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【特集記事】六歌仙 (山形県東根市)|〜職人の技と自然の恵みが生んだ極上の酒造り〜

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rokkasen

1972(昭和47)年、北村山地区の五つの酒蔵が集まり山形銘醸株式会社を創業、『みちのく六歌仙』が誕生したのが始まりです。

『人々の心にやさしく響き渡る和歌を詠んだ平安の歌人「六歌人」のように、「日本酒」で人々の心にやさしく響き渡る味わいを届けたい』との思いが込められています。

原料米のほとんどに山形県産の酒米を使用しており、その割合はなんと99.9%にも及びます。

日本酒の伝統技法でもある「*三段仕込」にこだわり、徹底した温度管理を行うことで幅広い味わいの日本酒を生み出しています。
(*三段仕込=醪を仕込む際、酒母の全量に水、麹、蒸米を3回に分けて発酵させる仕込み方)

伝統を守るだけでなく、時代にあった技術を取り入れながらチャレンジし続け、商品のラインナップの幅広さから「お酒の百貨店」とも称されています。

毎年3月と10月にはマルシェなどを楽しめるイベント「蔵参観」や「大収穫祭」を開催。

酒蔵探検やきき酒コーナー(有料)、限定酒販売や地元グルメフェアなどなど、幅広い世代で楽しむことができます。

最初は地域交流を目的にした小規模なものでしたが、今では県外から観光客が訪れる程に。

次の開催日にはぜひ足を運んでくださいね。

六歌仙ではお酒ができる工程を楽しめる「蔵見学」ができちゃうんです!

しかも驚くことに、無料です!

こだわりを持っているからこそ、製造工程を知ってもらい、より美味しく飲んでいただきたいという想いが込められています。

今回は人気の「蔵見学」にお邪魔してきました。
※10月から3月は蔵見学を行っておりませんので、ご注意ください。

タイミングが合わず蔵見学ができない方も、公式ホームページでの「オンライン蔵見学」や後ほど紹介する「六歌仙倶楽部」でも製造工程紹介されていますのでぜひご覧ください。

①精米蔵

初めに案内していただいたのがこちらの精米蔵。

とても大きく、近くで見るとかなりの大迫力!

仕入れたお米は選粒と異物除去後、玄米タンクへと移され、枯らし期間を経て用途に応じ精米されます。

70%精米では約1日、60%では36から48時間、50%では約50時間、40%精米では72から90時間と、長時間連続で精米が行われます。

近年、多くの酒蔵が精米工程を外部に委託する中、六歌仙では自社での精米にこだわり続けています。

精米蔵の向かいにある本蔵とは長い配管で繋がっており、水流で米を輸送した後に浸漬タンクで浸漬します。

担当者間でインカムを使用して連絡を取り合い、タイミングや量を調整しているそうです。

②本蔵

精米蔵の見学を終え、本蔵で最初に案内いただいたのが「中央コントロールルーム」です。

テレビ局や交通システムのコントロールルームみたいですね。

こちらでは醪(もろみ)・麹の温度・湿度を自動的に管理しています。

酒造りにおける麹の役割は非常に重要で、全工程の約8割を占めていると言っても過言ではありません。

中央コントロールルームの隣に設置されたKOS式自動製麹装置では、約30℃の密閉空間内で48時間かけて麹が作られていく過程が見られます。

新技術や機械化を積極的に取り入れていくのも、六歌仙の魅力の一つです。

機械にすべてを頼るのではなく、酒造りに携わる職人の感性や手づくりを原点に、限られたリソースを最大限に活かしていくことを推進しているそうです。

次に仕込み室を見せていただきました。

入口から右手にあるのが、酵母菌を育成する場所でもある「酒母室」です。

酒母の温度管理は複雑で、一日に何度も温度を変えて強い酒母を育てます。

この丁寧な作業を経て、酒母は15日程で熟成し、醪(もろみ)へと変化します。

仕込み室の左奥には蒸し場も。

工程は前後しますが、六歌仙では連続式の縦型蒸米機を使用して米を蒸しています。

枯らした浸漬米をコンベアで蒸米機に入れ、「抜け掛け」という手法で蒸米を行い、約50分かけて蒸し上げます。

この蒸米機の利点は、甑(お米を蒸すための桶のような蒸し器)ムラがなく、通常の和釜よりも高圧・高温(約105℃)で「外硬内軟」の理想的な蒸米状態を実現できるんです。

出来上がりをチェックした後、酒母、麹米、醪として用途別に冷却されます。

発酵中の醪も見せていただきました。

六歌仙の酒造りでは、伝統的な「三段仕込み」技法を用い、二層構造のジャケット型密閉タンクで仕込みを行っています。

タンクの容量は酒質に応じて変え、精密な温度管理により高精白の仕込みも可能にしています。

タンクの蓋を開けるとふわりとフルーティーな香りがします。

(最近日本酒が美味しくいただけるようになってきた筆者。
ものすごくお酒が飲みたくなってしまいました…)

醪日数は酒種によって異なりますが、環境を見極めながら調整していきます。

六歌仙の醪は色白で細やかなのが特徴で、常に最高の環境を作り出すためタンクは手洗いをしているんです。

この大きなタンクを手洗い!

こういった裏側を知ってからいただくお酒は美味しいに違いありません!

搾り工程では*ヤブタ式と*袋取りの方法で行っており、この搾りによって初めて清酒が生まれます。
(*ヤブタ式:自動圧搾ろ過機で搾る方法 / *袋取り:醪を酒袋という目の粗い袋に入れて吊るし、そこから滴り落ちる上質な部分だけを採取する方法)

このときに粕もでき、板粕やねり粕用(酒粕を熟成させて作ったもので、柔らかくペースト状のもの)として出荷、熟成されます。

大目に粕を出す製法は、清澄な味わいを生み出し、徹底した洗浄により無濾過生原酒など搾りたての味をそのまま楽しむことができるんです。

六歌仙ではヤブタの高さを人が立てるほどの高さにし、下部まで徹底的に洗浄ができる設計にしています。

これが生まれたてのお酒を出荷できる1つの要因となっています。

その後滓(おり)引き(タンク内で10日程静置し酒中の浮遊物を沈殿させる)、濾過、火入れ(加熱し、酵母の活性を止める。生酒は加熱しない)、瓶詰などの工程を経て皆さんのお手元に届きます。

再掲になりますが、本当に蔵見学の後ではお酒に対する考えや見方が洗練されます!

いつも飲んでいるお酒が一味も二味も違って感じられるので、本当におすすめです。

酒造りの工程を見てきっと美味しいお酒が飲みたくなったはず!

そんな方には、蔵見学の後は敷地内にある六歌仙倶楽部へ足を運んでみてはいかがでしょうか?

広々とした店内は日本酒の試飲の他、六歌仙の商品やグッズも販売されています。

オリジナルグラスや、日常のちょっとしたお料理などに入れて楽しめる酒粕パウダーも。

今回初めて知ったのですが、御朱印帳ならぬ御酒印帳なるものも!

御酒印帳は全国の公認酒蔵を巡り、御酒のラベルを収集して楽しむものとなっています。

お酒好きさんは旅行のお供にいかがでしょうか?

「酒ガチャ」もありました。

ハズレなしなので挑戦の価値ありです。

他にも酒粕せんべいやお猪口なども。

蔵見学の素敵な記念になりそうな素敵なアイテムですね。

店内右手には六歌仙の自慢の商品がずらりと並びます。

休憩スペースもあるので、ゆっくりと過ごしてくださいね。

4.おすすめ商品

六歌仙には通年商品以外にも季節限定商品も多数あり!

年間を通して多種多様な商品を世に送り出しています。

その中でも特におすすめの商品を伺ってきました。

①六歌仙 五段仕込み純米

江戸時代の清酒の文献を基に現代風にアレンジ。

通常の三段仕込みではなく、五回に分けて仕込むことで、米の旨みと酸味のバランスが絶妙に調和された純米酒を生み出しています。

全国燗酒コンテストにて最高金賞受賞・ワイングラスで美味しい日本酒アワード2022最高金賞受賞。

②山法師 純米吟醸出羽燦々コクとソフトな味わいが調和した純米吟醸酒。

出羽燦々米を60%まで精白し、大吟醸に匹敵する品質を誇ります。

透明感のある味わいと上品な香りが特徴で、料理を引き立てる食中酒としても楽しむことができます。

ぜひ季節を変えてお気に入りを探してみてはいかがでしょうか?

最後に、株式会社六歌仙代表取締役の松岡さんにVISIT YAMAGATAをご覧の皆様へメッセージをいただきました。

『山形の自然と歴史を愛し、伝統を大切にしながらも、新しい技術やアイデアを取り入れながら酒造りをおこなっています。

私たちが目指すのは、山形の豊かな自然と文化を、日本酒という形で世界に届けること。

そのために、日々努力を重ねています。

六歌仙を通じて、皆さんにもその魅力を感じていただければ幸いです。』

≪六歌仙倶楽部≫
営業時間:10:00~16:00
休業日:年中無休
(ただし、臨時休業の場合をのぞく)
場所:株式会社六歌仙  敷地内
駐車場:有(大型バス可)
最寄り駅:村山駅から徒歩15分
     東根駅から徒歩25分
****************************************
≪蔵見学≫
期間:4月~9月
※仕込み期間の10月~3月は、蔵見学を行っておりません
料金:無料
所要時間:約20分~30分(+試飲販売)
予約:蔵見学希望日の3日前まで
お問合せ・申込みはこちら▼
六歌仙蔵見学

六歌仙

山形県東根市温泉町3-17-7

0237-42-2777

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