衆院選神奈川14区 選挙戦振り返り
10月15日公示、27日投開票で行われた衆院選。神奈川14区は小選挙区で赤間氏、比例で長友氏が当選した。両氏を含め出馬した5氏の選挙戦を振り返る。
逆風はね返す6選目自民・赤間二郎氏
27日、午後8時のNHKの出口調査の速報では長友氏に差をつけられていた。しかし、結果は赤間氏に軍配が上がった。区割りの変更があったが中央区のほか、新たに選挙区となった愛川町、清川村でも最多の得票数だった。「政治とカネ」の問題で逆風が吹き荒れる厳しい選挙戦となったが、最終日の26日には小泉進次郎選対委員長が応援に駆け付け、橋本駅前で支持を訴えた。
「超短期決戦の中で、区割りによる新しい選挙区の中で結果を出すことができたのは皆さまのご信用をお借りできたから。改めて初心に立って働いていく」と決意を述べた。
比例で初当選「感謝しかない」立憲・長友克洋氏
3年前の衆院選では赤間氏との一騎打ちに1万8924票差で敗れた。本紙の取材に「痛恨の極み」と繰り返してきた。「選挙は百かゼロ。頑張ったかどうかではない」と言い聞かせるように話してきた。不退転の覚悟で臨んだ選挙戦。野田佳彦代表、岡田克也常任顧問が来相し、一部では「長友優勢」という声も聞こえたが、またしても結果は非情だった。
しかし、今回は比例での初当選が決まった。前述の言葉に続けるように「どんな結果であっても仕事をする場面、議席を頂いたので、それには感謝しかない。しっかり仕事で返していく」と覚悟を口にした。
2氏に割って入れず維新・熊坂崇徳氏
JC主催の公開討論会では最も訴えたい政策に「減税」を挙げ、「給料をもらっても半分は税金になる。消費税、所得税、法人税を減税し経済発展を」と選挙戦を通して訴えてきた。
愛川町議だったことから地元での得票を伸ばした。それでも自民、立憲の候補者には及ばず。選挙戦では相模原市内で演説する姿が多く見られたが、2氏に割って入ることはできなかった。「2強に比べ知名度でかなわなかった。結果をしっかりと受け止めたい」と振り返った。
投票率の低さに落胆参政・先沖仁志氏
一貫して訴えてきたのは「国民の政治参加」。その答えともいえる選挙だったが「投票率が低かったことが残念」と落胆する。その一方で「目標だった南関東の比例で1議席取れたのは最低限の結果」と続ける。
政治不振が高まる中で、「だからといって投票に行かないとますます政治が悪くなる」という思いを訴えたが、支持は伸びなかった。「政治、選挙に関心を持っていただけるよう、引き続き頑張っていきたい」
「力が及ばなかった」共産・中村圭氏
選挙戦の争点の1つとなった「政治とカネ」。スクープしたのは共産党の「しんぶん赤旗」だった。街頭ではその話題に触れつつも、物価高対策、最低賃金の底上げ、中小企業支援、基礎年金の引き上げなどしっかり政策を訴えてきた。それだけに「結果は悔しい」とこぼす。「私の力が及ばなかった。これから支持者を増やすことと、議員ではないが公約の実現のために、いろいろな方と力を合わせて頑張りたい」と前を向いた。