かわさきマイスター競演 市制100周年の記念品 市役所本庁舎で展示
川崎市市制100周年を記念し、卓越した技術を駆使してものづくりを続ける「かわさきマイスター」たちがコラボレーションした記念品が誕生した。3月6日まで、市役所の本庁舎(川崎区)1階で展示している。
市の「かわさきマイスター記念品制作支援事業」により、業務委託を受けた佐野デザイン事務所(中原区)の代表・佐野正(まさし)さん(58)が、4種類の記念品のデザインとマイスターの組み合わせを考案した。
企画に参加したマイスターは計8人。「KAWASAKIマイスタースツール」では、特殊な金属加工「ヘラ絞り」の匠・大浪忠さん(高津区)、友和さん親子(同)と、家具職人の昼川捷太郎さん(宮前区在住)が技術を集結。また「KAWASAKIマイスタースイーツ」では、パティシエの宍戸哉(ちか)夫さん(麻生区)と、複雑なデザインに対応できる板金加工の技術を持つ比屋根卓(たかし)さん(川崎区)が、異色のコラボ。川崎の多様性を焼き菓子で表現し、人形のクッキーが「つながる」仕掛けも楽しい。
「KAWASAKIマイスターヒーリング」は、溶接の技巧を生かして楽器づくりも手掛ける飯田誠二さん(川崎区)の鈴に、昼川さんの手による木工の台座を組み合わせ、視覚と音で癒しを表現した。
佐野さんが「一番難しかった」と語るのが「KAWASAKIマイスタークロック」だ。精密研削加工技能者の三田村宏宣さん(高津区)、特殊な塗装技能をもつ綾部淳さん(同)と大浪さん親子の4人が共同制作。佐野さんの発案で、文字盤を彩る3色の輪を時針と分針に連動させ、正午と午前零時の2回、「川」の字がそろう仕掛けになっている。
佐野さんは「職人の技が伝わりやすいデザインを心がけた。マイスターの方々の技と熱意のおかげで完成することができた」と感謝を述べた。市の担当者は「記念品を通し、川崎のものづくりの力を広く周知していく」としている。