「停電で飼育していた魚が全滅・・」渓流魚飼育愛好家が犯した7つの大罪
いっぱしの渓流魚飼育者の顔をして飼育に関するハウツー記事を書いているものの、筆者がかつてやらかしてしまった失敗の数々を紹介しよう。
コケ取りに失敗
渓流水槽は低水温のため、分解しきれない魚の排泄物や汚れが発生しやすい。従って無駄な栄養分が蓄積しやすく水槽ガラス面にコケが生えやすい。普段はメラミンスポンジで磨いていたのだが、面倒になりコケを食べてもらうためにタニシやヤマトヌマエビを導入した。
アオコが大発生
結果、エビは低水温のためコケ取りの役割を果たさないまますべて魚のエサに。タニシも次々お亡くなりになった。死骸による汚れが、今までの水の汚れに拍車をかけアオコが大発生。幸い濾過は正常に作動していたので魚の体調は絶好調だったが、何度水替えしても濁りが取れず、入浴剤入りの風呂の残り湯のような水を眺めるだけの水槽が錬成された。
病気のヤマメに鷹の爪を投与
とある渓流で2匹のヤマメをお迎えし、時間をかけてようやく餌付けに成功。ここで調子に乗りエサを与えすぎたことにより、立ち上げ間もない水槽に一番かかりやすい病気である白点病が発生。
魚病薬を使用する場合、フィルターのバクテリアを死なせたくないのでフィルターだけ外して投薬することが多く、それを面倒がって鷹の爪を使用した民間療法で対応。
より面倒な病気に…
なんとか白点病は収まりつつあったが、同時に併発していたより面倒なコショウ病(ウーデニウム病)が発覚。小さいヤマメが亡くなった。もう一匹も魚病薬の使用で回復したが一時は瀕死の状態にまでさせてしまった。これからあらかじめ数種類の魚病薬は常備することにした。
渓流魚の混泳でミス
縄張り争いがキツイ渓流魚だが、できれば数種類の魚を眺めたいと何種類かの魚をお迎え。水槽に投入したとたん元居た魚から猛烈な攻撃が始まり、遠くまで出かけてお迎えした魚が30分で瀕死の状態に。自宅まで細心の注意を図りつつ持ち帰った苦労が水の泡…。
水槽引越しに失敗
新規水槽を立ち上げ、今まで飼っていた小さな水槽から大きな水槽に引っ越しさせたところ、ろ過バクテリアの繁殖が思いのほか進んでおらず水が濁り始めた。
急ぎ水替えを行うも不安定な水の中、大事にしていたアメマスがアンモニア中毒で急死。
この失敗から水質検査のためのテトラ テスト 6in1というアイテムを使用開始。
過密飼育で魚が死亡
ヒメマスとシナノユキマスを飼育していたが両種ともまとまって釣れる魚のため予定数以上を水槽にお迎え。頻繁な水替えで対応するもろ過バクテリアのキャパを超えて水質が悪化、普段なら悪さをしない濾過槽内の常在菌が魚に侵入。次々と罹患していくのに対応が追い付かず多くを死なせてしまった。やはり適正数は大事(いまでも水槽が過密気味なのはとても褒められたものじゃありません)。
夏の結露を甘く見た
冷たい水で飼育する必要がある渓流魚飼育では、これからの気温が上がる季節になると水槽表面が結露に覆われてしまう日が増えてくる。
見た目がよくないだけと軽く見ていたがえげつない結露の量によって、ひと夏終わるころには水槽台下の畳、隣の衣装ラックはカビだらけで使用不可能に。同時に水槽台も1年持たずベコベコになりお亡くなりに。
ペットトレーで対応
この後から水槽と保冷用スタイロフォームの下にペットトレーを敷くことで結露に対応。加えてコンパネ材とシリコンで自作したトレーも水槽台の下に配置して水漏れ対策を行うことに。
水槽に敷いたトレーに溜まる水の量、時には1リットル近くになり寒気が走る。なお数日ではなく一晩で、である。強力な空調を使用し、アクリル水槽のガラス面を厚いアクリルにすることで結露は減らせるが、お財布の事情がそれを許してくれなかった(泣)。
停電で魚が全滅
激しい豪雨だが出勤時間のため外出。その後落雷が発生したらしく、夜帰宅すると落雷サージにより家のすべての電気が停電。水槽機材もすべて停止したためそれまで大事に飼育していた渓流魚が全滅。これはある種災害のようなもので発生を予測することは不可能な事件だった。
充電式エアーポンプで対応
ポータブル電源を確保できれば理想だが、クーラーの消費電力を考えるとそれでも不安が残る。とりあえずこのような気象が予測されるときは出発時に充電式エアーポンプを設置し、停電が起きた際に少しでも酸素を入れられるように対策している。朝から停電してしまったら夏場は助からないが、帰宅時間近くに停電が発生したら助けられる可能性はゼロではないのでこのような対策は現在も継続中。
飼育を志す皆さんはこのような失敗をしないよう参考としていただければ幸いである。
<TSURINEWS編集部・藤村>