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13年前280円だった八重洲地下街「アルプス」のサービスカレーは、今いくらになったのか? 行ってみたら…

ロケットニュース24

こんなことばかり言いたくないのだが、本当にモノが高い。米はいうまでもなくあらゆるモノが高くなって、昼メシ時は真剣に悩むレベルである。以前なら、目についた店に入ってサクッと済ませても1000円行かなかったのに、サクっと1000円越えて来やがる。今日は何を食うべきか、う~ん……。

あ、そういえば! 東京駅・八重洲地下街の激安カレーショップ「アルプス」は今、どんな価格設定で営業しているのだろうか? 初めて行った2012年は280円(タイムサービス)でカレーを食べることができた。11年後の2023年には100円値上がりで380円になっていた。

さらに2年、その間に物価高がさらに促進したわけだけど、あのタイムサービスのカレーはいくらになった?

・2012年、280円

2012年のアルプスのタイムサービスは、コロッケ・チキン・チーズのいずれかのカレーが税込280円で食べることができた。あの頃はまだ消費税率が5パーセント、そして今ほど物価も高くなかった時代だ。

タイムサービスの280円カレーに、プラス100円でチキンカツをトッピング。380円で満足のいく食事ができたのである。

その当時はすべてのメニューが600円以下。カツカレーですら500円で釣りが来る450円。1000円あればカレー2杯も食えて、腹パンパン。それが今は1000円でも満足にランチも食えない店もある。どうなってんだよ……。

・2023年、380円

2023年12月に訪ねてみると、価格はおおむね100円値上げ。消費税は2014年に8パーセント、そして2019年には10パーセント(軽減税率8パーセント)に引き上げられている。さらに2020年に新型コロナウイルスのまん延で世界が混乱し、2022年のロシアのウクライナ侵攻で輸入品は多大な影響を受けている。

さらには円安が進み、原油や原材料費が跳ねあがっている。

値上げは妥当、いやむしろ100円で済んでいるところにお店の良心を感じる。タイムサービスのカレーも100円アップで税込380円。それでも500円で釣りが来る、まさにサービス価格だった。

・そして2025年は…

さて、さらにそれから2年が経った。直近の影響といえば「令和の米騒動」だろう。昨夏、スーパーやコンビニ、米屋から米が消え、販売価格が高騰。「新米が出れば落ち着く」と言われていたのに、いまだ価格は高いままで下がる気配もない。政府は急きょ、備蓄米の放出を発表する事態となっている。

そんな状況でアルプスを訪ねて券売機を確認してみると、値上げ幅は意外と小さい。いくつかのメニューが20円アップしているものの、麻婆豆腐・旬野菜・白身魚フライカレー、ポークハヤシなどは価格が据え置かれたままになっている。

経営状況を察するにかなり厳しいはず。それでもすべてを値上げするわけではなく、いくつかを20円アップでとどめているところに、お店の踏ん張りが見える。

さらに驚くべきことに、あのタイムサービスのカレーはなんと!

わずか10円アップの税込390円だった!

この2年、誰もが「モノが高くなった」と実感しているなかで、たったの10円で堪えるとは。やっぱりアルプスは庶民の味方! みんなの味方なんだ

ハラペコを駆逐するために日夜営業を続ける、アルプスに敬意を! 賞賛を! 私はもう。これからアルプスで激安カレーは頼まん。むしろあえて高いモノを選んで食べると、ここに誓う! アルプスのサービス精神に報いたい!

・好きだぜ、アルプス!

ってことで、「元祖BIGカツカレー」(税込670円)を頼みました。期間限定の「BIGあじフライカレー」(税込880円)の方が高かったんだけど、カツが食いたかったもんで……。

ちなみにこの日はご飯大盛り無料のサービスデー。そりゃ、大盛りにするよね! 米が値上がりしている中での大盛り無料は、まさしく神サービスだろ。

カウンターでカレーを受け取る際に、お店の先輩(常連さん)たちが、みんなカツにソースをかけていたので、私もそれに習って、ソースをぶっかけておいた。

揚げ置きしているカツは、少々冷えている。が! これでいい。これがアルプスの味。そのカツにソースとカレーを浸透させて、やや柔らかくして食べるくらいがちょうど良いのだ。

カレーそのものは甘めで、ねっとりとした食感が昭和を感じさせる。トラディショナルなジャパニーズカレーは粘度としては硬めで、こういう食堂仕立ての味なんだよね。シャバシャバのスープカレーもヨシ。最近流行りの香辛料をきかせたスパイスカレーもヨシ。

だが、私はコレだな。ねっとりとした昭和カレーこそ心に響く。

移ろいの激しい東京、しかも東京駅の間近にありながらも、スタイルを変えることなく頑なに味を守り続けている。価格もさることながら、味も流行りにながされないカレーショップ。好きだぜ、アルプス。不器用だけど真っすぐなお前が好きだ!

ということで、何年経ってもアルプスは庶民の味方! 俺たちの味方! 大変だけど、その道を貫いて、これからもアルプスであり続けろ!!

・今回紹介した店舗の情報

店名 カレーショップ アルプス
住所 東京都中央区八重洲地下街2丁目1北1号 八重洲地下街外堀地下2番通り
時間 10:00~21:00(L.O.20:30) 土日祝11:00~20:00(L.O.19:30)
定休日 元日

執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

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