【個性が光る店主列伝vol.1】~苦楽園 イタリア・サルデーニャ料理『アズーニ』メリス マリオさん 西宮市
「聞けば聞くほど会いたくなる、話せば話すほど好きになる」。
そんな魅力溢れる店主にスポットを当てた【この人に会いたい!個性が光る店主列伝】。
第1弾は、苦楽園(西宮市)にあるイタリア・サルデーニャ料理『アズーニ』オーナーのメリス・マリオさん。
料理の原点であるノンナ(=おばあちゃん)との思い出や受け継いだものとは?
サルデーニャ料理って?
地中海に位置するサルデーニャ島は、シチリア島に次ぐ2番目に大きな島。イタリア屈指の高級リゾート地として知られ、世界遺産である遺跡建造物「ヌラーゲ」があり、観光も充実しています。
イタリア本土のほかアラブや北アフリカなどの料理の影響を受けながら発展した食文化は、海の幸をはじめ、島で牧畜される羊の肉などが主な食材として用いられているそう。
また、羊乳から作られたペコリーノ・チーズ(DOP)や粒状パスタのフレーゴラ、カラスミ(ボッタルガ)の名産地でもあるとのこと。素材を大切にするシンプルな調理方法が多く、日本人の口にもよく合のだとか。
料理上手のノンナやマンマ、叔母さんに囲まれて育った幼少期
幼少期のマリオさんは、家族の中でたった一人の男の子だったということもあり、おばあちゃんやマンマ、叔母さんから大きな愛をもらって育ちました。
料理の原点は、マリオさんをとても可愛がったというジョヴァンナおばあちゃん。お料理が上手で、新鮮な食材を使って美味しいスープなどをよく作ってくれていたのだそう。
食事の支度は生きている鶏を絞めるところから⁈
食事の支度をする時もおばあちゃんのそばで、生きている鶏を絞めるところから見ていたマリオ少年。「これから大切な命をいただくんだよ」ということ、また、どこの部位で何を作るのか、途中で味見をしながらご飯がおいしく出来上がるまでの過程を目と舌で学び、いつしか食べることが大好きに。
おばあちゃんが窯で焼いてくれたお肉やパンの香りは今でも“最高のごちそう”。その香りの記憶は味の記憶へと繋がり、今のマリオシェフのベースとなっています。
好みに合わせてフレキシブルに対応してくれるランチ
ランチはパスタやリゾットから自家製手打ちパスタへの変更、メインやドルチェをオプションで追加できるなど柔軟に対応してくれます。
手間ひまがかけられた前菜の盛り合わせは、それぞれの素材を生かした繊細な味つけや盛り付けが施されています。
ひとつひとつの料理は、イタリアンでありながら、どこかの国を思い起こさせる味わいだったり。「あれ?知っている味だけど何だろう?」と、イタリア料理では想像できない馴染みのある調味料なども使用しています。
伝統の一皿『クルルジョネス』
サルデーニャ島のラビオリといわれる『クルルジョネス』は、お祝いや収穫祭などで食べられることが多い特別なパスタ。
麦の穂をイメージした形の生地にはじゃがいもとペコリーノ・チーズ、ミントが包まれ、もちもちの食感が楽しいおばあちゃんの味。ソースは日によって変わり、この日は伝統的なトマトソースでした。
定番の組み合わせだそうで、もっちり生地とチーズの風味、トマトソースの酸味のバランスがとてもいい。かなり食べ応えのある一皿です。
料理の説明をとても丁寧にしてくれたマリオさん。14歳から料理人として生きてきた経験と知識、さまざまな国を訪れて美味しい、おもしろいと感じたものを組み合わせるオリジナルのスタイルを築き上げました。
そして、たくさんの料理を作って人々を喜ばせていたおばあちゃんの味とおもてなしの心を受け継ぎ、たどり着いたのは、“料理に自分の人生を乗せる”。それがマリオさんの料理哲学でもあるのです。
お店では奥様と一緒に明るい笑顔で迎えてくれるはず。駅からも歩ける距離なので、ぶらぶらと会いに行ってみてくださいね。
場所
ASUNI(アズーニ)
(西宮市豊楽町11‐22)
定休日
月曜日
駐車場
無(※近隣のパーキングをご利用ください)