マダコの雌雄(オスメス)の簡単な見分け方 吸盤を見れば一目瞭然?
哺乳類や鳥類の多くでは、雌雄の判別しやすいものも少なくないです。身体が大きいというオスの特徴以外に、たてがみや角があると言った外見も含めて小学校の授業に出そうな内容です。鳥も同様で、派手なのがオスであったりと、これまた外見の区別ができるのも多いです。しかし、魚となると、一部の熱帯系などでは派手なのもいますが、身近なところではわかりにくく、学者でも「?」だそうで。では、頭が良く学習能力が高いとされるマダコはいかがかという、お話です。
魚の雌雄は見分けにくい
ブリとヒラマサ、マアジとマルアジ等々の区別はついても、それの雌雄は、外見での区別はまったくつきません。
例えば、コブダイなどと言われるカンダイは、わかりやすい代表です。鹿のように角があると一緒で、タンコブがオスだそうです。こんなのは、まったく稀です。
サワラの70cm以上はすべてメスだとか。オスは、70cm以上に成長しないそうで、メーター級は間違いなくメスだということですが、小さいうちに判断をしようにしても解りません。釣り対象のほとんどの魚の雌雄の判別は容易ではありません。ブリハマチの養殖で、雌雄が区別できる方法を模索という学者先生のお話がありましたが、なかなか簡単なことではないそうです。
産卵期の魚が抱卵しているとわかりますが、それだけです。ブリハマチにアジ系など、単なる脂ののった大きな腹をした大デブもたくさんいますので難しく、単なる食いしん坊的には、腹の大きい魚は卵でも脂肪でもおいしいことだけは知っています。
マダコの雌雄の見分け方
ところが、マダコの雌雄は意外に判別しやすく、ちびっ子は別にして、ある程度成長してくるとはっきりとします。
マダコの外見の特徴のひとつ「吸盤」を見ると高確率でわかります。メスは、吸盤が整然と大きいのから小さいのまで、2列の左右が対照的に順序良くきれいに整列しています。
オスは、並び方が乱雑です。とりあえず、足先の小さいのから付け根に向かって小さいのから大きい吸盤へと並んではいますが、2列の吸盤の並び方や大小が乱雑で、途中にとりわけ大きい吸盤がデンとあります。
同じ大きさの雌雄ならば、オスの吸盤の方が明らかに大きいのがあり、これがそうかとわかりやすいです。一見にしかずで、画像の通りです。見ればわかるというくらいの差があります。
マダコの雄は吸盤が大きい
オスの型物になると明らかに大きい吸盤が、これ見よがしに1個あります。キロサイズになるとペットボトルのキャップほどの大きさです。型物のマダコの8本の足にある吸盤は、釣って嬉しいものの怖さを感じます。
鉢巻締めた蛸坊主は、その大きな吸盤をメスに見せつけることで、求愛をしたり、オス同士のけんかの威嚇をするとか言われています。人間でも同様に何かの大きさを自慢するように温泉の風呂で振り回すたわけもいますが、鉢巻締めた蛸坊主みたいなレベルなのかもしれません。だからなんなのさです。
それでも、マダコにとっては、種の保存のための前に我が子孫の繁栄ということでは、大切なものなのかもしれません。
マダコを釣ったら吸盤を見て、雌雄を判別してみてください。鉢巻締めているか、それともリボンを付けたマダコか見てみてください。今どき女性は女性らしく男性は男性らしくなどと言うのはタブーの世、実にあほらしい気がしますが……。
マダコのメスは、きれいに整然と並んでいますし、オスは、力強くタフな姿をして、双方間違いなくそんな並び方をしています。
<丸山明/TSURINEWSライター>