Yahoo! JAPAN

三軒茶屋・下北沢・池尻大橋の燗酒の沼へ誘う3つの名店~湯気のぼる酒処へウエルカム~

さんたつ

【散歩の達人】燗酒沼へ誘う三賢人

朝晩の寒さが身に染みてきたら燗(かん)酒の季節が到来だ!酒選びもつけ方も三者三様のお燗番がつける極上の日本酒と、そこに寄り添う多彩な料理でゆるんで、ほどけて、温まろう。

えんじゃく、

まるく優しく蒸し上げる“蒸し燗”『日本酒 つみりの』【三軒茶屋】

玉木さんが蒸し燗をつける様子。

フレンチの料理人として15年の経験を持つ店主の玉木教充さん。勉強で飲み始めた日本酒にはまり、専門店で修業。ある日“蒸し燗”の飲み口に衝撃を受け、2023年に開業した自身の店でも蒸籠で燗をつける。

「ビーカーの底を湯に浸けてムラなく温め、蒸気に当てます。蒸気圧で分子が結合してアルコール感や硬さを抑えてくれるのです」。料理は、うまみを引き出す神経締めの名手から仕入れる鮮魚や産地違いのカキを用意。感動を呼ぶペアリングも試したい。

三角地帯に立地。
生カキ食べ比べ(5種)2750円。1種類から注文可。飲める、出汁巻き880円の生七味味はフレッシュな辛さ。日本酒は半合550円~。
秋鮭、寒ブリ、クジラなど時季の天然魚の刺し身盛り合わせ1人前1320円~(写真は2人前)。

軽やかな「白隠正宗」、「夜の帝王」、飲み応えのある「笑四季 センセーション生原酒おりざけ」、6年寝かせた「玉川Ice Breaker」、豊かな酸味がカキに合う「醍醐のしずく」など産地や造りも多彩。貴醸酒の「新政 陽乃鳥」(左端)だって燗OK !

『日本酒 つみりの』店舗詳細

日本酒 つみりの
住所:東京都世田谷区三軒茶屋2-14-10 ローヤルマンション1F/営業時間:17:00~24:00ごろ(土・日・祝は15:00~23:00頃)/定休日:月(祝の場合は翌火)/アクセス:東急電鉄田園都市線・世田谷線三軒茶屋駅から徒歩1分

言葉は少々無愛想、燗はやさしい“ツンデレ燗”『燗味処(かんみどころ)』【下北沢】

長尾松雄さん、麻菜実さん夫妻。

お通しに差し出されるのは、温かいお椀とお猪口(ちょこ)一杯の燗酒。低めの湯温でゆっくりつけたものだ。お燗番の麻菜実さんいわく「雰囲気と味のギャップにツンデレ燗なんて言われます(笑)」。燗酒専門店の不毛地帯だった下北沢で開店した2019年、「真夏でも燗酒を出すなんて、挑戦しかなかったなぁ」と松雄さん。料理は、燗酒を合わせておいしさが増幅することが基準。正統な和食に、スパイスカレーや四川麻婆豆腐なども用意する。その好相性を体感すべし。

ポークとコーンのカラヒと特製バスマティライス1300円。燗酒は150㎖ 880円~。
ブリ南蛮漬けや柿の白和えなどが乗るおまかせ酒肴盛り合わせ1500円~。
白茄子田楽750円。甘辛い田楽味噌が酒を呼ぶ。

火入れした熟成酒や完全発酵の日本酒が揃う。米のうまみなめらかな「大号令」、「独楽蔵 TAHITO」や酸味のある「睡龍」、さらに「扶桑鶴」「辨天娘」など燗映え必至の山陰の酒も厚めの仕入れ。スパイスカレーにはぜひ「竹鶴 八反」を!

『燗味処』店舗詳細

燗味処(カンミドコロ)
住所:東京都世田谷区北沢2-32-8 SSビル2F/営業時間:17:00~22:00LO(土・日は16:00~21:00LO)/定休日:月(不定あり)/アクセス:小田急電鉄小田原線・京王電鉄井の頭線下北沢駅から徒歩3分

フルーティーな冷酒ラヴァーもとりこにする“生酒燗”『えんじゃく、』【池尻大橋】

北海道産鰯の肝醤油焼き850円。国産キウイとブルーチーズのオーブン焼き950円。日本酒は半合500円~。

「コハク酸とグルタミン酸という、うまみ成分をもつ日本酒は、世界で唯一温めて楽しめるお酒です」。店主の髙木晋吾さんは、電機メーカーのエンジニアとして働いていた頃に燗酒に出合い、そのおいしさに感動して日本酒の世界へ入った。燗酒に力を入れる中でも、通常は冷酒で好まれがちなフルーティーな生酒も積極的に燗にする。「一般的に人気なお酒を温めた時のギャップを体験してこそ、大きな感動があります」。料理との相乗で、燗酒の扉は大きく開かれる。

2通りの温度帯の湯で燗をつける髙木さん。
飛騨牛のシンタマのグリル オニオンソース2400円。
カウンターのみ13席。

左から「奥播磨」、「王祿 渓」、「丹沢山 隆」、「長珍」、「悦凱陣」など、うまみと酸味がギュッと詰まった無濾過の生原酒が勢揃い。髙木さんの地元・岐阜の「竹雀 生もと純米吟醸」(右端)は、複雑味と酸味が飛騨牛と相性抜群!

『えんじゃく、』店舗詳細

えんじゃく、
住所:東京都世田谷区池尻3-19-3 ベルエア2F/営業時間:18:00~23:30LO/定休日:不定/アクセス:東急電鉄田園都市線池尻大橋駅から徒歩3分

取材・文=沼 由美子 撮影=山出高士、丸毛 透(燗味処)
『散歩の達人』2025年1月号より

【関連記事】

おすすめの記事

新着記事

  1. 村田怜音は西武の救世主となるか?196センチの大砲候補がキャンプで猛アピール

    SPAIA
  2. 息子になつきすぎな子猫→学校から帰ってきて寝ていたら…あまりにも尊すぎる『3ショット』に癒されると57万再生「浄化された」「幸せ空間」

    ねこちゃんホンポ
  3. 「神出鬼没」な白猫は、海辺の街で有名なセレブ!危険な目にあっても放浪はやめられにゃい 豪

    ねこちゃんホンポ
  4. エリアトラウトで数を釣りたい!脱・初心者必見!レベルアップのためにやるべきコト!!

    WEBマガジン HEAT
  5. 大竹まこと「踏み込めなかったのはちょっと残念な感じも」石破首相とトランプ大統領の初会談を解説

    文化放送
  6. 非通知で電話してきたモンゴルの詐欺師にチャーハンのことを聞いてみたら…【動画あり】

    ロケットニュース24
  7. 小池百合子東京都知事がフォーミュラEとの再会に大興奮! 5月の『Tokyo E-Prix』を前に観戦を呼びかけ

    SPICE
  8. 「どっちも金持ち政党に見える」なぜアメリカの庶民は金持ちトランプを指示したのか?

    文化放送
  9. 【四国中央市・たまご専門店 熊福(熊野養鶏)】鶏・水・餌にこだわった 安心安全おいしい卵

    愛媛こまち
  10. 障害者雇用の優良企業 名張のネクスト・ワンを認定 市内初

    伊賀タウン情報YOU