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3歳息子、順番へのこだわりで癇癪爆発!?児童発達支援との「こだわり崩し」大作戦の結果は?

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3歳息子、順番へのこだわりで癇癪爆発!?児童発達支援との「こだわり崩し」大作戦の結果は?

監修:藤井明子

小児科専門医 /小児神経専門医/てんかん専門医/どんぐり発達クリニック院長

幼稚園入園後の不安定な時期を乗り越え、次の課題は「こだわり」

1歳半で初めての言葉が出た次男かー。その後言葉がなかなか増えず、児童発達支援を利用することにしましたが、人との関わりを増やしてあげたいと思い、幼稚園の満3歳児クラスに入園しました。幼稚園入園後、環境の変化から荒れることが増えたかーでしたが、じっくりと母子二人きりの時間を過ごすことで、落ち着きを取り戻してきたように見えました。しかしそんなある日、児童発達支援での面談で、先生からあることを告げられます。「かーくん、こだわりが結構あるようです」と。

話を聞いてみると、それはスケジュールへのこだわりでした。かーが通っていた児童発達支援では、その日何をするのかが分かりやすいように、支援内容が書かれた小さなカードが、スケジュールの流れに沿って貼られていました。児童発達支援にすっかり慣れてきたかーは、そのスケジュール表で一日の大まかな予定を把握していたようで、いつもと違う流れになっていると泣いたり、怒ったりするようになったのです。

家でも見られていた順番へのこだわり。どう対応する?

そういえば……と、私も家での出来事で思い当たることがありました。それはお風呂に入る順番です。いつもは長男、三男、次男の順で入っていることが多いのですが、ある日長男のりーが体調不良でお風呂に入れないことがありました。すると……

かーは「NOーーーーー」と大激怒(かーは、いつの間にか「違う」という意味で、なぜか英語のNOを言えるようになっていました)。なんとかなだめお風呂に入ってもらいましたが、かーのお風呂の順番へのこだわりは、日増しに激しくなっていったのです。

私は児童発達支援の先生に、かーの家での様子についても話し、スケジュールへのこだわりが強まることで、今後かー本人が苦しくなるのが心配だということを伝えました。先生方も同じように考えてくれていて、こだわりを崩していくように取り組んでいくことになりました。

家庭と児童発達支援で連携!こだわり崩し大作戦

家で起きているお風呂の順番へのこだわりについては、すぐに対応していきました。夫とも協力して、毎日きょうだいをランダムで入れるようにしてみたのです。

かーは最初こそ怒っていましたが、お風呂に入ってしまえばケロッとしていたので、入れるまでの辛抱……と自分に言い聞かせながら(長男、三男には我慢をしてもらい)続けていきました。すると、お風呂の順番に対してのこだわりはなくなってきました。

児童発達支援でも、スケジュールは直前に違うものに差し替えたり、本人が複数の選択肢から選べるようにしてもらったりと、こだわりに繋がりにくい工夫をしていただいています。

スケジュールに関してはまだまだこだわりがあり、調子が悪い日には切り替えに30分ほど時間がかかることもあります。そのため、あえてスケジュールを固定しない試みは、今後も継続していこうと思っています。

最近家でもスケジュール表を使うようになったので、児童発達支援と同じような対応を試しているところです。かーのこだわりが少しでも減っていくように寄り添っていきたいと思います。

自分の思いの伝え方と共に、「ま、いっか」で切り替えられる練習を

もう一つのこだわりへの工夫として、かーとは「ま、いっか」で気持ちが切り替えられるように取り組んでいます。

最近、自分の思うとおりにいかないと「チョットチガウ」と言うようになりました。対応できることならその後どうしたいのか、何をしてほしいのか言い方の練習をしながら、かーの思いを受け入れられるのですが、どうしても私たちも時間がないときや、譲れない場合もあるので、そんなときはかーは泣いたり怒ったりと気持ちの変化が大きいです。そういうときには一緒に「ま、いっか」と言って、少しでも早く気持ちが切り替えられるようにハグをしたり、手を握って落ち着かせていきます。

気持ちが切り替えられたときにはすぐにほめて次につながるように。なかなか切り替えられないときには少し離れて様子を見ています。

毎回毎回うまくいく、ということはありません。ですが何か月か経った後、ゆっくりでも少しずつでも前に進んでいるのかなという実感があります。私たちの対応でかーの将来の困りごとが減っていってくれればいいなあと思いながら過ごしています。

執筆/かしりりあ

(監修:藤井先生より)
かしりりあさんが次男かーさんに寄り添いつつも、少しずつこだわりを緩める工夫をされてきたエピソード、試行錯誤されながら、少しずつ進んでいる実感があるという話に励まされる方も多くいると思います。「ま、いっか」と言う言葉はとても大切ですよね。私の外来でも、少しずつこだわりを緩める言葉として「ま、いっか」と言う切り替えスイッチを入れる練習をお伝えしています。すぐには緩まなくても、少しずつ前に進んでいけますよね。また、自分の思い通りにならないときに、「チョットチガウ」と言うかーさんの言葉も良い表現だと思いました。泣いたりもあるかもしれないし、怒りも伴っているかもしれないけれど、言葉で「チョットチガウ」って言えたら、「そうか、自分の思いとは違うんだね」って、「ま、いっか」と切り替えるための言葉掛けができますね。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

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