市民活動描いた映画完成 キーマンは元町杉島さん
横浜の多様な市民活動とそのつながりをリアルに描いたドキュメンタリー映画『TheSpiritofYokohama』が完成した。中区元町で生まれ育ち、長年横浜の街を見つめてきた杉島和三郎さん(97)が出演する。初の披露は5月5日(祝)、横浜国際映画祭で行われる。
監督を務める古澤敏文さん(66)=神奈川区在住=は、神奈川大学在学中から映画に携わり、制作やプロデューサーとして映画業界で活躍してきた。市民活動を行ってきた視点から、今回は制作の過程を通して各団体の横のつながりを醸成することを主軸に置き、台本なしに撮影を進めた。
作品のキーマンは、横浜大空襲後の復興を見守り、発展に貢献してきた”生き証人”杉島さん。映画には杉島さんへのインタビューで出てきた団体やそこからの紹介など「わらしべ長者」のように出会った約50団体が登場。船劇場を拠点とする劇団・横浜ボートシアターやサンバチーム・サウーヂ、(一社)横浜市自閉症協会、寿町健康福祉交流センター周辺で活動する人々が活動内容や歴史、思いを述べる。
合間に杉島さんが語る自身の経験や横浜の歴史が深みを持たせ、作品の転換点となる。「市民活動という縦糸それぞれが風になびくのではなく、杉島さんという横糸で布にして、全体で風を受けられるようになればと考えた」と古澤さん。
市民活動が活発な横浜。杉島さんは「多様な意見がある中で、合意形成が大事。その指揮を執る人が出てくれば街も良い方向に変わっていくと思う」と話す。
5月5日に初の一般上映
映画は「横浜国際映画祭」に出品され、5月5日に初の一般公開を行う。かながわ県民共済シネマホール=中区元浜町=で午後4時55分から。上映後は杉島さんと古澤監督が舞台挨拶を行う。一般2000円。チケット購入の詳細は、4月25日までに「チケットぴあ」のウェブサイトで公開予定。
その後、5月24日(土)にお披露目上映会を開港記念会館ホールで、6月14日(土)からシネマ・ジャック&ベティで上映を行う。古澤さんは「上映を1つの材料としてコミュニティの場を作れたら」と話す。(問)同映画制作委員会【メール】supiyoko2024@gmail.com