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<個性の範囲?>飛び出しに迷子!追いかけて毎日ヘトヘト「ウチの娘、普通じゃない?」【まんが】

ママスタセレクト

写真:ママスタセレクト

私はケイコ。3年前に第一子となる娘のシズカを出産しました。妊娠したときは本当にうれしかったし、性別はどちらでも元気に生まれてくれればいいと思っていました。しかしいざ、妊娠中に女の子だとわかると、かわいいお洋服を着せたり、家でおりがみをしたり、ママ友を作ってゆっくりおしゃべりをしながら女の子同士のおままごとをみまもったり。そんな未来にワクワクしていたのです。しかし……。

出産前に思い描いていた「女の子の育児」とは、かけ離れた生活をおくっています。 一歳の誕生日を前に歩きだしたシズカは家のなかでも元気に動き回るようになり、自分の足で近所の公園まで歩けるようになると、毎日のように公園へ行きたがるようになりました。はじめはその成長を喜んでいたのですが、1歳半健診で同じ年の子が集まったとき、常に動きまわるシズカに違和感を覚えたのです。

同じ時間帯に来ている子たちは、自分のお気に入りのおもちゃで遊んでいたり、絵本をお母さんと一緒に読んだりしています。しかし、シズカは用意された絵本を出したりしまったり、会場内を動きまわったり、寝転んだり、大騒ぎしたり……とにかくほかの子たちと比べて落ち着きがなかったのです。 子どもはシズカのように常に動きまわっているものだと思っていました。しかし、そうではない事実に愕然としてしまったのです。 そんななか、高校時代の友人たちと子連れでホームパーティーをする機会があり、保育士をしている友人に一歳半健診のときのことを相談しました。

「気になることはないけどな」と保育士の友人は、言ってくれました。 しかしシズカの発達の状況が気になって仕方がない私は、区の発達相談を利用することにしました。

私は、相談員さんに今までの悩みをすべて話しました。 相談員さんはときどきシズカのほうを見ながら、私の話をじっくり聞いてくれたのです。そのあいだ、シズカははじめて見るおもちゃで喜んで遊んでいました。

ある程度の年齢になれば、親のいうことは聞くようになるし、静かに待てるようになるから、小さいうちはできなくても仕方がないと思っていました。 でも、同じ年の子たちが静かに待つことができる姿を目の当たりにして、私は自分の子育てに自信がなくなりました。 私の育て方が悪かった? 本当はかわいいお洋服を親子コーデして出かけたり、お部屋でゆっくりおままごとをしたり……。 そんな女の子育児がしたかったのに! なんて、ついついそんなことを考えてしまいますが、今の私は、毎日公園でシズカを追いかける日々を過ごしています。

保育参観でヒエ~!先生に相談しても「大丈夫ですよ」ってホントに!?

幼稚園の入園式で、まさか記念写真を撮れないとは……。式の最中はシズカをなんとか座らせることができましたが、足をブラブラさせながらずっとまわりをキョロキョロと見まわしていました。お父さんとお母さんの間で、静かに座っている同い年の子たちを見ると、シズカのことが恥ずかしくさえ感じられました。 入園して2か月後の保育参観。夫は仕事で行けなかったので、私がひとりで保育参観に行ってきたのです。

シズカの隣には、補助の先生がついていました。動こうとしたり、おしゃべりがはじまろうとすると、そっと今やるべきことへ誘導してくれました。 もちろん、ほかの子のサポートもしていましたが、すぐにシズカのところへ戻れる距離感でサポートしていました。それだけシズカは目の離せない子なのでしょう。 ほかの子たちが自力で制作活動をしているのに、シズカだけできていない……私は今回の保育参観ですっかり落ち込んでしまったのです。

「やっぱり、シズカは発達に問題があるのかもしれない。そうじゃなかったら、私が育て方を何か間違えているのかもしれない」 私は夫に相談しました。「先生から何も言われてないなら、そこまで心配しなくてもいいんじゃないかな?」 夫はこう言いますが……不安に駆られた私は、担任の先生に相談することにしたのです。

小さい頃は走り出して困った状況になれば、抱っこ紐を使って抱っこしたり、ベビーカーに乗せたりしてなんとか走り出してしまうことを阻止できていました。 体が大きくなり力も強くなった今は、私だけでは手に負えないことが増えてきました。 先生も年齢相応だとおっしゃってくれましたが、保育参観でずっと補助の先生が隣についていた姿が忘れられません。 夫や先生からは大丈夫と言われますが、ほかの子と同じように行動できないシズカへの不安が募っていきます。

娘が人気者?気づかなかった一面に……ハッ!「レッテル貼ったのは私だ」

「シズカちゃんのママ! こちらこそチヒロがシズカちゃんにお世話になっています。シズカちゃん、チヒロといつも仲良くしてくれてありがとう! もしよかったら、少し遊ばせませんか?」 私はママ友にはじめて誘われたことがうれしく、一緒にカフェに行くことにしました。幼稚園のお友達と一緒に外で遊ぶこともはじめてで、少し緊張します。 そしてそれ以上に、ゆっくりとお茶を飲む時間が取れるのか、ずっとシズカについていないと……といった状況になるのではないかと、大きな不安を感じていました。

「うちの子はね、本当にシズカちゃんに助けられていて……」チヒロちゃんママの話では、チヒロちゃんが楽しく幼稚園に通えているのは、シズカのおかげだというのです。 「シズカちゃんと仲良くなって、毎日一緒に遊んでいるみたいで。幼稚園のこと、シズカちゃんのことを、チヒロはとても話してくれるんです。チヒロがすごく成長できたのは、本当にシズカちゃんのおかげなんです。ありがとうございます。それにシズカちゃん、クラスで人気者ですよ」 うれしい……私はシズカにそんな一面があったことを知りませんでした。 ふとプレイパークのほうを見ると、2歳くらいの男の子が転んで泣いていました。すると、その子のママより先にシズカが駆け寄り、「大丈夫?」と声をかけていたのです。 その後、チヒロちゃんのママとお茶を飲みながらたわいもない話をしました。チヒロちゃんのママから聞くシズカの話は新鮮で、シズカの幼稚園での姿を知ることができました。むしろ私は、シズカは落ち着きがないということだけを気にして、シズカ自身をちゃんと見られていなかったのではないか。そんな気がしてきたのです。

その後、また遊ぶ約束をして、チヒロちゃんとチヒロちゃんのママとは別れました。 私が知らなかったシズカの一面を知ることができ、今日は一緒に遊べて本当によかったと思いました。 もしかしたら、母親である私自身がシズカに「落ち着きのない子」というレッテルを貼ってしまった部分があったのかもしれません。 これからはもっと、シズカ自身をみていこうと思いながら帰っていると、ふと、あることに気がつきました。 さっきのチヒロちゃんママとの時間は、私が思い描いていた育児のワンシーンのひとつだったのです。 これからは目の前にいるシズカとの時間を楽しみながら、自分なりに育児に向き合っていきたいと思います。


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