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「ヒーローになる」ということ 『TO BE HERO X』ナイス/リン・リン役・花江夏樹インタビュー②

Febri

TOPICS2025.05.08 │ 12:00

「ヒーローになる」ということ 『TO BE HERO X』ナイス/リン・リン役・花江夏樹インタビュー②


4月に放送がスタートした『TO BE HERO X』は、bilibiliとアニプレックスがタッグを組んで制作する完全オリジナルアニメ。さまざまなヒーローが登場する本作は、エピソードごとに主人公が切り替わる群像劇として注目を集めている。今作でナイス/リン・リンを演じた花江夏樹のキャストインタビュー後編では、第1話から第4話のエピソードを振り返ってもらった。

取材・文/福西輝明

※本記事には物語の核心に触れる部分がございますので、ご注意ください。

TO BE HERO Xインタビュー_TOPICS声優花江夏樹

リン・リンの覚悟が決まった瞬間

――ナイス編が描かれた第1話から第4話の物語を振り返っていこうと思います。まずは第1話の感想を聞かせてください。
花江 ナイスというヒーローのお話なのかと思っていたら当のナイスは冒頭で自死してしまうという、衝撃的な幕開けで皆さん驚かれたかと思います。そこからリン・リンがナイスになり代わってヒーロー活動をしていくお話が展開しましたが、第1話を通して「企業が大々的にヒーローの広報活動を行うことで、人々から信頼値を集める」という作品世界の構図がわかりやすく描かれていました。リン・リンが働いていた広告会社の社長とのバトルも非常に見ごたえがありましたし、なによりあの戦いでリン・リンがナイスとして生きていく覚悟が決まったところが印象的でしたね。オリジナル作品の第1話として、とてもいいスタートを切ったエピソードだったと思います。

恋愛リアリティショー的なシャオ・ユエチンとの同棲生活

――第2話ではナイスとして生きることになったリン・リンと、彼の恋人という設定のシャオ・ユエチンの同棲生活が描かれました。
花江 それまでずっと憧れの存在だった人気ヒーローのシャオ・ユエチンと同棲することになる。それはリン・リンがかつて妄想していた状況ですが、実際のシャオ・ユエチンは表向きの姿とはかけ離れた強気な女の子だったと。そんなふたりの同棲生活は、まるで恋愛リアリティショーを見ているようなドキドキを感じました。

また、先ほどもお話にあがりましたが(インタビュー前編)、ナイスのライバルとされているキング・デストラクションの存在がとても強烈でした。本当は親友同士なのに、ナイスのほうが売れたせいで人気に格差が生じ、そこからすれ違いが生じてしまって……。世界観自体は現実とかけ離れていますが、作中で描かれているヒーローの実情はとてもリアルだなと。また、既存のヒーロー作品に登場している悪役も、本当は好きで悪役になったわけじゃないのかな、なんていろいろと妄想が広がるお話でした。

「信頼」は「呪い」の裏返しでもある

――第3話はヒーローランキング第10位のスタンドの物語が描かれました。
花江 人から寄せられた信頼がヒーローの力になる一方で、「呪い」にもなってしまう。それを示すように「彼は何があっても立ち上がる」という信頼を寄せられ続けた結果、スタンドは寝転がることもかがむこともできなくなってしまった――。そんなヒーローが抱える苦悩や「信頼」の裏側がこの第3話に凝縮されていましたね。スタンドがトイレでかがんで用を足せないくだりはコミカルに描かれていましたが、実際に彼の立場になったら地獄だと思います(笑)。

そして、彼の前にあらわれた宿敵・マッドウルフの正体が、じつはスタンドがかつて助けた少女だったという展開もよかったですね。これまでマッドウルフが行っていたスタンドのイメージをおとしめるネガティブ活動は、彼をヒーローとしての呪縛から解放するためだったというくだりは泣けました。

力なき一般人がヒーローとして覚醒する王道展開

――第4話ではナイスの正体がリン・リンであるという真実が、彼に恨みを持つゴッドアイによって暴露されるという物語が描かれました。
花江 憧れ続けたナイスではない、リン・リンがリン・リンとしてヒーローになるという覚悟と成長が伝わる回でした。たとえ特殊な力はなくても、大切な人のためボロボロになりながらも敵に向かっていくリン・リンは輝いていました。そして、その戦いを否定的に見ていた人々も最終的には彼を応援するようになり、やがて集まった信頼によってリン・リンがヒーローとして覚醒する。その展開はまさしく王道。こうした様式美的な流れはいつ見てもいいものですね。あらためて映像を見て、思わず熱くなりました。

中国アニメならではのアフレコ風景

――収録中になにか印象に残ったことはありますか?
花江 本作は中国のスタジオが作っているので、ちょっとした部分が日本と違っていて面白いなと感じました。たとえば、収録時に「このタイミングでセリフをしゃべってください」というガイドなのか、アフレコ用の映像の下部に実写の男性や女性の映像が出てくるんです。「英会話番組のような感じ」といえば伝わるでしょうか。日本のアニメでは見たことがないのですが、その絵面が妙にシュールで頭から離れません(笑)。

――第5以降の見どころを教えてください。
花江 第4話が衝撃的なラストを迎えましたが、最後に姿を現した謎のヒーロー・魂電(コンデン)が第5話からの主人公になります。今はまだ謎に満ちている魂電ですが、彼がヒーローとなっていった軌跡が描かれます。また、今後はナイスの過去のエピソードや他のヒーローにスポットが当たるエピソードが次々に登場するので、毎回思わず引き付けられてしまう展開にご注目ください。

花江夏樹はなえなつき 6月26日生まれ。神奈川県出身。アクロスエンタテインメント所属。主な出演作は『鬼滅の刃』(竈門炭治郎)、『ダンダダン』(オカルン)、『SAKAMOTO DAYS』(南雲与市)など。作品情報

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