日本と韓国で明暗…指導者経験のないまま就任した斗山・李承燁監督が成績不振のため辞任
阪神・藤川球児監督と日本ハム・新庄剛志監督はともにリーグで首位
プロ野球のセ・パ両リーグで首位に立つ阪神と日本ハムにはある共通点がある。阪神・藤川球児監督と日本ハム・新庄剛志監督はともに指導者経験のないまま監督に就任した点だ。
スター選手が引退後にコーチ経験すらないまま監督に就任する例は珍しくないとはいえ、就任前には不安視する声が必ず出る。
しかし、両チームのここまでの戦いぶりを見ると指導者経験のなさがマイナスになると一概に言うことはできない。新庄監督は2年連続最下位だったものの、3年目で躍進し、4年目の今季は本気で優勝を狙っている。藤川監督は元々戦力が充実していることもあるとはいえ、強い勝ちっぷりを見せている。
李承燁監督は9位低迷し、シーズン途中で辞任
お隣の韓国プロ野球でも、「国民的打者」として活躍した元スター選手の李承燁(イ・スンヨプ)監督が指導者経験のないまま、2023年から斗山ベアーズで指揮を執っていた。しかし、成績不振のため6月2日に辞任。就任3年目のシーズン半ばでユニフォームを脱いだ。
現役時代はサムスン時代の2003年にアジア新記録となる56本塁打を放ち、2004年からロッテ、巨人、オリックスでプレー。2012年からサムスンに戻って韓国通算467本塁打、NPB通算159本塁打、計626本塁打を放ち、2008年北京オリンピックで金メダルも獲得した韓国球界のレジェンドだ。
2017年の引退後はユニフォームを着ていなかったが、2023年から斗山ベアーズの監督に就任。1年目は10チーム中5位、2年目は4位と順位を上げたが、3年目の今季はケガ人が続出したこともあり、58試合で23勝32敗3分け、勝率.418で9位に低迷し、責任を取る形となった。
実は韓国プロ野球で指導者未経験のまま監督に就任するのは李承燁前監督が初めて。日本では決して珍しくないが、韓国ではネームバリューより指導者経験や実績が重視され、今回の辞任が悪しき前例となる可能性も否めない。
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記事:SPAIA編集部