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【お願い】ナイロビ在住ケニア人タクシードライバー・チャオス氏へのチャーター依頼について

ロケットニュース24

※当記事はGO羽鳥の個人ブログに掲載されたものですが、カンバ通信を読んでくれている人に届かないと意味がないため、ロケットニュース24にも掲載することにしました。

ちょっと厳しいことを書きます。

そして、それはとても悲しいことでもあります。

ナイロビ在住ケニア人タクシードライバーにして、アフリカ唯一のポテト評論家でもある、私のケニアでの相棒「チャオス」の連載『カンバ通信』の記事の最後に、今月に入ってから “タクシーチャーター依頼についての注意書き” を添えています。

これは今後も続けていきます。

いったい何が起き、どうしてこのような決断に至ったのか説明します。

・チャーターの依頼は最も嬉しい仕事

よく、ロケットニュースへのお問い合わせで

「○月○日からナイロビに行きます。チャオス氏のタクシーのチャーターは可能でしょうか? また、お値段はいくらでしょうか?」

的な質問が届きます。

本業がタクシー運転手のチャオスにとって、チャーターの依頼は最も嬉しい仕事です。

なので、できるだけ実現できるよう、そのお問い合わせしてくれた読者様にも私が連絡をとり、チャオスと繋げたりしています。

しかし、結論から書くと、「問い合わせ」から「実現」したのはパーセンテージで言うと10%くらい。

あとの9割は、最終的に連絡がつかなかったりで実現せず。(バックレ)

そのたびにチャオスは、心配そうに「日本人の○○から連絡が来ないのだけれど、どうなっているかな?」と私に聞いてきます。

私は、そのカスタマーとも言うべき読者様に「チャオスも1日予定を空けて待っているので、連絡してあげてください」と伝えたりしています。

それでも、無視だったり、なんやかんや理由があったりで、なかなかチャーターは実現しません。

・常識的な行動をしてください

ケニア入国やらの日時込みで問い合わせが来た時点で、チャオスにもその日時を伝え「行けるか?」と聞き、チャオスもやる気なので予定を空けて「OKだ」と言ってきます。

トラブルなり、病気なり、やむを得ない理由があったにせよ、予定を聞いて、依頼をして、その後連絡せず……だと、チャオスの1日の稼ぎはゼロになります。

これは本当に彼ならびに彼の家族にとって死活問題です。

せめて自分から何らかの連絡くらいはすべきだと思います。

チャオスだけではなく、私も私で暇ではありません。

本当に時間の無いなか、隙を見つけて記事を書いたり、いろいろと必死に生活しています。

しかし、少しでもチャオスのためになればと、そして、少しでも旅の良い思い出になればと、無い時間を使って、お問い合わせをしてくれた読者様や、チャオスと連絡を取り合い、無償のエージェント的なことをしています。

それでも「無視」はもちろん、「やっぱり無理でした」や「予定が変わったので他の予定を優先させてください」というのは、あまりにも無礼かつ、無責任なのではないかと思うのです。

それだったら、最初から普通にケニアのナイロビの流しのタクシーにお願いしていただきたい。

100%の善意で行っているこちらの対応を、当たり前だと思わないでいただきたい。

人の時間を搾取して、結局、何にもならない。

なんならチャオスも私も悲しい思いをするだけ……というのが、誇張なく、この5年間でもう100回近くはあったかと思います。

・恥ずべき日本人旅行者たち

──結局、連絡が来なかった。

そんなとき、私はチャオスに謝ります。

「無責任な日本人旅行者を紹介してしまって本当に申し訳なかった」と。

チャオスは「いいよ、いいよ」と言いますが、悲しんでいるのは明白ですし、そもそも当てにしていた「1日チャーター」が無になるのですから、単に悲しいだけではなく今後の生活の予定さえ狂ってしまうのです。

あるときなんて、こんな人がいたそうです。

その方は、ちょっとお問合せの時点でも「ん?」と思う日本人でしたが、何通かやりとりと重ね、無事、チャオスのタクシーを利用し、あのマサイ族の戦士ルカが住んでいるアンボセリまで行ったそうです。

片道6時間。単なる1日チャーターでは済まない過酷な道。あまりのオフロードに、時には車がぶっ壊れます。

なので私がアンボセリにチャオスの車で行く際は、かなりのエクストラ料金を支払います。

実際、車のバンパーが壊れたこともありました。※その際の修理費も、チャオスは自腹で払っていました。

そんな長距離かつ、まるまる1日のチャーターが終わり、さあ支払いになった時、その日本人女性は、なんと

「お金がない」

と言い出したそうです。

そもそも問い合わせの時点で「チャオスは日本語ができますか?」」など、英語すら怪しい感じの、海外旅行初心者疑惑もある人だったので、事前にその危うさに気づいて私がストップしてあげておくべきだったのかもですが、まさか堂々と無賃乗車をするような恥ずべき人間だとは見抜けませんでした。

結局、その時は「ガソリン代」だけを支払ってもらったそうです。

車が壊れるかもしれないほどのオフロードを乗用車で爆走し、無事にマサイ族のルカにも会わせ、事故もなくナイロビまで1日がかりで戻ってきたのに、受け取った金額はガソリン代だけです。

彼の運転料金ならびに、1日拘束の代金は0円です。

こんなことありますか。

あまりにもひどすぎませんか。

こんな常識のない人、海外に行かないでいただきたい。

断言しますが、日本の恥です。

それでもチャオスは怒ることもなく「あの時は本当に困ったよ(笑)」と苦笑いしていましたが、これはもう本当、善意を悪用した犯罪に近いと私は思います。

そんなことが連日のように起きているので、あのような注意書きを添えることにしたのです。

・無意識的な時間泥棒や善意の搾取

あの注意書きには

「この記事を見て意味がわからない場合は、利用しないようお願いします。」

と、厳しめのことが書いてあります。

なぜならば、あのチャーター記事には、チャオスのタクシーの運賃も、連絡方法も、連絡先も(しかも2種類も)載っています。

旅慣れた人なら1発でわかるくらいのことが書いてあるつもりです。

本当は、あのような注意書きを書きたくなかった。

自力で、チャーター説明の記事を見つけていただきたかった。

なぜなら、ロケットニュース内で「チャオス チャーター」で検索するだけで、あの2023年6月22日に書いたチャーター説明記事が一番上に出てくるのですから。

サイトの構造上、過去の記事が見つけにくいので、それについては仕方ないとも思いますが、

・問い合わせをしてきて

・こちらが返事をして

・チャオスもその人のために予定を空けて

・金銭トラブルのなきよう、いちおう金額も、あのチャーター記事通りで間違いないか私が確認して

・あらためて問い合わせしてきた人に連絡をして

・チャーター記事も紹介しつつ、こちらに連絡してあげてくださいと伝えて

・そこまで我々にさせたうえで、連絡ひとつしてこない

これはもう無意識的な時間泥棒というか、善意の搾取というか、こんな人をチャオスに紹介するのは(そして9割がた、悲しいことになり、謝ることになるのは)もう私の時間的にも無理だし、意味がないどころか日本の恥だと思うに至ったので、記事の文末に、あのような注意書きを書くことにしたのです。

もちろん、問い合わせをしてくれた1割の方々は、無事にチャオスのタクシーも利用でき、チャオスも「楽しかった!」と私にも報告してくれたりもし(時には写真付きで)、全員ハッピーになったりもしますが、さすがにこの高確率での「問い合わせだけ」だと、なんらかの対処をせざるを得ません。

・旅慣れた人だけ利用するようにしてください

あのチャーター記事に書いてある通り、本当にチャーター仕事はチャオスにとって嬉しい依頼です。

そんな記事もあわせて紹介しつつ返事しているのに、何も連絡をしない、何も返事をしない、人の労力と時間だけを搾取するという、心無い人たちへの対応に私自身が疲れ果ててしまった……というのもあります。

もしも今後ケニア・ナイロビに行った際、チャオスのタクシーを利用したい場合は、ぜひともこちらの記事をよ〜く読んでください。

そして、理解できた人だけが連絡するようにしてください。

ちなみに、チャオスのチャーターを無事に利用していただけた1割の方々は、なんとなく皆さん旅慣れた感じがする雰囲気(対応)でした。

また、ケニアだけはなく、アフリカ全土に理解のある人たちでした。

そんなこともあり「理解できた人だけが」とハードルを上げさせていただいた次第です。

私とは10年以上の付き合いになる相棒・チャオスを、もう悲しませたくはありません。

顔が見えないネットだからこそ、きちんとした対応をしていただきたい。

どうか、よろしくお願いいたします。

執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24

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