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【起業家育成、観光政策】花角県知事、にい経に一問一答・新県政記者クラブ会見にて

にいがた経済新聞

6月13日、新県政記者クラブによる知事定例会見が開かれ、花角英世新潟県知事が報道陣からの質問に答えた。

にいがた経済新聞では、二つの事柄について質問した。

― 今年5月の発表で新潟県の人口10万人あたりの起業家数が約56人となり、全国平均を上回り、北信越でも富山に次いで2番目となった。また2024年は新設法人数も対前年比で増加し、過去10年で最高だった。県の取り組みの成果が出始めているが、功を奏した点はどこにあるのか。また今後の目標や力を注ぎたい施策があれば聞かせてほしい

【知事】起業・創業、また他の分野でも次々に挑戦していく姿は、それがすなわち地域経済の活力なので、県でも後押しをしてきた。民間のスタートアップ拠点が県内にも8カ所でき、それらがネットワークでつながっている。県の外郭団体であるNICO(にいがた産業創造機構)も継続的にアントレプレナーシップを支援する活動を行っている。また金融機関や一部の大学も起業・創業に関心を示している。幅広い関係者が連携し、伴走型で一体的に取り組んだ成果が少しずつ出てきたと思う。今後も継続して前に進めたい。

一方で「3年間は死の谷」と言われるように、起業してすぐに立ち行かなくなる事業者も多い。今後は、新しい事業が生まれてから成長するまで支援の手を広げていく必要がある。

― 2024年7月に佐渡島の金山が世界文化遺産に登録され、同年の8月と9月でそれぞれ8.4%、21.5%という観光入込客数の増、2025年のGW入込客数も約16%増となった。これに対し「世界遺産効果があった」という声と「日本全体のインバウンド増からみれば物足りない」という声の両方がある。佐渡出身でもあり国土交通省時代に観光政策にも携わった知事は、どう評価しているのか

【知事】爆発的な増加ではないが、着実に増加はしている。世界遺産登録の直後は、物珍しさからブームのように観光客が訪れ、その後沈静化するといった現象が顕著だが、熾火のようにじわじわと人を惹きつけていく形の方が、望ましいと考えている。ここまではまさにその通りで、じわじわと佐渡の魅力が伝わっているのだろう。離島アクセスの面で一つハードルがあるため少し時間がかかるところは否めないが「それでも佐渡を観たい」という人が増えている実感はある。旅行の形態も時代で変化し、かつてのような団体旅行から個人単位の旅行が主流になる中で、固有のテーマ性を持った旅が求められるようになった。佐渡はまさにそういう魅力に溢れ、金山を入口に、自然景観や能のような文化的コンテンツも有する佐渡の魅力が、じわじわと伝わってほしいと思う。

またこの他にも、各社から時節に即した質問が飛んだ。主なものを下に記す。

<柏崎日報社> 東京電力柏崎刈羽原発について、再稼働議論の材料が出揃う中、知事としてはどのようなポイントで県民の考えを見極めていきたいのか。、また再稼働是非の判断について、いつ頃を目途に示したいと思っているか。県民に「信を問う」手法についてはどのように考えているか

【知事】今後は県民の多様な意見を確認していく作業だ。県民一人一人がこの問題についてどのような点に不安を感じているのかを拾い上げたい。多くの県民が、賛成・反対の二元論ではなく「条件付き」で考えているのではないかと想像している。何が条件になるのかをしっかりと探っていきたい。(結論を出す)時期については、今のところ見通しは立っていない。

公聴会が、そうした多様な意見を吸い上げる場になるので、(判断を示すのは)当然それを経てからの話になる。首長懇談会も夏から秋にかけて進めていく。県民の意識調査も着々と準備を進めている。

<三條新聞社>予算委員会の答弁で「ほ場整備を契機に担い手への農地の集積・集約化をすすめて、効率的な営農展開を図りたい」と話していたが、それに並行してAI活用などスマート農業への考えを聞きたい。後継者不足などで米づくりが大変な時代になったが、若い世代を惹きつけていくような取り組みについて考えを聞かせてほしい

【知事】農業従事者が減り、高齢化が進む中で、生産を効率的に進めなければならない。そのためのスマート農業、デジタル技術を活用した無人化、省人化は必要不可欠と考える。それには基盤整備が必要で、ほ場自体が大きな区画にならないと効率化は難しい。中山間地では特に急がなければいけない問題。効率化が進めば「稼げる農業」「儲かる農業」に近づく。そうなれば若い世代の目が向くのではないか。

ほ場整備、農地の集約・集積が進んで大規模化が実現すれば、企業型の農業が根付き、働き手を「雇用する」農業経営も増えていくだろう。若い世代が「従業員」として雇用される中で、その後に独立して農業経営者となるようなキャリアパスが生まれてほしい。

(文・写真 伊藤 直樹)

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