【注文する勇気】新宿の立ち蕎麦店で「松茸そば(時価)」を頼んでみた
先日、社内で「今年は松茸の話を聞かないな」という話題で盛り上がった。たしかに松茸といえば “秋の味覚の代表格” だが、今年は存在感が薄い……もしかしたら熊のニュースでかき消されているのかも。
そんな会話をした直後、会社帰りに新宿駅南口のそば処「信州屋」の前を通りかかったところ……「松茸そば(時価)」なる看板を発見。まさにさっきまで話していた松茸である。味はもちろん価格も気になったので思い切って入ってみた!
・勇気を出して
入店直後にレジを確認したところ、支払いは「現金オンリー」らしい。となると、財布の中身次第では頼めない可能性も十分にあり得る。とはいえ、もう戻れない。たぶん5000円くらいは入っているだろう。ドキドキしながら店員さんに価格を確認してみると……
「980円です」
……おし、どうにか払える! 聞けば「週ごとに仕入れを行っていて、来週はまた価格が異なるかもしれません」とのこと。ともあれ、こんな時価システムを採用できる蕎麦は「松茸そば」くらいだろう。ってことで、注文してみた。
・松茸そば登場
ほどなくして運ばれてきた松茸そば。温かいそばつゆの中に、スライスされた松茸が数枚のっている。シンプルな見た目だが、これが噂の「時価そば」か……。
松茸入りの蕎麦なんて生まれて初めてだ。ぶっちゃけ香りはよく分からない……鼻が悪いのかもしれない。すみません。
しかし、これぞ秋の風物詩。秋の絶対的王者・松茸様が浮かぶ蕎麦である。恐る恐るひと口すすってみると……なるほど。松茸はほどよくしんなりしていて、噛むたびにザ・秋の味覚が広がる。
正直、激ウマという衝撃はないものの、松茸の独特な香りと食感が、いつもの立ち蕎麦をワンランク上の体験に引き上げているのは確か。麺はしっかり目で、つゆとの相性も良い。普段使いの立ち蕎麦店で気軽に季節感を味わえているという点ではナイスだろう。
「時価」というシステムがやや敷居を高くしているものの、言うまでもなく「時価」というシステムこそがエンタメになっている。
1000円前後で季節の味覚が楽しめるから、軽い冒険気分で一杯頼んでみると面白いかも。何より身近な立ち蕎麦店で松茸が食べられるという非日常感が良いですよね。
・今しか食べられない
とにかく、1度体験してみる価値はある。松茸の旬は短い。おそらくあと数週間もすれば看板から消えてしまうだろう。今年は松茸の話を聞かないな……と寂しさを感じている方は、ぜひ足を運んでみてほしい。
来週は値上がりしているかもしれないし、値下がりしているかもしれない。そんなギャンブル的要素も含めて秋限定のお楽しみである。それではまた!
参考リンク:信州屋
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.