【やまと尼寺 精進日記】多彩な調理法で味わう、きゅうり尽くしの朝ごはん
奈良県音羽山の中腹にある尼寺で、お寺を30年以上守り続けるご住職の後藤密榮さん。豊かな自然に囲まれた暮らしの中で、どんな食材も知恵と工夫でおいしくしてしまう料理名人でもあります。本記事では『やまと尼寺 精進日記2 ふたたびの年』より、音羽山のふもとに暮らす人たちに分けていただいたたくさんのきゅうりを、多彩な調理方法で味わう様子をお届けします。きゅうりの佃煮レシピも公開!
やまと尼寺の夏
おかあさんの代からお付き合いのある大畑登さんからいただいたきゅうりと、潤子さんの畑で収穫させてもらったきゅうり。この日のお寺には、小さいものから大きいものまで、きゅうりがうずたかく積まれていました。
お寺の“応援団”のひとり、堂上潤子さんは、いつもお寺を助けてくれる強い味方です。代々音羽山のふもとに住み、ご住職とのお付き合いはもう30年。食べるものから着るものまで教わることが尽きません。
きゅうりをそのまま口に運ぶと、ポリッとおいしい音がします。水分をたっぷり含んだ夏野菜は、採れたてをすぐ調理するのが基本。漬けて、炒めて、煎りあげて、味付けも多彩に。生で食べるだけでなく、たくさんのアイデアできゅうりのいろいろな味わいをたのしみます。
「まずはきゅうりの佃煮をつくるでしょ。あとは……」
「短時間で煎りあげるとシャキッとする」
「炊きすぎると食感が悪くなるからね」
きゅうりの佃煮の作り方
材料(5~6人分)
きゅうり 1.5kg
塩(塩もみ用) 15g
唐辛子 2本
昆布 適量
しょうが 1かけ
A (きび砂糖 60g
だししょうゆ 70ml
酢 100ml
みりん 30ml)
1 きゅうりは2~3ミリ程度の輪切りにする。塩を振ってもみ、しばらく置いて水分を出す。
2 水で洗って塩を落とし、水分をぎゅっとしぼる。唐辛子、昆布、しょうがは刻んでおく。
3Aとすべての材料を鍋に入れてから火にかけ、強火で10分ほど一気に煎りあげる。水分がなくなれば完成。
やまと尼寺とは?
奈良の尼寺、音羽山観音寺を舞台に、ご住職である後藤密榮さんの暮らしぶりやお寺の行事、ご住職を中心につながる人びとの姿をに紹介するシリーズ。書籍『やまと尼寺 精進日記』では、季節の移ろいを感じながら、お勤めと行事を大切にする日常を写真とイラストを交えながらお届けします。