田舎で古民家カフェを開業したい!成功させるコツを教えて!【教えて! 移住プランナーの仲西さんvol.6】
教えて! 移住プランナー仲西さん vol.6
移住プランナー、移住専門ファイナンシャルプランナー、空き家相談士など様々な顔を持ち、これまで約2500組もの移住相談に多角的な視点で対応してきた、仲西康至(なかにし・こうじ)さんが、地方移住についての疑問、質問に答える連載「教えて! 移住プランナーの仲西さん」。第6回のテーマは「田舎で古民家カフェを開業! 成功させるコツは?」です。
「田舎に夫婦で移住して、古民家でカフェ経営することを検討しています。古民家は購入を考えていますが、物件探しについてアドバイスをください。また、カフェを成功させるコツも教えてください」 (Aさん、神奈川在住、30代夫婦)
皆さんこんにちは、移住プランナーの仲西です。
田舎で古民家を購入し、カフェをオープンするなんて素敵な夢ですよね!
ちなみに、古民家カフェとは、伝統的な民家をリノベーションしてカフェにした店舗です。
古民家は歴史や文化を感じられることから、日常のストレスや疲れを癒やす空間として人気を得ています。
古民家カフェの地域における効果とは! インバウンド効果も
最近は、インバウンド効果により、古民家カフェは海外の観光客からも人気ですよね。 特に、欧米からの旅行者にとって、伝統的な日本の建築や文化を体験できる古民家カフェは、魅力的な訪問先になっています。
そこで、古民家カフェの地域における効果についていくつか挙げてみたいと思います。
① 外国人観光客の訪問数の増加
古民家カフェがある地域では、外国人観光客の訪問数が増加していることが報告されています。
②地域経済への貢献
古民家カフェの存在により、地元の商店や宿泊施設などが活性化し、地域経済にプラスの影響を与えています。
③観光客の満足度
古民家カフェを訪れた観光客の多くが、その独特な雰囲気や伝統的な文化を楽しんでいることが調査で明らかになっています。
古民家はどのようにして探す?
古民家カフェの魅力は、その歴史的な雰囲気と自然の美しさです。例えば、人気のある観光地や自然豊かな場所など、古民家カフェを成功させるためにも場所選びは大切です。
ただし、全国にはおよそ1700の市町村があることから、闇雲に探しても労力や時間を無駄に費やすばかりです。
そこで、ある程度地域を絞り込むことが大切です。
旅行で行ったお気に入りの場所、趣味を満喫できる地域、さらには気候や風土から選定をしてはいかがでしょうか。
地域を絞り込むことができたら、SNSや空き家バンクで情報を収集してみましょう。
特に、自治体が運営する空き家バンクは、築年数の古い住宅が中心に紹介されています。
地域がなかなか絞り込めない人は、少し遠回りにはなりますが、物件探しから始めてはいかがでしょうか。『田舎暮らしの本(宝島社)』では、定期的に古民家特集が組まれるなど、毎回、多くの物件情報が紹介されています。
また、古民家ツアー等に参加されるのも良いかもしれませんね。
例えば京都市や奈良市の古都を始めとし、長野県の軽井沢周辺などは多くの古民家があります。古民家ツアーに参加をすることで、その地域と古民家の両方の情報を得ることができます。
資金面の準備が大切
古民家カフェを成功させるためには、何よりも資金面の準備が大切です。
一般に、「古民家をリノベーションしてカフェを作るには、500万円から1000万円程度の費用がかかる」と言われています。
準備資金が少ないことから格安の物件を購入すると、リフォーム代金が通常よりかさむことも想定されます。
また、リフォーム代金を抑えるために、自分自身で作業に取り組む方もおられます。
こちらも、材料費が割高になったり、オープンまでの時間も要するなど注意が必要となります。
多くの古民家は、建物のリフォームとメンテナンスが必要です。 そして、古民家の雰囲気を保ちつつ、安全性や快適性を確保できなければいけません。
そこで、金融機関や自治体の助成金制度等を活用し、準備資金を上手に確保することが望まれます。
さらに、収支計画の作成にも取り掛からなければなりません。金融機関等から融資を受けるのであれば、収支計画表はとても重要となるからです。
田舎で古民家カフェを成功させるコツ!
最後に、「田舎に移り住んで古民家カフェを経営したい」と素敵な夢を持つ相談者Aさんに、成功のコツを3つ!お教えしたいと思います。
前提として、「美味しい料理を出す」「おしゃれな内装にする」「接客サービスが良い」等、ご相談者に起因する要件については除きますね。
1. 農業が盛んな町を選択する
お店を経営するのならば、人口が集中している市街地や観光地を選択しがちです。もちろん、間違った選択ではありませんが、物価も高くなり競合も増えることに留意が必要となります。
京都の旧町街を歩いていると、何軒もの古民家カフェが並んでいたりしますよね。
一方、地方になるほど、お客の潜在数は小さくなります。それでも、山奥にある「ポツンと一軒家」が人気カフェとして、TVで紹介されているのを目にしたこともあるでしょう。古民家カフェの魅力は自然との調和にあるとも言えますので、そこは工夫次第ですよね。
それよりも、新鮮な食材を安く仕入れることを優先してはいかがでしょうか。
特に、地元の食材を使ったメニューを提供することで、地域の特色を活かすことができます。
農業が盛んなところであれば、食材等の仕入れ価格を抑えることもできます。お店が認知されて軌道に乗るまでは、支出をできるだけ抑えることに努めることが大切ですね。
2. 移住後すぐに開業をしない。
相談者Aさんのように、大抵は古民家を購入し、リノベーションをしてから、カフェを開業することになります。
しかし、見知らぬ土地でお店を開業するのであれば、しばらくその土地に暮らし、地域社会に溶け込むことで仲間を増やしてから、開業をしてはいかがでしょうか。
何故ならば、地域の人たちの協力ほど強いものはないからです。
良い物件の紹介を受けたり、リフォームを援助してもらったりすることで、費用の抑制にも繋がります。また、開店後は地域の人たちがお客になってくれます。
私の知り合いは、移住後3年間、宅急便の配達の仕事をしてから、カフェを開業しました。
配達の仕事は、高賃金であるだけでなく、仕事を通して地域の人と交わる機会に恵まれていると言えるでしょう。
3. 副業や趣味を持ってみる。
古民家カフェを開店し夢を叶えたとしても、お客が来なければ、すぐに夢は崩れ去れます。
そもそも都会と比較して、お客の潜在数は小さいことから、大きな売り上げを期待できません。
生活をするためには、最初から副業について考えておく必要があります。また、副業や趣味を通して、お客以外の人と触れ合う機会を作ることが、将来のお客に繋がっていくのではないでしょうか。
そして、地元のイベントや祭りなど、地域の活動に積極的に参加することで、地域の人々からの支持を得ることができます。
古民家カフェは観光誘致や地域経済に対する効果を期待できることから、多くの地方自治体では歓迎ムードと言えます。
きっと、相談者Aさんの夢は地域の夢でもあります。
成功することを祈っていますね。
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