【高知グルメPro】高知県民LOVEの町中華「豚太郎(とんたろう)」でおなかいっぱい食べまくる!食いしんぼおじさんマッキー牧元の高知満腹日記
再び「豚太郎(とんたろう)」にやってきた。
高知県民のソウルフードとも言われる「みそカツラーメン」で人気を呼ぶ店である。
県内に15店舗あり、暖簾貸しという形で岡山にも店舗があるという。
以前は大津店を訪れたが、今回は堂々たる本店である。
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いや正確に言えば、高知市介良(けら)にある、唯一の直営店である。
今回いただくのは、「みそカツラーメン」ではない。
実は一品料理がおいしいという評判を聞いて、いまだ使いこなせていない土佐弁で「それを食べなくてはいかんがぜよ!」と、やってきた。
頼んだのは餃子、酢どり、野菜炒め、ニラ豚、唐揚げ、焼きそばである。
まず餃子が運ばれた。
焼餃子は、野菜を主体とした、町中華の王道を行く味わいである。
ビールとやれば、何皿でもいけるタイプである。
そして、餃子が盛り付けられた皿にも、町中華の風合いがにじみ出ていて、嬉しくなる。
思わずお代わりしそうになったが、後続のおかずのことを考えてぐっと我慢した。
次は、もやしとニラ、豚コマを炒めた「ニラ豚」が運ばれた。
一口食べた瞬間、「ご飯ください」と、叫びそうになる。
猛烈にご飯が恋しくなる味わいではないか。
だからといって、味わいが濃すぎることはない。
ちょうどご飯を欲する味つけなのだ。そこがニクイ。
お次が、「酢どり」である。
頼んではみたものの、運ばれてきて口にするまではどんな料理なのかわからなかった。他県の人には珍しい名前だろう。
だが、高知では一般的だという。
一見、醤油ダレがかかった、油淋鶏のようだが、違う。
カラリとあげた鳥の唐揚げに、ほんのり甘い酢醤油がかかっているのである。
これが後を引く。これはアリである。
唐揚げの油っこさが、酢によって和らぎ、醤油の旨みと砂糖の甘み、ネギの香りによって、次々と箸が伸びてしまう。
下に敷かれているキャベツは、そんな酢醤油ダレにまみれて、下品さが持つ迫力がある。
タレが染みたキャベツをご飯に乗せれば、何膳でもいけるだろう。
危険な料理である。
「おおっ」。
次に唐揚げが運ばれてきて、思わず声をあげた。
でかい。唐揚げがでかい。
とにかく一個がでかい。
普通の唐揚の1.5倍くらいでかいだろう。
下味はほどよく、こちらも濃すぎない。
そして唐揚げ好きを喜ばすのは、皮がめくれて、皮だけの唐揚げ部分が多くあることだった。
むっちりとした肉を食べ、皮をガリガリッと噛みながら、ビールを飲む。
ああ、調子が上がってきたぞ。
次が焼きそばときた。ソース焼きそばである。
前回訪ねた若松店では、麺の上に海苔ではなく紅ショウガが乗っていた。
豚肉や野菜の切り方も全く違う。
この辺りがこの豚太郎の自由度の面白さである。
そしてこのソース焼きそばもまた、味の濃さがちょうどいい。
ソース焼きそばに上品という言葉を使うのも変だが、このソース焼きそばは、ちょいと品がいい。
だから満腹でもスルスルと入ってしまうのだった。
食後に代表取締役の岡本誠二さんにお話を伺った。
設立してもう57年目になるという。
フランチャイズやチェーン店というものは、セントラルキッチンがあり、各店舗で味のブレが一切ないことを目指す。
だがこちらは、先代からの思いで、それぞれの店に自由度を委ねている。
名物の「みそカツラーメン」ですら、トッピングされるカツにも串カツあり、ひと口カツありと、自由なのである。
「フランチャイズの店も、開店してからしばらくすると、独自の味を出したがるんです」と、社長さんは、面白がるように言われた。
「しかし味がブレると、ブランドのクォリイティが下がりませんか?」と、野暮な質問をあえてぶつけてみた。
すると、
「お客さんは、気に入った味のお店に車を向けて貰えばいいんです」と、こともなげに答えられた。
車社会だからこそ成り立つのかもしれないが、常に客目線の経営なのだろう。
麺とスープ、餃子だけは本社から送るが、それ以外のメニュー開発や調理方法、味付けは各店ごとに全て自由だという。
有限会社豚太郎公式サイトより
しかも驚くことに、創業からロイヤリティは一切無しだという。
そんなフランチャイズは聞いたことがない。太っ腹である。
このいい意味での緩さ、寛大さが、高知人気質なのかもしれない。
チェーン店といっても、マニュアルに縛られることなく、銘々が自由に、楽しく「豚太郎」を盛り上げていく。
だからこそ今日も、「豚太郎」は満席なのだ。
店舗情報
高知県高知市介良乙1060-6 営業時間:月・火・水・金・土・日 11:00 ~21:00 定休日:木曜日 ※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 電話番号: 088-860-1116