「Bar Top Dressing」の「シャインマスカットのカクテル」
BARをこよなく愛するライター西山健太郎が、福岡・博多のオーセンティックバーを訪れ、旬のフルーツカクテルを紹介する連載コラムです。今回は、白金「Bar Top Dressing(バー トップドレッシング)」の「シャインマスカットのカクテル」をご紹介します。
大分・安心院産のシャインマスカットを丸ごと味わう珠玉のカクテル
今回は、薬院駅の裏手にある「Bar Top Dressing(バー トップドレッシング)」を訪問。
店主の中島和彦さんは、学生時代にバーテンダーを志し、卒業後すぐに大分県日田市にあった老舗バー「Bar Hennessy」(現在は閉店)に入店。日本バーテンダー協会連合会副会長を務めた故・梅崎十三男氏のもとで研鑽を積み、1998年12月に独立してこの店をオープンした。
「Top Dressing」とは、ウイスキーにまつわる専門用語で、ブレンデッドウイスキーに深みを与える最上のモルトウイスキーを指す。
なるほど、バックバー(酒棚)には、定番の銘柄から限定品・終売品のボトルまで多彩なウイスキーが並んでいるが、中島マスターいわく「オーダーでいうとカクテルとウイスキーが7:3の割合なので、:どちらかというとカクテルの方が人気ですね」とのこと。
今回おすすめいただいたのは、大分県安心院町の契約農家から毎年取り寄せているというシャインマスカットを使ったカクテル。
ベースにはラムを使用し、グラスに口をつけると、シャインマスカットのエレガントな甘さにライムやグレープフルーツの酸味が重なり合い、見事なアンサンブルを奏でる一杯だ。
「味わいだけでなく香りや皮の食感まで楽しんでいただくため、ブレンダー(ミキサー)にかける時間は短くして、手早く仕上げています」という中島マスターの言葉どおり、上質のシャインマスカットを五感で味わえる、贅沢なカクテルだといえるだろう。
「Bar Top Dressing」は薬院駅から徒歩2~3分ほどの場所にあり、中島マスターの朗らかで気さくな御人柄も相まって、初めてバーを訪れる方にもおすすめの一店。ぜひカウンター越しの会話とともに、カクテルやウイスキーの魅力に触れていただきたい。
Bar Top Dressing(バー トップドレッシング)
福岡市中央区白金1−17−5 エステート・モア薬院駅前
092-522-6319
西山健太郎
福岡市役所に勤務するかたわら、2017年2月に樋口一幸氏(Bar Higuchi 代表)と非営利団体「福博ツナグ文藝社」を設立。福岡・博多の地域文化の魅力について独自の切り口で発信している。