江戸から明治へ 浮世絵館で企画展
辻堂神台の藤澤浮世絵館で企画展「浮世絵でめぐる明治の東海道と藤沢東海名所改正道中記」が開催されている。
1875年に三代歌川広重が制作した『東海名所改正道中記』は、文明開化期の東海道の風景を浮世絵として描写したもの。明治以降に現れた電灯や電柱、鉄橋を渡る鉄道、外国人や洋傘などが、江戸時代の名残りである髷を結い和装のままの市井の人びとと同じ風景の中に描かれる。
同作品の目録を含めた全60点が全コーナーで公開される他、藤沢宿コーナーでは幕末期の地図『大日本早引細見絵図』と明治初期の『大日本府県名所独案内』が展示され、廃藩置県以前と以後の地図の表記を比べることができる。
江の島コーナーでは、銅版画や石版画、1875年の『東京日々新聞』での江の島紹介、明治時代の江の島の写真を展示。企画展コーナーでは開港直後の横浜の絵地図や浮世絵などが展示される。また、おまけコーナーとして、鉄道開通直後の時刻表や路線図なども公開される。
同館学芸員は、「浮世絵は、世相を人びとに知らせる役割があった。文明開化の様子を伝えることもその役目の一つ」と紹介し「明治という激動の時代の東海道の変化を見て楽しんでいただければ」と呼び掛けている。
入館無料。5月6日(火)までの開催。開館は午前10時から午後7時。
学芸員による解説は、同館多目的室で3月8日(土)と4月13日(日)に両日午前11時からと午後3時からの30分。各回30人(当日先着順)。参加無料。問い合わせは同館【電話】0466・33・0111。