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フライフィッシング入門におすすめ「カワムツ」をフライで釣ってみよう!

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フライフィッシング入門におすすめ「カワムツ」をフライで釣ってみよう!

ここ数年で人気急上昇してきている「淡水小物釣り」。とくに「カワムツ」や「オイカワ」といったコイ科の小魚たちは、エサだけでなくルアーで釣る「チャビング」にも注目が集まってきていますね。実はこのカワムツ、フライフィッシングとの相性も抜群なんです!
今回は、そんなカワムツのフライフィッシングを紹介したいと思います。

カワムツがフライフィッシング入門におすすめの理由

「カワムツ」は貪欲なうえに好奇心旺盛で、どんなフライにも積極的にバイトしてきます。フライフィッシングでは「今食べている虫に合わせたフライを選んで」とか、「捕食している流れにうまく乗せて」みたいなことを耳にしますが、カワムツはこのへんアバウトで全然OK! 近くにエサのような物が流れてくれば、細かいことは気にせず飛び付いてきてくれます。

また、カワムツは流れの緩やかな里川にも多く生息しています。広いスペースでゆったりキャストできるところがポイントになるので、周りにラインを引っ掛けてしまうようなトラブルを気にせず釣りができます。この「釣りをしやすいポイントに生息していること」「貪欲で好奇心旺盛な性格であること」が、フライフィッシング入門にピッタリなんです。

カワムツねらいのフライフィッシングに必要なタックル

専用タックルは必要?

フライフィッシングではルアーのように「○○専用タックル」みたいなものはなく、扱えるフライラインの重さを基準に番手が展開しています。ラインの重さを利用してフライを投げるので、最初は重いラインを扱う方がキャスティングしやすいです。

カワムツねらいの場合では、#1~3といった小さな数字(番手)のロッドを使います。あまり釣りをしない初心者の方なら、7ft前後の長さで、#3のロッドで始めてみてください。普段からほかの釣りをされている方はもっとライトなタックルでも大丈夫です。
私のおすすめはリバーピークのオイカワロッドです。番手は#1となっていますが、少しハリがあるので#2のラインを合わせると使いやすいです。

また、フライフィッシングでは小型の魚とのやり取りはラインを手で手繰って行うため、リールはそれほど重要ではありません。糸が巻ければよいので、とくにこだわりがなければリールは小型で安価なもので全く問題ありません。

OIKAWA(river peak)、S-Creek(river peak)分かりにくい、フライラインの選び方

フライフィッシングでは「バッキングライン」「フライライン」「リーダー」「ティペット」の4つのラインを使います。
「バッキングライン」は下糸です。小型のカワムツねらいの場合はとくに気にせず適当なものを選んでもらって問題ありません。家に余っているラインでも構いませんし、お店でタックルを買うとサービスで巻いてくれることも多いです。

「フライライン」は大きく分けて「浮くもの」と「沈むもの」に分けられます。また、片方の先端が太くなっているもの(WF※)と両端にいくにつれ太くなっているもの(DT)があります。カワムツねらいではWF、DTどちらでもOK。浮くものでロッドの番手と同じか1つ大きい数字の番手をチョイスしてください。

※WF参考:WF(river peak)

「リーダー」はルアーフィッシングのリーダーと違い、先にいくにつれ細くなっています。また、ほかのラインと違い数字が大きくなるほど細くなっていきます。リーダーは短いほど投げやすいので、初めは7.5ft5X~7Xが使いやすいです。

※リーダー参考:スタンダードリーダー(ティムコ)

「ティペット」はエサ釣りでいうハリスになります。これも専用のものでなくても0.4~0.6号のエサ釣りやルアー用のハリスで全然OKです。リーダーの先から30~60cmほどの長さを結んでおきましょう。

毛バリはシンプルでOK

カワムツは貪欲な性格で、どんなフライにも果敢にアタックしてくれます。なので、難しく考えずハリの大きさが18番以下の小さな毛バリならなんでもOKです。フライには浮くもの(ドライフライ)と沈むもの(ニンフ)がありますが、おすすめはドライフライ! 水面に浮くフライにカワムツがバイトする瞬間のドキドキは、一度経験するとやみつきになりますよ。

アバウトなでき映えのフライにも問題なくアタックしてくれるので、フライ自作入門にもぴったりですそのほかあると便利なもの

「フォーセップ」はフライ(フック)を挟んで外すための道具です。フライ専用のものは小さなフライを素早く外すことができるので便利です。

※フォーセップ参考:フォーセップ(ティムコ)

カワムツでは膝くらいまでの浅い川がポイントになるので、こうした太ももまでの「ヒップウェーダー」でも十分対応可能です。暑い日なら短パンにマリンシューズでザバザバ川に入って、涼みながら釣りしちゃっても大丈夫ですよ。

「ランディングネット」「観察ケース」も持っておくと便利です。魚を極力弱らせることなく撮影準備ができますし、かんたんにキレイな映え写真が撮れますよ。

カワムツをフライフィッシングで釣ってみよう

カワムツはこんなところにいる

カワムツは川の上流~中流の流れが緩やかなところに生息しています。川を見ると、浅い場所の中でも大きな石があったりして少し深くなっているところがあります。そういった場所はカワムツがたくさんいる一級ポイントです。また堰堤付近も魚が溜まりやすいポイントになります。流れの速い急な瀬や足の着かないような深い淵にもいるのですが、ドライフライで釣るなら、流れの緩い浅いポイントの方が釣りやすいです。

投げ方の基本は10時2時

フライフィッシングの魅力の一つは長いラインを操ってフライを投げるキャスティングですが、慣れないうちは難しく感じるかもしれません。そんなときは「10時2時」を意識してみてください。

ロッドを前に振るときに時計の10時の位置(頭上の前方)で止め、ロッドにラインの重みを感じたら後ろに振り戻します。そのときに2時の位置(頭上の後方)でロッドを止め、また重みを感じたら前に振るといった具合です。このときに手首を固定して、肘から振ることを意識してみてください。

前に振るときは10時の位置で止め、ラインが伸びきったら後ろに振ります

後ろに振るときは2時の位置で止め、ラインの重さを感じたら前に振ります強いアワセは禁物!

そして、フライは魚のいるポイントに直撃しないよう、少し上流に着水させます。フライが流されてカワムツのいるポイントに近づくと「パシャッ!!」と水面に魚が出てきます。初めはびっくりして大きくアワセてしまいがちですが、強くアワセてしまうと魚が吹っ飛んできてしまいます。アタリがあったら一呼吸おいて、優しく軽めにアワセましょう。
やり取りはリールを巻くのではなく、手でラインを手繰り寄せていきます。手繰るラインから伝わる魚の生命感は、フライフィッシングならではの感触です。

カワムツなど「雑魚」を釣るための注意

漁協が管理する川には魚種ごとに漁業権が設定されています。カワムツに漁業権を設定している漁協はあまりないのですが、川の上流域ではアマゴなどの渓流魚も同時に釣れることがあります。また中流域でもオイカワなどの「雑魚(ざつぎょ)」に漁業権が設定されている場合があります。このような川で釣りをする場合は必ず「遊漁券」を購入する必要があるので、事前に調べてから釣りを楽しむようにしましょう。

といったわけで、「カワムツのフライフィッシング」についてご紹介しました。
やっぱり釣りは、魚からの反応がないとつまらないですよね。ハードルが高いと感じてしまうフライフィッシングですが、貪欲で好奇心旺盛なカワムツならきっと相手をしてくれるはずです。川面を流れるドライフライに魚が出る(食いつく)といった最高にエキサイティングな瞬間を、ぜひカワムツのフライフィッシングで体験してみてください。

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レポーター

プロフィール:東村 良平
兵庫県在住
海のエサ釣りに始まり、ライトゲーム、青物釣り、タイラバを経て、ここ数年は渓流ルアーやエリアトラウト、アユ釣りなどをメインに、家族で釣りや川遊び、キャンプなど自然を満喫。「ライトガチ」をモットーに道具や方法にこだわり過ぎず、楽しむことに全力を注いでいる。
インスタグラム:
@azuman1980 (URL:https://www.instagram.com/azuman1980/)

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