エンジニアtype編集者が自薦! 2023年の「イチオシ記事」6選
エンジニアtypeが2024年に公開した記事の中から、編集者たちが特に印象に残っているイチオシ記事をピックアップ! 記事に込めたメッセージや取材の裏話なども含めて紹介しよう。
目次
【1】ユーザーに刺さるものは「申し訳ない気持ち」から生まれる。エンジニア・おぎモトキが家族のためのものづくりで得た学び【2】及川卓也「仮説はことごとく外れた」それでもブレずに開発できる理由は?【3】今明かされる、史上最高傑作を生んだ技術チームの提案とは? 「触って楽しくなければ『龍が如く』じゃない」理由【4】平日はSE、休日は麻雀のプロ。一瀬由梨が「どっちも全力」を貫く理由【5】川邊健太郎×田中邦裕/管理職の言動が組織を腐らせる?「不機嫌な上司」の弊害と回避術【6】時間が足りない! が口癖の若手エンジニアが勘違いしている仕事の本質/ソニックガーデンに学ぶ成長メソッド今後のエンジニアtypeもこうご期待
【1】ユーザーに刺さるものは「申し訳ない気持ち」から生まれる。エンジニア・おぎモトキが家族のためのものづくりで得た学び
ユーザーに刺さるものは「申し訳ない気持ち」から生まれる。エンジニア・おぎモトキが家族のためのものづくりで得た学びhttps://type.jp/et/feature/25008/
エンジニアtypeの編集長・玉城のイチオシ記事一つ目は、パナソニックでロボット開発エンジニアとして働く傍ら、重度障害を持つ息子に向けたリハビリ機器や改造おもちゃを開発しているおぎモトキさんへのインタビュー。
手に取るように気持ちが分かると言っても差し支えないほど身近にいる相手に向けた開発でも、「ああ、全然分かっていなかった」とユーザー視点の欠如を痛感することは日常茶飯事だというおぎさん。彼がライフワークとして手掛ける「家族のためのものづくり」の試行錯誤から、エンジニアがユーザー視点を得るためのヒントを探った。
編集長・玉城:親であり、発明家であり、エンジニアであるおぎモトキさん。 家族という一番身近な人に向けた開発物だからこそ、「ユーザー視点に立った開発」は容易なのでは? と思ったら大間違いで、時間をかけて開発したおもちゃも、思うように使ってもらえないこともザラだとか……。試行錯誤のエピソードから、いかにユーザー視点に立つことが難しいのかを痛感させられました。
取材当日はご自宅へお邪魔させていただき、お子さんたちに囲まれながらインタビューしたこともいい思い出になりました!美味しいケーキもちゃっかりいただき、ごちそうさまでした!
【2】及川卓也「仮説はことごとく外れた」それでもブレずに開発できる理由は?
及川卓也「仮説はことごとく外れた」それでもブレずに開発できる理由は?【後編】https://type.jp/et/feature/25576/
続いて玉城が推すのは、マイクロソフト、グーグルでプロダクトマネジャーやエンジニアリングマネジャーを歴任してきた及川卓也さんへインタビューした際の一本。
プログラミング初学者向けの学習サービス『Jasmine Tea』をリリースして1年のこの時、「思っていたよりうまくいっていない」と明かした及川さん。事前に立てた仮説のことごとくが外れたこと、それでもブレずに開発を続けられている理由に加え、生成AI時代のエンジニアに必要なことを聞いた。
編集長・玉城:あの及川卓也さんでも仮説が外れることはあるし、未だに新しい事に挑戦するし、考えを改める場面にも出くわす。初・及川さん取材だったのでだいぶ緊張しましたが、濃密すぎる取材でした。
「日本の開発現場やエンジニアたちに危機感を抱いている」とし、実装力こそがものづくりの本質とお話しいただいた前編記事にも及川スピリッツあふれる言葉がちりばめられているので、ぜひご一読ください。
【3】今明かされる、史上最高傑作を生んだ技術チームの提案とは? 「触って楽しくなければ『龍が如く』じゃない」理由
今明かされる、史上最高傑作を生んだ技術チームの提案とは? 「触って楽しくなければ『龍が如く』じゃない」理由https://type.jp/et/feature/25374/
ちょうど1年前にエンジニアtypeにジョインした今中が選んだのは、人気のゲーム『龍が如く』シリーズのバトルシステム開発に携わり、現在「龍が如くスタジオ」の技術責任者を務める伊東 豊さんへのインタビューだ。
「プログラマーはゲームを面白くするために影響を与えられる存在」と力強く語る伊東さんに、今最も熱いゲームを生み出している「龍が如くスタジオ」のプログラムチームの軌跡と最新作での挑戦について、詳しく聞いた。
編集部・今中:『龍が如く』シリーズは、自分もプレイしたことのある作品。同作品はバトルシステムが特徴的なのですが、その開発に大きく携わっているプログラマーチームの挑戦を知れたことで、より一層作品のファンになりました。
取材で特に印象的だったのが、プログラムチームの技術責任者を務める伊東さんの「ユーザーの期待が100%だとしたら、我々は500%を目指す」という言葉です。『流が如く』が長年愛される人気タイトルであり続けているのは、こうした開発者たちの情熱があってこそのものだと感じました。
【4】平日はSE、休日は麻雀のプロ。一瀬由梨が「どっちも全力」を貫く理由
平日はSE、休日は麻雀のプロ。一瀬由梨が「どっちも全力」を貫く理由https://type.jp/et/feature/26445/
麻雀好きな今中が続いてピックアップしたのは、大手メーカーのSEであり、日本プロ麻雀連盟所属のプロ雀士でもある一瀬由梨さんのインタビュー。
「二兎を追うものは一兎をも得ず」「虻蜂とらず」という言葉があるように、複数のことを両立しよう、どちらでも成果を出そうと意気込んで失敗する……というのはいつの時代もあるあるだが、一瀬さんの場合は二つの仕事を見事に両立させている。しかも、SEとしてフルタイムで週5日働きながら、雀士としては国内最大の大会『麻雀最強戦』で好成績を残しているというから驚く。
彼女はいかにして「二つの本業」を両立させているのか、直接聞いてみた。
編集部・今中:プロ雀士兼現役SEという、異色の二足のわらじを履く一瀬由梨さん。雀士としての活躍は元々知っていたのですが、まさかSEとしても活躍していると知ったときは驚きました。
彼女のスタイルは「複業」。雀士、SEの仕事、どちらも本業として全力を注ぐことをモットーにしています。「このままどちらも中途半端な状態で続けていいのだろうか」と悩んだ時もあったそうですが、「好き」を貫くことをあきらめずに活躍する姿に、とても刺激をもらいました。
【5】川邊健太郎×田中邦裕/管理職の言動が組織を腐らせる?「不機嫌な上司」の弊害と回避術
【川邊健太郎×田中邦裕】管理職の言動が組織を腐らせる?「不機嫌な上司」の弊害と回避術https://type.jp/et/feature/26332/
編集部の秋元が最初に選んだのは、LINEヤフー代表取締役会長の川邊 健太郎さんとさくらインターネット代表取締役社長の田中邦裕さんの豪華対談記事。
ソフト老害、フキハラ(不機嫌ハラスメント)、上司ガチャ……など、SNSやマスメディアで取り上げられることが多くなった近年。川邊さん・田中さんの両名が相次いでマネジメントに関する考えをXに投稿したことをきっかけに実現した対談だ。
共通して「部下が安心して伸び伸びと働ける環境を作るのが上司の役目である」と語る二人の話から、「不機嫌な上司」がもたらす弊害の正体と、自分がチームのパフォーマンスを下げる管理職にならないためのノウハウを探った。
編集部・秋元:業界を代表する二社の代表であるお二人に取材させていただき、私自身とても学びの多い記事となりました! 特に印象に残っているのは川邊さんの「意味もなく厳しい態度をとることが、部下を一人前にする良い方法だと本気で信じている人もいる」という一言。チームを持つ身として、マネジメントに誤った認識を持ち込まないようにせねば……と身が引き締まる思いでした。
百戦錬磨に思えるお二人でも、マネジメントに悩んだことはある。そして、組織運営にはリーダーシップよりフォロワーシップが大事。その事実と言葉を胸に、チームと向き合っていきたいと思うきっかけをいただきました。
【6】時間が足りない! が口癖の若手エンジニアが勘違いしている仕事の本質/ソニックガーデンに学ぶ成長メソッド
時間が足りない! が口癖の若手エンジニアが勘違いしている仕事の本質【ソニックガーデンに学ぶ成長メソッド】https://type.jp/et/feature/26086/
最後に秋元から紹介するのは、ものづくりに携わる人であれば誰もが頭を悩ませたことがあるであろう「クオリティー」と「時間」の関係性に言及したこちらの記事。取材に応じてくれたのはソニックガーデンの代表・倉貫義人さんと執行役員・野上誠司さんだ。
長年エンジニア組織づくりに尽力してきた二人に、仕事とクオリティーの関係性や若手が「量より質」を考え始めてもいい時期について、詳しい事例をもとに教えてもらった。
編集部・秋元:長く制作・編集という仕事に関わってきましたが、いまだに「時間が足りない」というもどかしさを感じることがあります。そんな純粋な課題感から生まれた記事です。
「リソースが潤沢に無いのは確かだとは思うものの、無ければ無いなりにやるのが仕事というもの」という言葉を胸に刻みつつも、質重視に転換していいタイミングがあるというのは新たな気付きであり希望の光でした。まだまだ仕事の質を上げるためにできることはあると、喝を入れていただいたような気持ちです。
今後のエンジニアtypeもこうご期待
エンジニアtypeでは引き続き、エンジニアの方々にとっての仕事やキャリアのヒントとなるような情報をお届けしていく。編集部一同、記事制作に鋭意取り組んでいくので、これからも愛読いただけたら幸いだ。