世界遺産認定後初の巡回展が最終会場の地、京都へ『日中平和友好条約45周年記念 世界遺産 大シルクロード展』まもなく開催
2024年11月23日(土・祝)~2025年2月2日(日)の期間、京都文化博物館にて『日中平和友好条約45周年記念 世界遺産 大シルクロード展』が開催される。
ユーラシア大陸を横断し、東洋と西洋を結んだ大交易路と一般に知られているシルクロード。2014年にユネスコの世界遺産に認定されてから、中国国外で初めて大規模なシルクロードの展覧会が行われ、京都が最終会場となる。同展では世界遺産に登録された中国国内の遺跡を紹介し、中国国内27カ所の博物館、研究所からシルクロードの文物、関連資料など約200点が出品される。また金銀宝飾品、青銅器、ガラス、陶磁器、壁画、絵画、染織、経典、仏像など一級文物44点を展観できる機会となる。
音声ガイドのナレーションは、1980年に始まった『NHK特集 シルクロード-絲綢之路-』でのナレーションで馴染みのある、俳優の石坂浩二が担当する。
第1章 民族往来の舞台~胡人の活動とオアシスの遺宝~
中国では北方や西方の騎馬遊牧民を古来「胡(こ)」(胡人(こじん))と呼んできた。これらはイラン系、トルコ系、モンゴル系など様々。なかでもイラン系のソグド商人は隊商(キャラバン)を組んでオアシス都市を往来し、中国~ローマをつなぐ東西交易だけでなく、文化や宗教の交流にも大きな役割を果たした。また、北の突厥(とっけつ)、南の吐蕃(とばん)も勢力を増し、独特の文化を残している。第1章では、新疆ウイグル自治区、甘粛省、寧夏回族自治区、青海省、遼寧省などの博物館が所蔵する、西方や北方の香り高い遺宝の数々を紹介する。
第2章 東西文明の融合~響き合う漢と胡の輝き~
漢の武帝の時に東西の交通路が開かれ、以後、大都市の長安や洛陽を中心に西方の文化が採り入れられていった。多民族国家といわれる唐時代になると中国に居住する胡人も増え、国際色豊かな社会状況を反映して、異国風の装いや美術、音楽が流行した。第2章では、唐時代の名品を中心に、甘粛省、陝西省、河南省、山西省、河北省、浙江省、江西省の博物館の所蔵品を紹介する。
第3章 仏教東漸の遥かな旅~眠りから覚めた経典と祈りの造形~
西暦1世紀ごろシルクロードを通って中国に伝えられた仏教は、経典の漢訳によって広く理解されるようになる。また、仏像や仏教絵画の制作も盛んになり、地域や民族の趣向に適応して新たな発展を遂げた。第3章では、トルファンと敦煌で発見された経典や、新疆、敦煌、さらに中原の各地で収蔵されている仏教美術の優品を紹介する。
チケットはイープラスにて販売中。