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自民党総裁選 小泉進次郎氏が初期段階に起こしたミスとは

文化放送

9月17日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、自民党総裁選の自民支持層の調査について意見を交わした。 

小泉進次郎氏のスピーチライターや政策の助言者がまったくダメ

産経新聞などが実施した調査で、自民党総裁選に出馬した9人のうち誰が新総裁にふさわしいか尋ねたところ、自民支持層では小泉進次郎元環境大臣が29.4%でトップだった。2位は石破茂元幹事長24.1%、3位は高市早苗経済安全保障担当大臣16.3%となった。 

自民支持層に限らない場合は、小泉氏と石破氏の順位が逆転。3位は高市氏となる。  

(寺島アナ)「新総裁にふさわしい人物が誰なのか?自民支持層では小泉氏がトップ、自民支持層に限らない場合は石破氏がトップということですが、これは田中さん、どう受け止めますか?」 

(田中氏)「まず、自民党の総裁選ですから自民支持層に限らない場合の調査をやっても全然意味ないですよね?さらに自民支持層といっても、自民党員・党友じゃなかったら、総裁選の動向をうらなう上ではかなり割り引いて見ないといけないです。信憑性がどうか分かりませんが、直近では読売新聞が総裁選の党員・党友調査というものを出しているんです。それで見ると高市さんと石破さんが123票で並んで、105票でかなり差がついて小泉さんなんです。国会議員票はどこの調査を見ても小泉さんの基礎票が大きいんですよ。本当に正しいか分かりませんが、党員・党友に関しては小泉さんがかなり落ちている。なので、小泉さんを支える政治家の人たちはかなり危機感を強めていますね」 

田中氏は小泉氏の総裁選の戦い方にミスがあったと指摘。 

(田中氏)「今の主戦場はネットですから。石破さんはテレビを見ている高齢者層の党員・党友の支持が厚く、さらに地方の農協関係者の票が動かないんです。だから今の主戦場はネットなのですが、小泉さんは初期段階で下手を打ったんです。『おはよう寺ちゃん』のレギュラーコメンテーターの藤井聡先生も猛烈な批判をしています。小泉氏が会見で掲げたのは、“年収の壁撤を取っ払って、基本的に増税”ですよ?小泉さんも、いま色んな弁明をしていますが初期段階でそんなこと言っちゃって、増税だと思われても仕方ないですよ。つまり小泉さんの発言の原稿を書くスピーチライター、あるいは政策の助言者や支えているコアな政治家たちの助言の力がまったくダメなんです。」 

(寺島アナ) 「そうでしょうね。物の見方も含めてね」

(田中氏)「あとは解雇規制の緩和も明らかに企業寄りに見られてしまっています。政策提言を見ると、そう取られるのが当たり前なんですよ。でも危機感を持ったんでしょうね、小泉さんが昨日の演説会で言ったのは“積極財政をやる。プライマリーバランスの単年度の黒字化にはこだわらない”と言っているんです。僕からすれば当たり前のことを今さら言っているんですけど、もう手遅れですよ。おそらく今後もネットの支持が落ちていくと思いますが、党員・党友の浮動票にどれくらい波及するのか?」 

(寺島アナ)「総裁選で取り上げて欲しいテーマとしては、“物価高対策”が約5割で最多。“解雇規制の緩和で企業の人材移動を促す規制改革”は大いに賛成、ある程度賛成が6割以上だそうです」

(田中氏)「解雇のルールを明瞭にするのは労使双方にメリットがあるのでやった方が良いんですが、小泉さんの話は明らかに企業寄りなんです。“大企業に張り付いている人たちを解雇する規制を無くすことで、スタートアップ企業や中小企業に行くことで成長するだろう”と。そんなこと無いですよね?スタートアップ企業も名前だけはきれいですけど賃金は低いですし、中小企業も大企業と比べたら賃金は低いです。さらに大きい問題は、これって数百人・数千人規模のミクロの問題なんです。その人たちにとっては重要ですけど、だけど日本全体の雇用の話とは全く関係ないんですよ。そこに“解雇規制”とか“ライドシェア”とか“年収の壁”とかを敵対勢力扱いで悪魔化して、それで自分の政治力を高める方法。これ昔お父さんがやっていました」

(寺島アナ)「ありましたね、小泉純一郎氏」

(田中氏)「“郵政民営化なくして、景気回復なし”みたいな誤ったメッセージ。郵政民営化したけど、その後ずっとデフレ停滞ですよ。でも、まだ郵政民営化の方が経済的なボリュームは大きいです。それに比べて今回の話は、その問題に直面している人にとっては重要ですが、経済全体のことを考えると敵対勢力扱いしているのは国民ですよ?今回、小泉進次郎さんは国民を敵対勢力扱いにしているんですよ?間抜けですね」

〈出典〉 

小泉、高市、石破氏が先行 自民総裁選、決選投票の公算 議員2割未定 共同通信情勢調査 | 産経新聞 (https://www.sankei.com//) 

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