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古着好きのなかで密かな話題に! アウトドアカルチャーの保管庫「ORA」へ本邦初潜入!

Dig-it[ディグ・イット]

古着好きのなかで密かに話題となったインスタグラムのアカウントがある。それが、「Outdoor Recreation Archive」。旧いアウトドアブランドのカタログを掲載し続ける彼ら。その正体を探りに、ユタ州へ向かった。

その正体は、ユタ州の歴史を収めた公的機関

古着好きの間で、話題になった謎のインスタグラムのアカウント「アウトドア レクリエーション アーカイブ(以後ORA)」。投稿は、アメリカ、ヨーロッパ、時には日本のブランドのカタログや雑誌の写真が投稿されていた。

今回、この取材が可能となった経緯は、「ビームス」が出版するパーソナルブックシリーズ「アイアムビームス」制作のため、「ビームス プラス」のチーフバイヤーである金子さんの本の取材に我々も同行させてもらえることになったからだ。「ビームス」の名物バイヤーであり、世界的にみても有数のクラシックアウトドアアイテムのコレクターでもある金子さんは「ORA」との親交もあり、特別に今回の取材が可能となった。

兼ねてより気になっていた謎の施設はユタ州のローガンという田舎町にあるユタ州立大学の中にあった。出迎えてくれたのはチェイスさんとクリントさんのふたり。このとき初めて知るのだが、このふたりこそが謎の「ORA」の正体だった。

ユタ州立大学の中には、ユタ州の歴史的資料が収められている「スペシャルコレクションズ&アーカイブス」が存在する。日本でいう公文書館のような場所。そして「ORA」はその一部。コレクターから大量のカタログを譲り受けたことがきっかけで、2017年に始まった機関だ。「ORA」を運営するのは主にふたり。チェイスさんは「アウトドアプロダクトデザイン&デベロップメント(以後OPDD)」というアウトドアのギアやウエアのデザインや開発を学ぶ学科のインダストリー・リレーションズ・マネージャー(外部機関との窓口)であり、「ORA」のインスタグラムの運用担当。クリントさんは「ORA」のアーキビストとして、日々貴重な資料の管理を行なっている。

現在約6500冊のカタログのほか、様々な資料を保管する「ORA」がどうしてここまでの数を集められるのか。それは、ユタ州立大学の中にあるということが大きく関係している。元々、州の貴重な資料を保管するための施設として運営されているため紙の資料を長期間保存することに長けている。その背景からぞんざいに扱われることはないのでコレクターや、ブランドの創業者、その親類などが安心して預けることができる。その輪が広まり、資料が集まってくるという。

コレクターではなく、公的な機関としてアウトドアブランドのカタログを集めている場所というのは世界的にも珍しい。なによりその貴重な資料は、ユタ州立大学へ訪れれば、誰でも見ることができるというのが驚きだ。年月が経つほどに希少となっていく、アウトドアブランドのカタログをはじめとする紙の資料。それらを後世に残す、アウトドアカルチャーの保管庫が「ORA」の正体だった。

アウトドアプロダクトデザイン&デベロップメント/インダストリー・リレーションズ・マネージャー
チェイス・アンダーソンさん

アウトドアレクリエーションアーカイブ/アーキビスト
クリント・パンフリーさん

OUTDOOR EXPEDITION BOOK 99/1760円/発行・発売:世界文化社
確かな知識と、クラシックアウトドアへの情熱で世界的にも注目される「BEAMS PLUS」チーフバイヤー・金子茂氏が、自身のコレクションからアウトドア最前線の取材まで、全99のトピックスを通じてその世界を大公開

普段は入ることのできない、カタログの保管庫へも立ち入らせてもらった。気温や湿度などが管理され、長期間の保管が可能となっている。

「スペシャル コレクションズ&アーカイブス」の入り口。図書館の中を進むと存在し、重厚感のある扉を開けると受付がある。ここで閲覧したいカタログや資料を伝え、職員の人が探し持ってきてもらい観るというまでが流れだ。

アウトドアアイテムのデザインや開発を学ぶ学科「OPDD」。ここに通う生徒たちの資料としても「ORA」は機能している。

カタログはボックスに入れられて保管がされている。ボックス1つひとつに管理ナンバーと、どんなものが入っているかが書かれており、すべてがデジタルで紐づけられ、管理されている。

「OPDD」に通う生徒の授業の様子も見せてもらった。ミシンは日本の「JUKI」。

ORAに保管された超希少アーカイブからほんの一部ですが紹介!

ユタ州に存在した「ORA」には数日では見切れない量のカタログが保管されている。そんな中から、特に希少で、面白いカタログを厳選。ほんの一部しか載っていないが、「ORA」で感じた感動をお裾分けです。

L.L.Bean(エル・エル・ビーン)

「ORA」に収蔵されていた「エル・エル・ビーン」のカタログのなかでも、最高に格好良かった1926年と1928年のカタログをピックアップ。1928年の「ビーンブーツ」のページを見ていく。この当時、モデル名は[メイン・ハンティング・シュー]。ブーツの高さも7段階選べた。カタログ中央左あたりの赤枠の中に「注文受付後から36時間以内に出荷がします」と記載があり、現代で考えるとカスタムオーダーの靴が1週間以内に届くなんて驚きだ

作られたのは今から約100年前。

水色の表紙のカタログは1922年と、創業から10年目のカタログ。「エル・エル・ビーン」のカタログといえば動物や景色のイラストが描かれているが、まだそのカタログに変更される前の希少な一冊だ。中にはブランドを支えた名作「ビーンブーツ」をはじめハンティングジャケットやパンツなど、幅広いアイテムが載っている。

Eddie Bauer(エディー・バウアー)

弊誌でも特集を組んだことのある「エディー・バウアー」のカタログももちろん保管されていた。 1940年代のカタログにはアイテムの他に、ブランド愛好者の声、現代で言うとレビューが掲載されている。インターネットがない時代、人から人への口コミによって売れるものが変わっていた時代。それは現代でも変わらないが、こういったカスタマーの声は本当に貴重だったのだとブランド側が思っていたことが伝わるページだ。

Woolrich(ウールリッチ)

1980年に発行された150周年記念のカタログと小売店向けの販売プログラム。古着市場でもかなりの種類と量のアイテムが見つかるのだが、その理由はカタログを見れば一目瞭然。メンズ向けのフランネルシャツだけで14種類、ウィメンズが12種類と他のブランドに比べてもアイテム数が多い。この1ページだけでもその巨大さが垣間見える。

左/1980年代は名著『オフィシャルプレッピーハンドブック』がアメリカでベストセラーとなり、プレッピースタイルが流行。そんなタイミングで出ていたカタログの表紙はかなりプレッピーなスタイリングをしたモデルカットが採用されている。そのなかでも特にプレッピーを感じた1984年、85年をピックアップ!

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