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【沼る VS 微妙】第3話から急激に面白くなる?Netflix韓ドラ「隠し味にはロマンス」

Danmee

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『隠し味にはロマンス』(Genie TV, ENA/2025)が、世界中で好評を得ている。

同作が配信されているNetflix(ネットフリックス)のグローバルランキングでは、53カ国でTOP10入り。17の国で1位を獲得するほどの人気ぶりだ。(2025年5月12日~5月18日時点)

日本でも5位にランクインしており(2025年5月26日現在)、多くのドラマファンから愛されている様子。良作は多いものの、本国ではそこまで脚光を浴びることのないテレビ局ENAの作品としては珍しい盛り上がりだ。

しかも現在Netflixで配信中の新作韓ドラといえば、『呑金/タングム』(Netflix/2025)や、『いつかは賢いレジデント生活』(tvN/2025)など、高確率でホームランを打つNetflixオリジナルシリーズと、ヒット作を数多く輩出してきたtvN作品が中心。強豪揃いのなかで、くすぶることなく存在感を発揮している。

そこで本記事では、まだご覧になっていない人のために、沼るポイントと一部視聴者からちらほら聞こえてきている微妙と言われるポイントの両方を味見程度にご紹介。2、3話から面白くなったという意見も上がっているため、第1話で離脱したなど、その後が気になっている人にもぜひ参考にしていただきたい。

(図)Danmee 「どの回も泣いたり笑ったり」日本ファンが選んだ1月~3月公開 No.1韓国ドラマはこれ!

ざっくりあらすじ

『隠し味にはロマンス』は、大手食品会社“ハンサン”の財閥2世と、看板すらないワンテーブルレストラン“ジョンジェ”を田舎でひっそりと営むシェフの成長と愛を描いたロマンスコメディー。

カン・ハヌルがハンサンの後継者で、会社の継承と三ツ星をとるためなら、人気店のレシピを横取りすることもいとわない傲慢なレシピハンター、ハン・ボム(以下、ボム)を。

コ・ミンシが、利益度外視で味や材料1つにもこだわるなど、料理に対して確固たる哲学を持つ頑固なシェフ、モ・ヨンジュ(以下、ヨンジュ)を演じている。

ボムがヨンジュのレシピに目をつけたのをきっかけに、彼女の店で働くことになって始まる物語だ。

微妙な反応

あらすじを見ただけで、韓ドラファンならもうお気づきだろう。そう、本作は韓国ドラマのロマンスものの定石を踏む内容と構成で繰り広げられている作品。まだ第4話までしか配信されていないため、今後どのような展開が待っているのかは分からないが、今のところ既視感たっぷりだ。

料理×ラブストーリーは多用されてきたテーマとは言えないものの、御曹司×普通の女性、相反する男女の出会い×恋は、観なくても先が読める組み合わせ。またそこに、財閥家×兄弟の権力争いまで描かれ、基本3点セットがしっかりと盛り込まれている。

特に、2話まではこれらの設定を視聴者に知らせる段階であったため、見慣れた話が続いて、少々退屈だと感じた人もいたよう。

近年韓国ドラマは、斬新さが評価される基準の1つとなりつつあり、常に新しいものを追い求める風潮が見られるが、本作はその真逆をいっている。

主演の熱演と定番が魅力

しかし裏を返せば、大きくコケることはない手堅さを感じる1作。事実、冒頭で触れたように世界中から反響を得ている。冒険ではなく安心感を求める人にはおすすめの作品だ。

しかもコ・ミンシ&カン・ハヌルの好演に称賛の声が上がっており、演技力が高ければ、たとえ見慣れたストーリーやキャラクターでも視聴者の関心を集めることができると言わんばかりの仕上がり。安定感抜群の定番要素と、役者の演技によって魅力的な1作になっている。

特に第3話からは、カン・ハヌルのコミック演技の分量がより一層増し、物語のスパイスに。どの言動も誇張されているが、クスっと笑わずにはいられない絶妙な塩梅で視聴者に笑いをプレゼントする。

『愛の不時着』(tvN/2019)で一躍脚光を浴びたユ・スビンとの息の合った掛け合いにもご注目。小学生のような小競り合いから、ブロマンス的シーンまでどれも見逃すことができない。

また、コ・ミンシも頑固さのなかに、温かさや素直さ純粋さを合わせ持った人物を立体的に描き出しており、観る者を物語に没入させる。

ミステリーとはいかないまでも、ヨンジュのベールに包まれた過去や、犯人の分からない出来事が起こるなど、ますます面白さを増していくストーリーは、観進めるうちにやめられなくなるだろう。

(ライター/西谷瀬里)

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