日本の食材に惜しみない手間をかけ、旬を凝縮し、研ぎ澄ませた料理を表現したい ブルガリ イル・リストランテ ルカ・ファンティン 24年12月号
ルカ・ファンティンさんが、宝飾ブランド「ブルガリ」の銀座でのリストランテでエグゼクティブシェフに就任したのは15年前のこと。以来日本の食材、食文化とイタリア料理の調和に挑んできたが、近年、彼の料理は一つの境地に到達したかのような充実を見せている。シンプルにして繊細、奥深い。今に至る背景を聞いた。
私が日本に興味を持ったのはスペイン「ムガリッツ」で働いていた頃でした。当時、サンセバスチャンで開かれていた世界料理学会に参加した時に、龍吟の山本征治さんが「ハモの骨切り」を、医療用のCTスキャンの映像を用いて説明していたのを見て俄然興味が出たのです。ちょうどその頃、自分の料理を表現するうえで、今まで学んできた技術や知識を広げる必要を感じていたところでした。日本の魚の扱いは素晴らしいと聞いていましたが、これには驚きました。
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Luca Fantin(ルカ ファンティン)
1979年、ヴェネト州生まれ。料理専門学校を卒業後、ミラノ「オステリア・デル・オルゾ」で研鑽を積む。スペイン「ムガリッツ」などを経て、2006年にハインツ・ベック氏が率いるローマの「ラ・ペルゴラ」の副料理長に就任。09年より銀座「ブルガリ イル・リストランテ」のエグゼクティブシェフを務める。
ブルガリ イル・リストランテ
ルカ・ファンティン
東京都中央区銀座2-7-12
ブルガリ銀座タワー9F
TEL 03-6362-0555
17:30〜20:00LO 日月休
text: Misa Yamaji, photo: Gorta Yuuki