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【基本給・ボーナス・昇給】転職時の給与アップのポイントは? 年収アップ成功者のチェック項目

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「今よりもっと収入を上げたい」──それは転職活動をする多くの人が抱く、リアルな動機です。直近2年以内の転職者への調査で「転職理由に給与が含まれていた」と回答した人のうち、退職前の直近1年間での昇給がなかった人は半数以上に上りました。物価が上がり、将来への不安も高まるなか、年収アップは人生設計を左右する大きな要素であるといえるでしょう。

ただ、「今よりも少しでも多ければOK」と安易に考えて、表面的な情報のみで転職を決定してしまうと、思っていたほど収入が伸びないどころか、後悔する結果になることもあります。

年収アップを狙う転職では、求人票に記された給与の数字だけで判断するのは危険です。というのも「年収」の中身には、見落としがちな落とし穴や、知っているだけで交渉を有利に進められるヒントが詰まっているからです。

マイナビ転職の『転職経験者の給与に関する調査』によると、転職後に給与面で想定とギャップがあったと感じている人は半数以上。「認識よりも低かった」とネガティブなギャップを感じている人は4人に1人という結果が出ています。

それでは、年収アップに成功した人たちはどんな視点で求人情報を読み解き、どんな点を見逃さなかったのでしょうか。

今回の記事では、求職者が求人票を見る際に意識したい3つのポイントを、プロのキャリア支援家の視点も交えながら、林碧さんに解説いただきます。


キャリア・コンサルタント

林 碧(はやし みどり)
株式会社キャリアイズ 代表取締役社長、国家資格キャリアコンサルタント・キャリアコンサルティング技能士2級、両立支援コーディネーター。 企業人事経験および個別相談対応経験を活かし就職・転職の相談からライフキャリアビジョン構築、育児・傷病など個別事情との両立まで、幅広い相談に対応。通算4000件以上の個別面談実績、年100件以上の研修登壇実績を保有。特に若年層のキャリア形成支援を得意とし、大学での登壇実績が豊富である他、企業向けの育成者研修や若手定着支援、人材コンサルティングも実施。日経Xwomanアンバサダー。小学生・保育園児の2児の母。


•「基本給」と「手当・残業代」の内訳を見極めよう
•「賞与」の支給実績と評価制度をチェックしよう
•「昇給制度」と「キャリアの見通し」を確認しよう
•年収アップは“今”と“未来”のバランスで考える

「基本給」と「手当・残業代」の内訳を見極めよう

求人票の給与欄には「月給30万円以上」や「年収例:450万円(入社2年目)」など、一見魅力的な数字が並んでいます。しかし、ここで見逃してはいけないのが、その金額が何で構成されているかという「内訳」です。

例えば「月給30万円(固定残業代45時間分含む)」とあった場合、残業代として5〜10万円がすでに組み込まれている可能性があります。このケースでは、実質の基本給は20万円台前半にとどまることもあるので、注意が必要です。

このように、表面上の月給が高く見えても、実は長時間労働が前提になっていたり、基本給が低いために将来の昇給や賞与の額にも限界があったりというケースは、決して少なくありません。
給与構造の内訳が不明な場合は、「基本給はいくらか」「固定残業代は何時間分含まれているか」「手当の種類と支給条件はどうなっているか」といった点を、面接や選考過程で具体的に確認するようにしましょう。

「賞与」の支給実績と評価制度をチェックしよう

賞与(ボーナス)は年収に大きく影響します。求人票に「年2回支給」「昨年度実績4ヶ月分」と書かれていれば安心…と思いがちですが、ここにも落とし穴があります。

注意したいのは、その支給額が「誰に対して、どれだけ、どんな基準で」支払われているのかです。

例えば「昨年度実績:4ヶ月分」とあっても、それが全社員平均なのか、上位評価者のみなのかで実態は大きく異なります。また、「業績連動型賞与」と書かれている場合、その算定基準によっては、売上次第で賞与がゼロになるケースもあり得ます。

また、賞与の評価制度が不透明な企業の場合、「何をがんばっても額が変わらない」と感じるかもしれず、結果的にモチベーションの低下や早期離職につながるリスクもあるでしょう。

できれば面接時に、「どんな評価で賞与額が決まるのか」「賞与支給の個人差はどれくらいあるのか」といった点を確認し、見込まれる収入の再現性や透明性を見極めておくと良いでしょう。

「昇給制度」と「キャリアの見通し」を確認しよう

年収アップは、一度の転職だけでなく、その後の昇進・昇給を含めた“継続的な伸びしろ”があるかどうかがカギになります。求人票には「昇給あり」「年1回昇給」と書かれていることが多いですが、その実態や金額は企業ごとに大きく異なります。

例えば、「昇給あり」とあっても実際は毎年数百円〜数千円しか上がらない場合もあれば、評価次第で数万円アップする企業もあります。

また、昇進のポストが限られていたり、上のポジションが詰まっていたりすると、実力があっても役職が上がらず、結果として給与が伸びにくい構造になっていることもあるでしょう。

求人票に記載されていなくても、「昇給・昇進の実績例」「マネージャー職への平均昇進年数」などを面接で聞いてみると、会社の成長性やあなた自身の将来像が具体的に描けるようになります。

他の項目にも通じることですが、面接を通して企業の実情をリアルに捉えることは、入社後のギャップを小さくするためにも重要です。

年収アップは“今”と“未来”のバランスで考える

「年収を上げたい」という思いは、働くうえで当然のモチベーションです。でも本当に大切なのは、その金額が持続可能であるか、そしてその環境において自分らしいキャリアを育てられるのかという視点です。

年収アップを実現する人たちは、求人票の“見える数字”だけでなく、“見えにくい構造”にも目を向けています。短期的な提示額に飛びつくのではなく、その内訳・評価・将来性をしっかり見抜く目を持つことで、真の「豊かさ」に近づいていくことができるのです。

転職はゴールではなく、キャリアの通過点。だからこそ、今の収入だけでなく「5年後、10年後の自分」にとって誇れる選択かを問いながら、一歩を踏み出せると良いですよね。

皆さんの転職活動の先に前向きなキャリアが広がっていますように。

文:マイナビ転職編集部

【出典】
マイナビ転職『転職経験者の給与に関する調査(2024)』( https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/careertrend/20/ )

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