結核の集団感染が発生 発病者6人、感染者7人
昨年4月に市内在住の男性が結核と診断され、川崎市が接触者検診などを実施した結果、この男性とは別に結核の発病者6人、感染者7人の集団感染が確認された。これを受けて市は1月23日、厚生労働省に「集団感染事例」として報告した。
市によると、市内在住の20代の男性(学生)が、2021年4月ごろから咳症状が続いていたため翌年8月に市内の医療機関を受診したところ、咳ぜんそくの疑いと診断された。しかし咳がおさまらず、11月に同じ医療機関を受診。気管支ぜんそくの診断を受け、薬を処方されたが、咳や鼻水、のどの痛みなどが続いたため、24年1月に再受診。4月に再び受診のうえ胸部エックス線検査や喀痰(かくたん)検査を実施した結果、最終的に「肺結核」と診断されたという。
これを受けて保健所が感染経路の特定や接触者の検診などを進めたところ、発病者6人と感染者7人が特定された。すでに全員が適切な治療を受けており、感染拡大の恐れはないという。
市によると、日本では年間約1万人が結核を発症しており、市内でも毎年130〜150人ほど報告されている。市の担当者は「2週間以上続く咳や痰など、気になる症状があるときは、早めに医療機関を受診してほしい」と呼びかけている。