られている。ここまでノンストップで上演されてきた本編は高島が作曲した壮大なバラード「THE END OF THE RIVER」で締めくくられた。エンディングの「♪たどりつく愛に」の超ロングトーンに杉山の熱い想いを感じたのは筆者だけではあるまい。

“アンコール!アンコール!” … 鳴り止まぬ拍手のなか、タイトなリズムを刻む「ASPHALT LADY」のイントロが流れると会場は再び総立ち。いったん降りた紗幕が上がり、ツアーTシャツに着替えたメンバーが登場する。杉山のレクチャーにより、サビの「♪ショック!」を血液型別に歌唱するとオーディエンスとの一体感はさらに高まり、最後の「♪Make me high」では大合唱となった。

サプライズゲストに林哲司が登場!


楽しい演出がてんこ盛りだったこの日のライブだが、ここでサプライズゲストが登場する。オメガサウンドの立役者である林哲司が深紅のバラの花束を持って彼らの40周年を祝福したのだ。コメントを求められた林は “次のツアーはいつですか?” と質問。思わぬ問いに杉山が “考えます!” と答えると会場は大いに沸いた。

そしてお楽しみ抽選会、某通販会社のCMを模したツアーグッズの紹介コーナーのあとは「SUMMER SUSPICION」で大団円。最後に『SOUND ALIVE presents 杉山清貴&オメガトライブ The end of 40th anniversary 〜えっ、またやるの!? オメガトライブ〜』(9月15日・16日 / パシフィコ横浜国立大ホール)の開催が発表されると大きな歓声が巻き起こった。

これ以上ない嬉しい情報に興奮冷めやらぬ場内は誰一人帰ろうとせず、ペンライトや拍手でオメガへの愛を表現。その想いに応えてこの日はもう1曲、「OKINAWA IN MAY」が披露された。杉山のソロアルバム『here & there』(1989年)に初収録された爽やかなナンバーで、6月の沖縄公演を見据えて選曲されたのだろう。“奇跡はまだ続く" ことを感じさせるドラマティックなフィナーレとなった。

約2時間50分に及ぶメモリアルなライブだったが、嬉しいことにその模様が7月28日(日)20時より、歌謡ポップスチャンネルで独占放送される。続々と “オメガチルドレン” を生み出している令和のオメガトライブを堪能できるまたとない機会。テレビでその音楽性とパフォーマンスを味わったあとは是非9月のライブにも足を運んでいただきたい。次の「奇跡」を体感できるのはいつになるか分からないのだから――

Information
杉山清貴&オメガトライブ ファイナルツアー
〜FIRST FINALE TOUR 2024〜 “LIVE EMOTION” テレビ初独占放送!

歌謡ポップスチャンネル放送日時:7月28日(日)よる8時~

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