旭区本宿町DAIKIさん 「世界を笑顔にしたい」 万騎が原CPで絵 展示中
旭区の万騎が原地域ケアプラザで、3月2日(日)まで「DAIKI絵画展『くすっと笑って』」が行われている。統合失調症の治療を続けながら絵を創作するDAIKIさん(32・本宿町在住)。「世界中の人たちを笑顔にしたい」という思いが、絵に込められている。
みんな平等
「一人でも多くの人に絵を見てほしい」と、同ケアプラザに提案して実現した展示会。DAIKIさんの絵は、観た人に明るい気持ちになってもらおうとカラフルな色彩が用いられている。また、人間や動物などのさまざま種族が、分け隔てなくみんな笑顔で描かれているのも特徴だ。
DAIKIさんが発信したいのは、「家族と友達の大切さ」、「動物愛護」、「差別のない平和な世界」というメッセージ。「実際の世界は差別などあるかもしれないが、絵の中ではみんな平等。見た人に笑顔になって欲しいし、平等な世界を実現するきっかけになれば」と語る。
今回の一押し作品というのが「渋谷交差点〜みんな友達〜」だ。渋谷スクランブル交差点が、さまざまな動物で賑わっている様子が表現されている。
「病気も個性の一つ」
幼少期は「活発で明るく、中学校では野球に打ち込む子だった」というDAIKIさん。
統合失調症を発症したのは19歳の時だった。幻聴や眠れなくなるなどの症状に苦しみ、入院を繰り返す日々に。父の高瀬龍人さんは「通っていた専門学校で大量の課題に追われたことも一因かもしれないが、医師には原因は特定できないと言われた」と話す。
仕事に就くことも難しく、先が見えない状況の中続けていたのが、小さい頃から趣味だったという絵を描くことだった。最初はSNSでの発信だったが、「絵で自立する」という目標を立て、5年前から個展の開催を始めた。
「気分が明るくポジティブになる」という感想をもらったこともあり、子どもの病院など全国で個展を行うように。展示を通して絵を販売する機会も生まれ、コンテストでグランプリなどの賞を獲得するなど高い評価を得るようになった。
体調が悪く、制作が進まないこともあったというが、両親のサポートも受け活動を続ける。DAIKIさんは「今では、病気も個性の一つと捉えている」と前を向く。