掃除のプロが実践している「頑張らない、疲れない掃除術」とは? 【まる得マガジン】
掃除は無理をせず、合理的に、気持ちよく
「世界で一番清潔な空港」に選ばれた羽田空港で働くプロフェッショナル清掃員・新津春子さんが、プロならではの「掃除の効率アップ術」と「ラクチン拭き掃除術」を教えてくれました(『NHKまる得マガジンMOOK タオル1枚でピカピカ! 新津春子流おうち掃除術』より抜粋)。
ちょっとのコツで掃除の効率アップ!
掃除をするのがめんどう……という人は、日常生活にちょこっと工夫するだけで、掃除を始めやすい環境に変わります。
タオルは掃除をする場所によって色分けする
テーブルと床を拭くタオルを分けるのは基本。さらにゴミ箱や靴箱など汚れがひどい場所、衛生管理が大切なキッチンなど、場所別にタオルの色を決めておくと、どれを使えばよいかわかるので掃除がスムーズに。家族にもわかるようにしておくことで、協力を得られやすくなる。
掃除道具やタオルはつるしておく
コンロ回りの油汚れや浴室の水あかなど、汚れやすい場所にはすぐ拭けるように、フックやピンチでタオルや道具をつるしておく。つるすことでわざわざ掃除道具を出してこなくても拭けるので、掃除も楽に。
よく使うものはまとめて収納
手あかがつきやすいテーブルに、リモコンや家のカギなどをそのまま置くと、拭き掃除がめんどうに。すぐ動かせるようにかごやトレーなどにまとめる工夫を。
床に物を置かない
部屋の広い面積を占める床に物を置くと散らかった印象に。物を置かないことで、拭き掃除の前に物を動かすという作業がなくなり、部屋もすっきり! テーブルの上もよく使う物以外、置かないようにする。
トイレ掃除道具は干してから出しやすい場所に
ブラシや洗剤などのトイレ掃除道具は床に置くとさらに掃除がめんどうに。だからといって、棚にしまうとにおいや衛生的な不安も。使用後は、タオルやブラシは洗って干し、バケツにまとめて自分が使いやすい場所に置くのがおすすめ。
家具の掃除術
テーブルの食べこぼし、飲みこぼし、油汚れなどは、そのままにしておくと固まって層になり、取れにくくなります。椅子の背もたれや引き出しの取っ手の皮脂汚れなども、くすみや傷みの原因になりがち。汚れがまだ新しく柔らかいうちに、洗剤なしの水拭きでサッと拭き取りましょう。
家具の汚れを落とす【テーブル】
汚れが定着する前に、水拭きタオル〈水〉で拭き取りましょう。
水拭きタオル・から拭きタオル を使用
この拭き方なら、隅々まで拭き残しなく、拭くことができます。慣れてくると考えなくても体が動いてくれるようになり、掃除が苦ではなくなりますよ!
◆これが新津流・体の使い方
足は前後に開くと、体重移動しやすい!
足を前後に開いた姿勢で立つと、体を前に傾けやすく、テーブルの奥まで楽に手を伸ばせる。
【椅子の背もたれ、引き出しの取っ手】
新津春子(にいつ・はるこ)
羽田空港のプロフェッショナル清掃員。中国残留日本人孤児二世として中国・瀋陽に生まれ、17歳のときに来日。高校に通いながら清掃の仕事に従事。1997年に全国ビルクリーニング技能競技会で史上最年少優勝(当時)。以降、清掃指導者としても活躍。さらに環境マイスターとして、羽田空港全体の環境整備などにも貢献している。2018年よりハウスクリーニングの仕事も手がける。
◆『NHKまる得マガジンMOOK タオル1枚でピカピカ! 新津春子流 おうち掃除術』より
◆撮影 公文美和
◆イラスト 米村知倫