【攻撃力高そ】「今までに食べたことがない食味」だという珍野菜『マシシ』の味はどれくらい珍妙なのか?
茨城県へ行く用事があったので、私は到着するやいなや(as soon as)農産物直売所へ向かった。それほど田舎という感じのしない茨城だが、実は茨城県産の農産物ってメッチャ全国に流通している。東京で売られている野菜の半分くらいは茨城産なんじゃないの? と錯覚するほどである(あくまでも感覚です)。
そんな茨城県つくば市の農産物直売所(サンフレッシュつくば店)で、なんか見たことのない野菜を見つけた。生産者サイドにも自覚があるようで、店内ポップには堂々「これは珍しい!」と記載されている。
そうか、これは珍しいのか…………ならば買うしかないだろう。問題の珍し農産物は、名を『マシシ』というらしい。なんて珍しい名前なんだ……!
・ブラジルから来た!
マシシの原産地はブラジルで、現地では主にミネストローネに使用されるとのこと。ミネストローネの発祥はイタリアであるが、ブラジルでも食べられているうえに、そのようなアレンジが加えられているのですね。ちっとも知りませんでした。
また店内ポップには「今までに食べたことがない食味」と、これまた堂々明記されている。そこまで断言するのは並大抵の覚悟ではない。すでにハードルは10メートルくらいまで上昇しているが大丈夫だろうか? 本当に食べたことがない味なんだろうな?
こちらが購入したマシシ(茨城県土浦市産)。
ゴーヤのようなドリアンのような、トゲトゲを有する緑色の楕円形。小さめ卵くらいのサイズが8個入り150円と激安である。マシシが安いのか、それともサンフレッシュつくば店が良心的なのだろうか?
・ちょいキモかもしんない
マシシはミネストローネのほか天ぷら、サラダ、漬物、野菜炒めにしてもイイらしい。今回はマシシをダイレクトに感じられそうな野菜炒めを作っていくことにする。
一応パッケージに調理法が記載されているのだが、下ごしらえは「トゲを落として切る」と超ざっくり。「皮をむく」ではなく「トゲを落とす」……それは「皮を残してトゲだけ落とす」という意味で合ってますかね? 違ったらすみません。
はい、それではお待ちかね! ほとんどの日本人は見たことがないであろう珍し野菜・マシシの断面図が……こちらになります!
キモいキュウリ。
集合体恐怖症の人にはちょっとキモいかもしれないマシシであったが、半月切りにすると「普通のキュウリ」になった。なおトゲを落とした段階では竹のように強烈な青臭さを放っていたのが、スライスするにつれどんどんキュウリの匂いになっていった。
見た目がキュウリで匂いもキュウリ……それってもはや、キュウリなのでは……!? 本当に「今までに食べたことがない食味」なのだろうか。多量の不安がよぎる。
また個体によって熟し方に差がある模様だ。そういうとこもキュウリっぽい。
・「今までに食べたことがない味」なのか
マシシの加熱時間に関しては見当もつかない。まぁサラダで食べられるということは、適当でいいということだろう。
ミックス野菜と一緒に強火でサッと炒めたら……
世にも珍奇な『マシシ入り野菜炒め』の完成! 見た目はとってもイイ感じである!
で、肝心の味はというと…………
「ギリ今までに食べたことがない味」だった(よかったぁ)!!!!
見た目と香りとみずみずしさはキュウリのソレなのだが、食感が明らかに異なる。ちょっと例えが難しいけど、私の知る限りでは “軽〜く焼いたナス” が一番近いかもしれない。またズッキーニやメロンといった、キュウリ以外の瓜の要素も混ざっている。
そして若干自信がないのだが、ほのかに酸味もあるような……? キュウリ+ナス+漠然とした瓜+酸味少々。これが何とも例えようのない、マシシの味なのであった。ちなみにおいしいです。この値段で家の近所で買えるなら、普通に常食すると思う。
ビックリするほど変わった味ではないけれど、「今までに食べたことがない味」であることは確かなブラジル生まれの珍野菜マシシ。もし見つけたら即座にゲットしてみてほしい!
どうしても食べたい人は茨城へ行けばチャンスがアップするかも!
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.