【横浜市金沢区】関東学院大・加藤姉妹 二人で立つ世界の舞台 バスケでデフリンピックへ
聴覚に障がいのある人の国際的なスポーツ大会「第25回夏季デフリンピック競技大会東京2025」が11月15日(土)に開幕する。この大会のバスケットボール競技に、関東学院大学女子バスケットボール部の加藤志希さん(人間共生学部2年)・志野さん(社会学部2年)の姉妹が日本代表として出場する。
生まれつき聴覚に障がいがある双子の加藤姉妹。聴力に差はあるが、補聴器を装着すればある程度の会話が可能な二人とバスケットボールの出会いは、小学校に入学して間もなくのこと。バスケ経験者の両親らの影響もあって地域のミニバスケットボールチームで競技をはじめ、横須賀市内の小中高を経て、そろって進学した関東学院大でもプレーしている。
横須賀大津高校では県大会で8強入りを果たす原動力となったほか、22年にはデフバスケ女子日本代表のトライアウトを通過。強化選手として、国内トップレベルの環境で経験を積んできた。
長年の悲願だったデフリンピック出場について、姉の志希さんは「楽しみから緊張に変わってきたが、このためにバスケをやってきた」、妹の志野さんは「大学の友人に、『応援に行くから絶対に勝って』と言われているので頑張りたい」と意気込みを話す。
独自サインで意思疎通
補聴器により聴力の障がいを軽減させ、懸命な努力と仲間のサポートもあって健聴者のチームでバスケ人生を歩んできた二人。志希さんが「パスをもらうために声を出すよう指導されてきた」と言えば、志野さんも「大学では試合中でもお互いのプレーについてアドバイスを積極的に伝え合っている」と語るなど、ともに「バスケは声のスポーツ」であることを実感してきた。
しかし、デフバスケでは補聴器などの装着が禁じられており、選手の聴力も「少し聞こえる」「まったく聞こえない」など個人差がある。
声による意思疎通が難しいなか、これを克服するために日本代表チームが取り入れているのは、視覚的にコミュニケーションを図る「サインバスケット」。「リバウンド」を示す手話など、瞬時に意思を伝える視覚的なサインをチームで独自に考案して共有し、世界の頂点を目指す。