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英連邦戦死者墓地 異国で眠る戦没者を追悼 多世代が平和へ祈り

タウンニュース

祈りを捧げる参列者

狩場町にある英連邦戦死者墓地で8月3日、第二次世界大戦中に日本軍の捕虜となり亡くなった英連邦兵士を追悼する礼拝が行われ、市民や大使館関係者らが参列した。

「決してあなたのことを忘れません」「平和の休息」「最愛の息子よ」「安らかに」「あなたはいつも私たちの心の中にいます」―。そこに眠る人の名前と没年月日、年齢が刻まれた墓石の銅版には家族からの思いを記したメッセージが刻まれている。

樹木に囲まれ、手入れの行き届いた青々とした芝生が広がる英連邦戦死者墓地は、13ヘクタールの広大な敷地にある。第二次世界大戦時に日本軍の捕虜となり、収容所で命を落とした英連邦諸国(イギリス・カナダ・ニュージーランド・オーストラリア・インド・パキスタンなど)の兵士ら約1800人が静かに眠っている。

英連邦は1917年、戦死者の遺体は本国に送還せず、階級差になく現地で埋葬するということを決定。狩場町の丘の上にあるこの墓地は46年に保土ケ谷錬成場を進駐軍が接収し、英連邦の戦没者の墓を集め造成された。かつては故エリザベス女王や故ダイアナ妃ら要人も訪問している。

追悼礼拝は、日本軍が進めたタイとビルマ(現ミャンマー)をつなぐ「泰緬鉄道」の建設現場で旧日本陸軍通訳を務めた故永瀬隆氏らが呼び掛け、終戦から50年の節目となった95年に開始。8月の第1土曜と日を定めて執り行われる。

今年で30回目を迎えた追悼礼拝には、関係国の大使館付武官らが参列。横浜市のほか、岩手県釜石市の高校生も訪れるなど多世代が祈りを捧げた。中学3年生から追悼礼拝に参列しているという大学生の奥津恵さんは「日本は戦争の被害者でもあるが加害者でもある。残された言葉や思いを深く心に受け止め、理解し、次の世代へ平和と和解を継承していきたい」などと話した。

たちばなLCが献花

保土ケ谷区を拠点に活動する横浜たちばなライオンズクラブは、追悼礼拝で使うテントなどを提供し、今年で20回目の参列となった。納骨堂に献花する役割を担った同クラブの小島衛さんは「戦争で亡くなられた方へのリスペクトを忘れないことが平和につながるはず」と語った。

追悼礼拝に携わるたちばなLCのメンバーら
納骨堂に献花する小島さん(右)

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