美しい“ナポリの海”と神秘的な魅力を放つ“パルテノペ”に釘付け『パルテノペ ナポリの宝石』本編冒頭映像
イタリアの巨匠パオロ・ソレンティーノ監督最新作で、イタリア国内で監督史上最大のヒットを記録した『パルテノペ ナポリの宝石』が、8月22日(金)より公開される。このたび、本作で鮮烈な銀幕デビューを飾り、イタリアのアカデミー賞にあたるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の新人賞を獲得した新星セレステ・ダッラ・ポルタ演じるパルテノペに魅了される冒頭シーンが解禁となった。
パオロ・ソレンティーノ監督史上 イタリア国内No.1ヒット
「第86回アカデミー賞」外国語映画賞を受賞した『グレート・ビューティー/追憶のローマ』(13)をはじめ、『グランドフィナーレ』(15)、『The Hand of God -神の手が触れた日-』(21)など、圧倒的な映像美で<21世紀の映像の魔術師>と呼ばれ、人生の悲哀と幸福を表現し、映画ファンを虜にしてきたイタリアの巨匠パオロ・ソレンティーノ監督。時は1950年、人魚伝説が根付く南イタリア・ナポリに生を受け、街を意味する“パルテノペ”と名付けられた美しいひとりの女性の生涯を描く。ソレンティーノ監督が初めて女性を主人公に据えた本作は、「第77回カンヌ国際映画祭」のコンペティション部門に正式出品され、大きな話題に。その後公開を迎えたイタリア国内では、なんと監督作史上最大のヒットを記録。監督の新境地かつ真骨頂といえる渾身の傑作が誕生した。
街の象徴である人魚の名を持つ主人公パルテノペを演じたのは、本作で鮮烈な銀幕デビューを飾った新星セレステ・ダッラ・ポルタ。彼女の瑞々しい輝きと、無邪気な笑顔、溢れ出る魅力に誰もが虜になること間違いなし!美しい輝きが多くの人々を魅了し、時には悲劇や争いをも引き起こす宝石のような、神秘的な魅力を放つ女性を全身全霊で演じきった。
製作は、世界屈指のラグジュアリーブランド「サンローラン」が、異なる分野の先鋭的なアーティストたちとコラボレーションするという、サンローランのクリエイティブ・ディレクター、アンソニー・ヴァカレロの継続的な取り組みを反映して映画界へ参入した「サンローラン プロダクション」が手掛けた。本作では、アンソニー・ヴァカレロ自らが衣装のアートディレクションを担当し、50年代から80年代までの時代の変遷とともに生きる様々な人々を彩る色彩豊かなファッションの数々を作り上げた。さらに、北米配給権を今世界の映画ファンに最も愛される気鋭の配給会社「A24」が獲得。パオロ・ソレンティーノ監督×サンローラン プロダクション×A24。新たなコラボレーションでスクリーンに映し出される贅沢な映画体験は必見だ。
1968年、ナポリ。パルテノペに想いを寄せる幼馴染のサンドリーノ(ダリオ・アイタ)は、まるで人魚のように海から現れたパルテノペに見惚れ、思わず「君は女神だ」と呟いて煙草を差し出す。サンドリーノは「海で吸う煙草は、プールより断然美味い」と言いその理由をパルテノペに尋ねると、彼女は「いいえ。人生の機微を知るには若すぎる」と微笑み自分が未熟であることを素直に認めると同時に、ひろがる未来への期待感を口にする。美しいナポリの海と神秘的な魅力を放つパルテノペに釘付けとなる優雅なシーンになっている。
ギリシャの詩人ホメロスによる長編叙事詩「オデュッセイア」では、「かつて人魚たちは、ナポリ沖の海に暮らし船乗りを惑わし、沈没させていた。しかし、ひそかに英雄オデュッセイアに恋をしてしまった人魚“パルテノペ”は、彼を誘惑できない悲しみのあまり自ら命を絶ってしまう。その亡骸が岸辺にたどり着き、ナポリの街になった…」という逸話がある。自由奔放で屈託のない輝きを放つ青春時代を経て、悲劇が起き、苦悩するようになるパルテノペの姿は、まるでギリシャ神話の人魚のように哀しい運命を背負っており、またそれは、ナポリの街の栄枯盛衰と呼応するかのように浮き沈みを見せ、“パルテノペ”という名前はまさにギリシャ神話の人魚に重ねられている。
ナポリ誕生の起源で、街の象徴である“パルテノペ”の名を持つ女性を演じるにあたり、セレステ・ダッラ・ポルタはナポリについて様々学んだといい、「パオロ・ソレンティーノ監督は、私が特に読むべき2冊の本を薦めてくれました。1冊は『海はナポリを濡らさない(Il mare non bagna Napoli)』(1953年、アンナ・マリア・オルテーゼ著)で、もう1冊は『死にゆく者(Ferite a Morte)』(2013年、セレーナ・ダンディーニ著)です。どちらもナポリという街の、特に1960~70年代、あるいはそれよりもさらに昔の様子について書かれた本です。これらの本のおかげで、ソレンティーノ監督の想像力が生み出したムードに浸ることができました。彼がこの映画に込めた思い、そしてこの街の匂いや音、人々に呼び起こされる様々な感情やメランコリックな雰囲気。彼は私に多くの要素を深く理解してほしかったのだと思います。私はナポリ出身ではないので、本はそのような雰囲気を掴むのに役立ちました。」とソレンティーノ監督から具体的なアドバイスをもらったことを明かす。
『パルテノペ ナポリの宝石』は8月22日(金)より新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国ロードショー