鹿児島ご当地カップ飯から考える「AIの支配」/ あるいは、その脱却方法
日清のカップヌードルぶっこみ飯はじめ、カレーメシやハヤシメシなどなど。コンビニに行くとインスタントコーナーに並ぶインスタント飯。カップ麺ならぬカップ飯もかなり浸透してきた感がある。
そんな中、鹿児島の「道の駅 霧島 神話の里公園」をぶらぶらしていたところ、奄美大島の郷土料理・鶏飯のカップ飯が販売されているのを発見。鶏飯と言えば、何気に最近よく見かける郷土料理でもある。税込270円と特に高くもなかったので購入してみた。
・鶏飯はキテる
鶏飯について一番最近で言うと、大井川鐵道とのコラボのニュースでその名前を見たが、千葉県の「湾岸幕張パーキングエリア(上り)」に行った際もなぜか鶏飯が推されていたことがあった。郷土料理のブームはよく分からない私でも、地域外でよく目にしてその存在を知っているくらいだから、何気にキテると言っていいだろう。
ちなみに、農林水産省が平成19年に行った郷土料理百選のインターネット人気投票では2位にランクインしたそうで、長年水面下で人気があったものが徐々に顕現しているのかもしれない。郷土料理界のビッグウェーブだ。
・カップ鶏飯なんてものがあったとは
乗るしかない……と言うほどでもないのだが、カップ飯という手軽な形は渡りに船ではある。そんな商品とは、鹿児島の食品会社ヒガシフーズの『カップ鶏飯スープ』だ。スープというだけあって1食分の内容量は21.4gと軽め。
ただ、開けてみると確かに乾燥米が入っていて、これと具入りの粉末スープとお湯をカップに入れたら4分で完成する。まあ、普通のカップ飯の作り方だ。
・味
食べてみると、昆布だしが強いスープで作ったコンビニ雑炊みたいな味である。具はこんぶ以外にも椎茸と卵とチキンが入っているが、具よりもスープがメインだ。米もスープをより深く味わうために入っているニュアンス。
徳之島で見た「道の駅とくのしま」の鶏飯『鶏オム』はもっとご飯や卵がガッツリしていてメインが飯だったので、インスタントという印象は拭えない。ただ……
その温かさと優しい味にはホッとするものを感じた。作るのが手軽だけに忙しい朝にも最適。これはカップ飯であることの良さと言えるだろう。
・実は
ちなみに、ヒガシフーズに聞いてみたところ、このカップ飯は全国で販売されているとのこと。見かけたことがなかったし、出会ったのが鹿児島の道の駅だったので、てっきりローカル食品かと思って買ったのだが東京でも売ってるっぽい。
というわけで、調べたらAmazonでもバリバリ販売されていたヒガシフーズ「カップ鶏飯スープ」。マジでどこでも手に入りすぎて衝撃を受けた一品だが、存在を知らなかったのもまた事実だ。その出会いと発見は鹿児島に行ったからこそのものだったと言える。
情報が氾濫するこの世の中、檻となったゾーニングの中では出会いもまたプライスレス。AIが見つけられないものとの出会いがリアルにはある。歩いて行こう。AIの先へ。
参考リンク:Amazon、マイナビニュース、郷土料理百選
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.